スケジュールの立て方のコツ~マーキング計画法~
みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。
今回はスケジュールの立て方のコツについてお話しします。
【1】スケジュールは緻密であれば良いのか
司法書士試験に合格するためには膨大な量の試験範囲をこなす必要があるので,どのようなスケジュールで学習するかを決めておくのは非常に重要です。
しかし,試験範囲が膨大であるがゆえにスケジュールの組み立てで失敗してしまう方も見られます。そのような方は,「スケジュールは緻密であればあるほど学習効率が高い」と思いがちですが,必ずしもそうとはいえません。
【2】目標から逆算してスケジュールを立てる
いきなり「1日目は○○をして,2日目は○○をして…」といったように直近からスケジュールを組み立てると優先順位を見失ってしまいがちです。
ですから,スケジュールは直近のところから組み立てるのではなく,ゴール(全体目標)から逆算して組み立てるのが効果的です。
例えば,「民法を○か月で復習する」➡「総則を○日,物権を○日,担保物権を○日,債権を○日,親族・相続を○日で勉強する」➡「総則の○日の中で,1日目に行為能力,2日目に意思表示を学習する」といった要領です。
このように,ゴールから逆算(細分化)していくと,優先順位と実現可能性を意識した適切なスケジュールを組み立てることができるので,非常に効率的です。
【3】マーキング計画法の活用法
オススメなのが,テキストの目次を利用した「マーキング計画法」です。この「マーキング計画法」を活用したスケジュールの組み立て方は次のとおりです。
① 自分のメインテキストの目次をコピーする
縮小コピーをし,全体を一目で確認できるようにすると,全体像が掴みやすくなります。
② 目次の全体像を把握し,大雑把な目標を立て,そこから逆算して分野ごとの目安を決める
例えば,「民法は○日で終わらせたい。そのためには総則に○日,物権に○日,債権に○日,親族相続に○日をかける。」といった要領です。
③ 1日の終わりに,次の日に終わらせたい範囲を”目分量”で決めておく
④ 学習が終わった単元の項目をマーカーで塗る(マーキング)。
インプット系(e.g.テキスト読込み)は赤色・アウトプット系(e.g.過去問演習)は黄色,といったように勉強の種類ごとに色分けすると学習進度がより分かりやすくなります。
また,項目を塗りつぶすのではなく,縦にマーカーを引いていけば,2周目以降も使えるようになります。また,どこに何回取り組んだかが分かるため,学習のムラをなくすことができます。
〔実践例~「これでわかる!基礎完成講座」講義テキスト目次~〕
【4】マーキング計画法のメリット
この「マーキング計画法」では次の3つのメリットがあります。
●苦手な単元に時間がかかったり,急な予定が入ってしまったりしてスケジュールが予定通りに進まなくても,勉強計画の修正を柔軟にすることができる。
●学習範囲の全体像を把握することができるので,体系的な理解がしやすい。
●自分の勉強量を目で見て把握することができ,モチベーションアップにつながる。
【5】スケジュールはざっくり組み立てる
スケジュールを組み立てる際に気を付けなければならないのが,「ある程度ざっくり組み立てる」ということです。「テキスト:P○~○,過去問:○○問」というように詳細に定めると,修正が利きづらくなるので,あえてテキストのページ数や過去問の問題数で組み立てないほうがよいでしょう。
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