見出し画像

講師が紹介する “合格後おすすめの1冊” ~坂本龍治講師~

画像1

司法書士の社会的役割と未来 歴史と法制度改革を通じて
江藤 价泰 (著)/日本評論社

なぜ司法書士になったのか。どんな司法書士になりたいのか。
司法書士として実務の現場に立つ前に、今一度考えておきたいことです。
司法書士にとって、「覚悟」や「信念」「正義」は、現場で堂々と胸を張って正しい仕事をするためのバックボーンです。実務の現場では、想像もしていなかったような困難な状況に置かれることが多々あります。

たとえば「重責」
不動産取引では司法書士の一言で、数千万、数億円のお金が動きます。初めて会う相手が登記名義人本人に違いないことを認定し、登記に必要な書類が全て揃ったことを数十分しかない中で確信しなければならない。そして、不備や綻びがあるようであれば「決済は成立しません」と言わなければならない。緊迫した空気の中で、毅然とその一言が言えるでしょうか。

たとえば「繁忙」
災害や国家的緊急事態の中で、司法書士が社会的に果たさなければならない仕事が集中するかもしれない。そうでなくとも、仕事が集中することは当然ある。犠牲と奉仕の精神をもって、依頼に応じる「義務」を果たせるでしょうか。

たとえば「誘惑」
資格が富を生み出すことに目をつけて、甘い話を持ちかけてくる人がいる。あるいは、後見業務や財産管理業務においては、司法書士が管理するお客様の資産が目の前にある。果たして、自分自身が切羽詰まった状況に置かれたとき、正しい判断ができるでしょうか。
弱々しい「覚悟」では、バックボーンはポキッと折れて、再起不能になるかもしれません。
本書は、司法書士の歴史を紐解き、また、フランスやドイツの法律専門職のあり方との比較を通して、司法書士とはいかなる存在なのかを知り、思考するのに最良の素材となっています。

司法書士の社会的役割を考えること。それは、自分の「信念」や「正義」を見出すヒントとなります。司法書士として現場に出る前に、ぜひお読みください。
坂本龍治

★坂本龍治講師の講師紹介ページはこちら★

★『特集 2020年度司法書士試験 筆記試験合格発表をうけて』はこちら★


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?