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条文の魔力と魅力<後編>

皆さん、こんにちは!
クラスマネジャーの三村です。

前編の復習をサラッと行ってから、さっそく続きを始めましょう。
前回は「過去問・テキスト・条文」のトライアングル構造を確認し、条文には「キホンのキ」が書かれていること、条文を読むメリットとして「原則・例外・再例外」や「要件・効果」の確認が容易であること等について説明しました。
そして、私は「ある時期に、ある特定の目的を持って、ある科目だけ」条文を読んだのですが、時期は直前期に読みました!というところで終わったのでした(中途半端なところで切れてしまってすみませんでした...)。
なので、今回は条文を読んだ目的からお話しますね。

(4)何のために読んだのか?(目的)

なぜ直前期に条文を読んだのか?

それは「時間短縮」のためです。

直前期には繰り返す量が膨大になります。
そのため、計画していた勉強が遅れがちになるのは、本試験を受験済みの方なら実感して頂けるのではないでしょうか?
この時、「繰り返す回数が減っても丁寧に勉強した方がいいに決まってる!」という方向に行ってしまうと、地獄へ真っ逆さまに落ちる可能性があります。
胸を張って言える事ではないのですが、地獄へ真っ逆さまに落ちた人間がここにいるので信じて下さい。プリーズ!!

理想としては勉強を積み重ねた結果、自然と繰り返すスピードが上がり、全範囲を確認できるのがベストです。
しかし、そうは問屋が卸しません。理想と現実のギャップに悩むことになります。むむむ

そんな困った時、「条文」が登場します。
直前期に勉強が遅れた時、条文の読み込みをすることによって、効果的に時間の圧縮を図り、遅れを取り戻す事が出来ます。

(5)チョイス

さて、条文を使って時間短縮を図るのはいいとして、一体どの科目をと思いませんか?
何か1教科を選びたいわけです。
ちなみに、もし複数教科に遅れが生じていた場合、そもそも量的に負荷がかかりすぎている可能性がありますから、その場合は計画自体を見直しましょう。
マイナー科目はそもそも量的に少ないので、時間短縮効果は薄いと考えられるので外します。
そうすると民法・不動産登記法・会社法・商業登記法のボリュームゾーンから選ぶ事になるのですが、あなたならどの教科を選びますか?

私は民法を選びました。

ちなみに、私が受験生の時に条文を良く引いていた科目は民法、会社法、憲法、民事訴訟法でした。
会社法はあまりにも分からなくて、条文を読み込むための補助的な講義を受講しましたし、民事訴訟法も同じく苦手で、少しでも理解の助けになればと思い、条文を読んでいました。
基本的に実体法と呼ばれる科目は考えることを要求されますから、条文を使う意味は大いにあると思いますよ。

さて話を戻して、民法を選んだ理由でした。
まず、会社法は読みにくい(準用条文や読み替え条文が多い)し、条文数も1,000近くあるうえに1条1条が長いので、時間短縮どころか逆に時間がかかり、泥沼にはまる可能性があるので消去!(会社法は1人では読み込みにくいですね(汗))
次に、不動産登記法、商業登記法の手続法。これらの午後科目は反射的に解く問題が多いので、あえて条文を読み込む必要性は薄いと判断し、これも消去!
最終的に残った科目が民法です。
が、一番大切な民法を、しかも守りの午前と言われ、1点でも多く積み増したいところなのに、そこを圧縮して大丈夫なのか!?とは思いましたが、いやはや、そんな心配は無用でした。
その理由は前回の(2)でお話した通りです。

そして、量的には「普段の民法の学習:条文で民法を学習=2:1」程度に出来たので、遅れを取り戻すという目的は容易に達成できたのでした。めでたし、めでたし。

(6)方法

私はテキストの読み込み中心の勉強方法をとっていたので、条文を始めから読みながら(声に出したりもしながら)テキストの全範囲をチェックしていました。条文を読みながらテキストの該当箇所をササッと確認していきます。あくまでも時間短縮しつつ知識の維持が目的なので、テキストの内容に深入りはしません。条文に沿って「この要件にはどんな問題があったかな!?」と思いだしたりもしますが、思い出せなければ直ぐにテキストを見ちゃいます。
あくまでも条文が主、テキストは従です。
そうすれば、入門講座講義テキストであれば2分冊も読まなければならなかった量が、今手元にある六法だと130ページ程度ですから、相当な負担軽減になります。
もちろん「終身定期金」「有価証券」等の重要度の低い箇所は飛ばしたり、条文の斜め読み程度にしますから、実際は思った以上に負担は減ることになるでしょう。
テキストには今までの勉強で積み重ねたマークがありますから、それに従って各条文の重要度を判断すると良いと思いますよ。

イメージとしては、結果的に今まで点として存在していた「条文」が、テキストとの照合作業を通して線から面へつながることになります。

(7)最後に

今回は条文の読み込み方に触れつつ、直前期にその条文を使って時間短縮を図る方法についてお話しました。
直前期の遅れの取り戻し方についてはあくまでも一例であり、他にも色々な時間短縮方法があるでしょうから、悩んでいる方は是非カウンセリングで講師やクラスマネージャーに相談してみて下さいね。

さて、ひたひたと本試験が迫って来ました。
今年受験されるあなた!
試験までの日にちをカウントダウンすると焦ってしまうので、今からでも積み重ねていく意識を持ちましょうね。
来年が本命の方ももちろん1歩1歩です。

「明日」という言葉は「明るい日」と書きますよね?
今日よりも明日はもっと明るい日になる。。。
そう信じて、明るい1日を着実に積み重ねていき、階段を上っていく。
その階段を上りきった先の本試験当日、あなたが最高の景色を見ることができますように。


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