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記述式のミスをなくす~「間違いノート」作成のススメ~

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。

【1】 記述式のミスをなくすには

普段、記述式の問題を解く際に「あっ、ミスをしてしまった。気づいていれば分かったはずなのに…」となることは誰にでもあることですが、そこで最もしていけないことは「ケアレスミスだから次に気をつければいいや」と考えてしまうことです。

というのも、記述式の問題を解く際に判断することは山のようにあり、「気をつけよう」といった漫然とした注意では、また同じ間違えをすることになる可能性が高いのです。ミスを「ただのケアレスミス」のまま放っておくと、必ず本試験で同じようなミスを繰り返してしまいます。そのため、記述式におけるミスを防止するためにはただ「気をつけよう」と、問題を解く際の集中力に頼るのではなく、「いかに未然に同じミスを防ぐか」といった仕組み作りをしっかりするべきといえます。

すなわち、記述式では「いかにミスをしないか」よりも「いかにミスを未然に防ぐか」といった考え方が重要となります。そこで今回、記述式のミスをなくすための方法としてオススメしたいのが、多くの合格者も実践している「間違いノート」の作成です。

【2】 間違いノートの目的

「間違いノート」とは、記述式の問題演習を行う中で、自分の間違えやすい知識や、間違えるパターン(例:農地法所定の許可があったことを証する情報の添付が抜けてしまう)をまとめたノートです。

これを作ることで、自分の「ミス」を可視化し、普段から間違いノートに目を通しておくことで、記述式におけるミスを未然に防ぐことができます。

【3】 間違いノート作成の際のポイント

〔1〕 随時更新をする

間違いノートに関して受験生から聞く、ありがちな失敗談として、「ミスをしたところを全部書いていったらノートの記載がいっぱいになってしまい、後に克服できたようなところまでノートで確認するようになってしまった。」というものがあります。

普段から、間違いノートを書くことと確認することを繰り返していれば当然、新しい間違いも、克服できた間違いも出てきます。しかし、克服できた間違いの記載をそのままにしておくと、チェックしなければならない記載が膨大となってしまい、結果として間違い克服の精度が低くなってしまいます。

すなわち、間違いノートには、今自分の課題となっている間違いが分かるように更新する必要があるのです。具体的には、自分の新しい間違いに気付いたら日々書き加え、克服できた間違いには二重線を引いて、常に自分にとって「ホットな間違い」が分かるようにしておきましょう。

〔2〕 時間をかけすぎない

もう1つ、間違いノートに関する、ありがちな失敗談として、「ノートを作るのに時間をかけすぎて、択一式の学習の時間が十分に取れなかった。」というものがあります。

あくまで間違いノートの目的は「自分のミスを可視化し、記述式におけるミスを未然に防ぐこと」にあるため、自分に分かる記載であればよく、きれいに整理して書く必要はありません。そのため、詳細な記載や根拠判例、条文番号などは記載する必要もありませんし、単に間違えた部分を箇条書きにするメモ程度でかまいません。ノートの作成に時間をかけすぎてしまわないように注意しましょう。

【4】 ノート作成のアレンジ例

間違いノート作成のアレンジ例としてオススメなのが「付箋にまとめる」方法です。

やり方は間違えノートに近いのですが、まずは自分の間違えやすい知識や、間違えるパターンを1個ずつ大きめの付箋に書いていきます。それを机の周りなど普段目に入るところに貼っておき、それが克服できたらはがします。またはそれをノートにまとめて貼ってもよいでしょう。

このように付箋形式で間違えをまとめることによって、簡単に「はがす」ことができるため、後に常識化した知識にまで目を通さなければならないといったもどかしさがありません。さらに、付箋だと後にはがすことになるので、丁寧に書きすぎて時間をかけすぎるといったおそれがないというメリットもあります。

また、最近はスマートフォンの普及に伴い、ケータイのメモアプリに間違いノートの内容をまとめている合格者も多くなってきました。ケータイは普段持ち歩くため、ちょっとした隙間時間に目を通すことができるのでオススメです。間違いノートに書いた内容を写真にとって、外出中でもチェックできるようにするのも効果的ですので、ぜひ試してみてください。


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