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尊い時間。

注:9割がたうんちの話です。 


 
「大人と同じ物を食べ始めるとまじでやばいよ!」 
  
 
授乳していた頃、
夫の兄夫婦や友人が言っていた。 
 
たしかにやばい。 
    
いまだ手作り絵本の効果なく、
娘はおむつで用を足す。 
 
「うわっ」 
 
ふっくらしたおむつを開けた瞬間、
その量と香り(あえて「香り」と表現したい)に思わず声が出る。 
  
そして娘のおしりを拭きながらふと思う。 
 
私がいないと
この子は何もできないのだな、と。 
 
何も、は言い過ぎか。
   
おむつ替えさえ。  
 
    
 
だけど私は知っている。 
        
あれよあれよと時間が過ぎて、
私の手など必要なくなるときが来ると。 
 
そのとき私は、
尊い時間として思い出すのだろう。 
 
おむつ替えさえ。 
 
 
 
それにしても、
うんち後のおむつ替え時は、
ぜひとも暴れないでいただきたい。  
      
母からの切実な願い。
1分もしないんだから、おとなしくして。

まわりに付かないようにするのが
いかに大変なことか! 
 
あなたはそれを知る由もない。
そうやって、暴れて。 
 
やっとこさ替え終わり、テープで留めて、
くるっと小さくなったそのおむつを、
そっと娘の顔に近づける。 
 
「ぐわっ!くっさぁーーーい!」 
 
自分の香りに悶絶する娘。 
 
母によるささやかな反撃。 
 
これもまた
尊い時間として思い出すでしょう。 
 
 

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