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北谷馨の質問知恵袋 「事業年度の変更」に関する質問

今回は、「事業年度の変更」に関する質問です。

Q:役員の任期について、事業年度の変更があった場合にどのように任期計算すればいいのかがよく分かりません。

事業年度の変更があった場合の任期計算については、苦手という方が多いのですが、手順はシンプルです。

事業年度の変更があった場合、
① 変更後の事業年度をもとに通常どおり任期計算をする。
② もし①で計算した退任日が過去の日付になるのであれば、事業年度の変更をした日が退任日となる。

という手順になります。

当初の事業年度が4月1日~3月31日だったが、それを令和4年5月10日に1月1日~12月31日と変更した(変更後最初の事業年度は令和4年4月1日~令和4年12月31日とする)とすると、この会社の事業年度は
令和3年4月1日~令和4年3月31日
令和4年4月1日~令和4年12月31日
令和5年1月1日~令和5年12月31日
となります。
上記の事業年度をもとに、任期が2年の取締役であれば、「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時総会終結時」で計算をします。

仮に令和2年6月20日に選任された取締役であれば、令和4年6月21日までに終了する最終の事業年度は
令和3年4月1日~令和4年3月31日
の事業年度になるので、これに関する定時総会の終結時に任期満了退任します。令和4年6月25日に定時総会が開催されたのであれば、その定時総会終結時です。

もうひとつの例として、当初の事業年度は1/1~12/31だったが、令和4年4月5日に事業年度を4/1~3/31に変更した(変更後最初の事業年度は令和4年1月1日~令和5年3月31日とする)とすると、この会社の事業年度は
令和3年1月1日~令和3年12月31日
令和4年1月1日~令和5年3月31日
令和5年4月1日~令和6年3月31日
となります。

仮に令和3年3月20日に選任された取締役であれば、令和5年3月21日までに終了する最終の事業年度は
令和3年1月1日~令和3年12月31日
の事業年度となるので、令和4年3月頃に開催された定時総会の終結時に任期満了退任することになってしまいます。
これは事業年度の変更をした令和4年4月5日よりも過去の日付になってしまいますが、過去に遡って退任するということはないので、事業年度の変更をした令和4年4月5日でもって任期満了退任することになります。

なお、事業年度の変更があった時点で既に権利義務役員だったのであれば、事業年度の変更の影響は受けないという点もご注意ください。

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