いとさん

暇人です。

いとさん

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最近の記事

note引越します。

こんにちは。ご無沙汰しております。 思うところあってnoteアカウントをふたつ使い分けていたのですが、やっぱり一緒にすることにしました。 こちらに掲載していたエッセイを、もうひとつのアカウントに移行し、以後は向こうで更新していきます。 これまで読んでくださってありがとうございました。これからもよろしくお願いします。 ヒトウ イロコ|note

    • 個人の断片のクリエイティブ。

      佐伯ポインティさんが運営する「純猥談」が好きだ。夫婦との、恋人との、先輩や後輩との、あるいはセフレとの、ただ一度か二度かもう少しのあいだ交わされる性愛だけが抽出されたお話。どうしようもなく熱望して日常を飛び越えてしまった瞬間と、そのあとの壊れてしまってもう戻らない関係性の寂しさ。ありふれた誰かのエピソードが、「猥談」というフォーマットに嵌め込まれることにより、欲望と感情が細部まで描かれ個別化し、特別な物語となってわたしたちの前に立ち現れる。そういう誰かの秘密をのぞき見するたび

      • 失われてしまったものを抱えて。

        ※もぐら会 12月の課題②です。 水色の小鳥が何羽もやってきて、小さな足あとをいくつもいくつもつけていく。その柔らかい乾いた土の下に埋もれているのはわたしの悲しみだ。喜怒哀楽?さびしさ?恋しさ?さまざまに名づけられた感情の中でも、悲しみだけは誰とも分かち合うことができない。誰からも隠しておきたいと思う。だから地べたにそっと置いて素手で周りの土をかき集めて覆い隠しておく。その上にさらに背中を丸めてうずくまってじっとしている。 何年前だったかもう忘れてしまったけど、わたしの

        • お誕生日のウエストのチョコパイの話。

          今日は「忘れられない一皿」について書いてみようと思う。ちょうど誕生日が近かったこともあってか、まっさきに思い浮かぶものは「ウエストのチョコパイ」である。 知ってますか、ウエストのチョコパイ。ウエストとは、リーフパイで有名な銀座ウエスト。乾いててサクサクしてるやつばかりじゃなくて生ケーキも売ってるんですよ。小学生のころ、誕生日に父親だか歳の離れた姉だかが買ってきてくれて、そのあまりのおいしさに、毎年毎年誕生日といえば「ウエストのチョコパイがいい!」とリクエストをして父親に買っ

        note引越します。

          「結婚」にまつわる呪いを解きたい

          京都の鈴虫寺をご存知だろうか。京都でも有数の観光スポット・嵐山にあるお寺に、この春訪れた。収容人数100名規模の書院には、なぜか2000匹の鈴虫が飼われていて、りー、りー、と美しくはあるがあまりに盛大な大合唱の中、僧による30分間の説法を聞くことになる。その説法がまた、ちゃんと現代を反映した心にしみる仏教講話にはなってるのだが1分に1度はギャグを挟んでくる漫談スタイルで、聴衆の心を強引に奪っていくのだ。拝観者誘致のためのいろんな工夫の成果なのだろうが、設定の一つひとつが、どう

          「結婚」にまつわる呪いを解きたい

          わたしが日記を捨てたわけ

          小6の終わりごろから20代後半まで書いてた日記を、なぜか捨てずに取っておいた。人生どうもままならないものだなと思いはじめたのが小学校6年生のころで、思い起こせばひそかに好きだった仲良しの男の子からまさかの告白、飛び上がって喜んだのはいいがそのあとそっこうフラれたことにより、やるせなさを心の中にとどめることができなくなってノートに書きなぐったことがことの始まりのような気がする。以来、おもに片思いや友人関係に関するぐつぐつ煮詰まった粘性の思いを、ノートに塗りたくるように綴ってきた

          わたしが日記を捨てたわけ

          家事代行さんが来るたび呪いをかけてくる。

          片づけが苦手だ。新しい料理の味、いかしたお皿、かわいい植物、裁縫に編み物、マンガと本。興味がうつろいやすくてそのたびにあれこれ買い求めてしまうので、使うのが追いつかないくらい、ものが増えてしまう。そして意識もとっちらかってるので集中して片づけることができず、いろんなものから成る山積みの中で暮らしている。 このままでは子どもたちの教育にわるい。自分の精神も休まらない。そう思って家事代行を頼むことにした。月に1回か2回でも他人の手を借りて片づけして、家の中をリセットできれば少し

          家事代行さんが来るたび呪いをかけてくる。

          怠け者の烙印を自分で押している。

          事の起こりは人間ドックであった。 ここ数年高めだったコレステロールが、体重増加とともにぐんと上がり、とうとう高脂血症D・要精密検査、の判定が出てしまったのだ。 40代も後半にさしかかり、わたしの血はドロドロだ。血管に泡沫細胞が累々と重なって粥状となり、血管を詰まらせようとしている。夜中に原稿を書きながら、何かの拍子に死んでしまうに違いない。 そんなショックを、たまたまメッセンジャでやりとりをしてた海外在住の後輩に語ったところ、ごりごりトライアスロンで鍛えている後輩は「今な

          怠け者の烙印を自分で押している。