![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/53604920/rectangle_large_type_2_55d9d5a23e19333266869d2c735d8819.jpg?width=800)
不動産登記法“総論”の学習戦略
みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。
不動産登記法に関して多くの受験生が抱いている悩みが「総論」の対策ですが,不動産登記法における「総論」という言葉は次の3つの意味で使われます。一言で「総論の問題が苦手」といっても,その意味によって対策が異なります。
① 総論登記手続を問う問題(例:登記官による本人確認,登記識別情報の失効の申出と登記識別情報の有効証明請求)
② 横断整理的に知識を問う問題(例:印鑑証明書に関する問題)
③ 登記申請の形式が通常と異なる登記を問う問題(例:処分制限の登記,仮登記)
【1】総論登記手続を問う問題(例年2問程度出題)
総論登記手続を問う問題に苦手意識を感じてしまう原因の1点目としては,「総論登記手続を問う問題の過去問が少ないこと」が挙げられます。過去問として触れる機会があまりないので,その対策がしづらいのです。
総論登記手続は,過去問をこなすだけでは対策が不十分なので,答練で出題されている総論登記手続を問う問題を,過去問代わりとして繰り返し解くようにしましょう。
また,総論登記手続を問う問題に苦手意識を感じてしまう原因の2点目として,「総論登記手続を集中的に学習する機会が少なく,学習が手薄になりやすいこと」が挙げられます。
この対策としては,総論登記手続を集中的に学習する機会を普段の学習の中に盛り込むとよいでしょう。具体的には,「テキストの読み込みにおいて,総論部分を各論よりウエイトを高めにして取り組む」といった勉強法がオススメです。
【2】横断整理的に知識を問う問題(例年5問程度出題)
横断整理的に知識を問う問題に苦手意識を感じてしまう原因としては,「どこから知識を引っ張り出せばいいのか分からなくなること」が挙げられます。
したがって,横断整理的に知識を問う問題の対策としては,「知識の引っ張る先を明確にすること」が重要です。要するに,テキストのどこに何が書いてあるのかをしっかり把握することが大切なのです。
その具体的な学習法としては,普段の問題演習の際にテキストに逐一戻ることを徹底することがオススメです。普段,問題演習の際に正解した場合にはテキストに戻らないという方も,横断整理的に知識を問う問題においては,逐一テキストに戻るようにしましょう。これにより,テキストの記載箇所を意識しやすくなり,横断整理的にあちこちから知識を問われても,知識を想起しやすくなります。
単純な方法ではありますが,効果的な対策なので,横断整理的に知識を問う問題を解いた場合は,逐一テキストに戻る癖をつけましょう。
【3】登記申請の形式が通常と異なる登記を問う問題(例年3問程度出題)
処分制限の登記,仮登記,区分建物の登記などの登記申請の形式が通常と異なる登記は多くの受験生が苦手とするところですが,これは登記申請の形式が通常と異なる登記は理解するのが比較的難しく,「よく分からない」という状況に陥っているからです。
したがって,登記申請の形式が通常と異なる登記の対策としては,その分野に対する理解度を引き上げることが必要です。
しかし,自分でテキストを読み込んだり過去問を解いたりしても,理解度を上げることは難しいでしょう。かといって色々な文献に当たるのは時間のロスに繋がり,逆効果です。
そこで,お勧めしたいのが「ピンポイントの講義の再視聴」です。インプット講義を受講していた方は,理解できていない分野についてピンポイントでその箇所の講義を再視聴するとよいでしょう。講義を聴き直すことによって,一回聴いても分からなかったところが分かるようになり,理解が深まります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?