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テキストの極め方~習熟度を上げるコツ~

【1】テキストを極める

司法書士試験の学習においては,「これ!」と決めた教材をやり込む,いわば『テキスト(教材)を極める』ことが重要です。あやふやな知識がかえって害悪となり得るこの試験では,テキストを極めることにより,確実な知識に仕上げることが大事です。

※今回の記事における「テキスト」は,みなさんがメインとして取り組んでいる教材を指します。

【2】合格者の共通点

実際,私自身,色々な方とカウンセリングを行う中で,合格者とそうでない方の違いとして感じるのが,テキストの習熟度の違いです。後々合格する実力のある方は,テキストのどこに何が書いてあるのかがおおよそ見当が付くので,「テキストで○○の箇所を開いてください」といったときに,パッと開くことができます。

このように,テキストの習熟度が高ければ,本試験の問題を解く際も「あそこに書いてあった知識だな」と判断することができ,確実に正解することができます。反対に,テキストの習熟度が低ければ,テキストに記載されている知識であっても,知らない,あるいはどこかで聞いたことのある知識として判断してしまいがちです。すなわち,テキストの習熟度によって,本試験で解答できる知識の射程距離も異なるわけです

【3】「テキストを極める」とは

それでは,『テキストを極める』とはどの程度のことをいうのか。一つの目安としては,「テキストのどこに何が書いてあるかおおよそ分かる」ことです。これからの直前期の学習では,このレベルを目指してテキストに取り組んでほしいと思います。

そこで今回は,『テキストの極め方』と題して,テキストの習熟度を高めるコツをお伝えします。

【4】テキストの極め方

 〔1〕 繰り返しの回数を増やす

当然のことではありますが,テキストの習熟度を上げるには,繰り返しの回数を増やすことが効果的です。繰り返す回数に関しては,「直前期に3回以上」を目安にするとよいでしょう。ここで大事なのは,「3回以上繰り返さないと覚えられない」ことを前提として学習を進めることです。すなわち,1~2回取り組んでも定着しないところがあっても,それは当然のこととして受け止めた上で,繰り返し取り組むスタンスが重要となります。

 〔2〕 参照する回数を増やす

意外とできていないことが多いのが,こまめにテキストを「参照する」癖を付けることです。例えば,公開模試や答練の問題を復習する際に,こまめに手持ちのテキストを参照して確認を行う。この工程を習慣化しておけば,それだけテキストの検索能力が高くなり,また,テキストに触れる回数が多くなることで,テキストに愛着が出てきます。ここで注意すべきなのが,「参照」段階でテキストに取り組む時間をかけすぎないようにすることです。上記の例で言えば,公開模試・答練の復習をしているのに,そこで参照にとどめず,がっつりテキストに取り組んでしまうと,その復習がいつまでたっても終わらないからです。

 〔3〕 弱点を可視化する

テキストの中でも,自分の中で定着しているものもあれば,まだ定着していないものもあります。それらを同じ程度の労力を掛けて取り組んでも,効率的に点数を伸ばすことはできません。なぜなら,定着していないものを克服してこそ,点数が伸びる仕組みになっているからです(「できない」ところを「できる」ようにすることで,点数は伸びる)。

そのため,テキストの中でも定着していない箇所には印を付けておき(付箋を貼る,マークを付けるなど),そこに重点を置いて取り組むようにしましょう。弱点を可視化し,重点的に潰していくことで,テキストの習熟度は上がっていきます。

なお,弱点の可視化に関しては,次の記事も参考になさってください。

 〔4〕 テキストの脳内再生の練習をする

「テキストのどこに何が書いてあるかおおよそ分かる」というのは,言い換えれば,テキストの脳内再生ができる状態を意味します。そのため,ある程度繰り返してテキストの内容が頭に入ってきたら,簡単にテキストの脳内再生の練習をしてみるとよいです。

具体的には,テキストのページを開けて2~3秒俯瞰したら,少し目を閉じたり上を向いたりして,そのページにどのようなことが書いてあったかを軽く思い出すようにしましょう(思い出すのは主要なところだけで構いません)。「ここらへんにこれが書いてあって,ここはこういうことだったよな」と思い出すことができれば,知識が十分に定着していることを確認することができますし,能動的に頭を使って記憶喚起をしているため,より記憶が定着しやすくなります。

ただし,これはテキストをある程度繰り返して定着している状態でないと難しい方法なので,無理に実践する必要はありません。また,この作業に時間をかけすぎないように注意しましょう(想定としては,冒頭の俯瞰する時間も含めて,見開きごとに10~20秒程度)。


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