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特別研修とは別に認定考査対策が必要となる理由

理由:1 特別研修では試験対策はしてくれない。

特別研修は、司法書士が簡裁訴訟代理等関係業務を行うにあたって必要な能力を習得することに主眼を置いた研修です。
そのため、講義形式の研修だけでなく、法廷傍聴、模擬裁判などが用意され、実務のイメージをいち早く掴むための工夫が凝らされています。
しかし、実務と試験の間にはギャップがあるため、試験のための対策が不可欠であるものの、特別研修では試験対策のノウハウを教えてくれません
試験対策は独自に行う必要があるのです。

理由:2 法的文書の作成能力は自然には身に付かない。

認定考査の出題形式は「記述式」です。
「訴状」や「答弁書」などに記載する要件事実を解答用紙に具体的に記載することが求められます。
要件事実を問う問題以外でも、法的な理屈を文章にして解答しなければなりません。
ここで注意すべきなのが、
①表現において試験特有のルールがあること(仮に、実務で通用する表現でも、試験では減点されることがあります。)
②法的文書の作成能力は、適切な問題を用いた実践を経なければ身に付かないこと

の2点です。
②は、市販の問題集自体が少ないことから、独学の壁となっているのが現状です。

理由:3 認定考査までの勉強期間は非常に短い。

例年と同じスケジュール感で試験が実施されるのだとしたら、司法書士試験の最終合格発表から認定考査まで、約半年しかありません※。
それに加えて、直近合格者にはハードな研修(各単位会の研修・中央研修・ブロック研修・特別研修)が待っています。
また、多くの合格者は試験合格後にはじめて実務に足を踏み入れるため、就職活動や、慣れない司法書士実務の現場に四苦八苦するでしょう。
環境が変わり、学習に取れる時間は激減するのが通常です。
細切れの少ない時間の中で、最大の成果を出すには、ノウハウが凝縮されたテキスト・講義を利用することが効果的です。

※令和2年度司法書士試験の実施が延期された影響から、令和3年度認定考査の実施日が未定の状態です。特別研修の終了から認定考査までの日程が例年よりも短くなる可能性すらあるため、油断できません。

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