《シャンプー解説【後編】》サロン専売品は、ロフトやネットで買うのがめちゃムズイ
操作イトウです。
引き続きシャンプー解説、【後編】です。
美容師が「サロン専売品」をオススメする理由と、ロフトやネットで買うのが難しい理由について、順を追って説明しています。
※文中、「ドラッグストアで売っているシャンプー」について、文字数が多いので「市販」と表現することがあります。
先に【前編】【中編】を読んで頂くことを推奨します↓
「サロン専売品」ってなんなの?なぜ高いの?
「サロン専売品」とは、製薬会社が、美容室向けに商品を作っている物を指します。
つまり、美容室の営業に使うための「業務用」のような意味合いですが、一般の方が手に取る「サロン専売品」は、ホームケア用としてパッケージされた物のことです。
サロン専売品は、体感できるだけの“違い”を提供できる
一般的には、サロン専売品は「高級なヘアケア用品」といった印象だと思います。値段の違いは、物によっては10倍近くすることもありますが、その分お客様が“違い”を実感できるように、高品質で作られています。
美容師が、高級な物をオススメするのは「高いのを売って儲けたい」だけの理由ではありません。お客様に使ってもらえば、体感できるだけの“違い”を提供できるからです。
そんなサロン専売品が高い理由は主に2つ、「成分」と「ブランディング」です。
①「成分」による値段の違い
例えば「サロン専売品のシャンプー」の相場は、250mlのボトルで1500〜3500円(税別)ぐらいです。
サロン専売品は、高額になる程「高級、希少な成分」を用いていて、その「成分の効能」が、製品の売りになります。
「高級、希少な成分」は市販に用いられることがないので、「ツルツル、しっとりした手触り」「ツヤツヤでおさまりがイイ」など、“使い心地”の満足度が高くなりやすい。
そのため美容師からすると、サロン専売品は「高いだけのことはある」のです。
②「ブランディング」による値段の違い
「ブランディング」は、メーカー側から商品のイメージを決定付ける、重要な戦略です。
「あの有名人が愛用している」「この香りがブランドの証」など、ブランドの知名度が高ければ、高級感や特別感が増し、買う前から商品価値が担保されていることになります。
お洒落にデザインされた「パッケージ」は、商品が外箱に入っていることも多かったり、ボトルの形状も違ったり、特別感を演出します。
つまり、パッケージにもお金をかけているのです。
また、それは「有名ブランドのバッグ」と同じように、製品の希少性だけではなく、“所有すること”にも価値が生まれます。
そして、お洒落なパッケージのデザインは、“手元にあること”の満足感が意識され、バスルームや化粧室のインテリアとしての役割も担うことができます。
サロン専売品、ロフトやネット上で買いにくい問題について
「高いだけのことはある」ことは分かったけど、そもそもサロン専売品って、選ぶのが難しくないですか?
ロフトやネット上にはサロン専売品が沢山並んでいますが、わかりやすいドラッグストアですら迷うのに、ポップが立っていることは稀で、裏側の説明書きすら少ない。
また、『事前にオススメ品をチェックしたのに、間違えて買ってしまった』『目星を付けて買っても、前回と違うものを買ってしまった』なんてことも起こりがちです。
ロフトやネット上でサロン専売品は、どうしてこんなに買いにくいのか?
▼ニーズに“よく効く”特化型が多いから買いにくい
サロン専売品には、様々な「髪質」や「悩み」のニーズに合うように、「〇〇に悩む人向け」といった、悩み特化型の商品が多くあります。
アプローチの仕方も幅広く、こっちはスプレータイプ、あっちはオイルタイプと、形も様々です。
これによって満足度が高まる反面で、ニーズと“効能”が相反することもあります。
例えば、「髪が膨らむのが悩み」な方へ向けた「ボリュームダウン」商品と、「髪がぺちゃんとするのが悩み」な方へ向けた「ふんわりする」商品は、間違えて使うと逆効果になってしまいます。
▼パッケージの“効能アピール”が少ないから買いにくい
サロン専売品のパッケージは、市販にあるような、用途が伝わりやすい製品名や、『〇〇成分配合』といった“効能のアピール”が非常に少ないのが特徴です。
これは、「ドラッグストアの陳列棚での競争」が無いからです。
店頭で他社製品と一緒に並ぶことは、サロン専売品の前提にはありません。
そのため、バスルームや化粧室のインテリアにもなるほどお洒落なパッケージは、“何に使う物なのか”が分かりにくい。
すると、商品を探そうとするときには不便なのです。
▼「シリーズもの」の違いがわからなくて買いにくい
サロン専売品は、メーカーが同じコンセプトで作った「シリーズもの」の製品が多いです。
これは、「ブランディング」によるもの。
ヘルシー、ラブリー、ラグジュアリーなど、ファッションのスタイルやライフスタイル全体を提案しつつ、『この「シリーズもの」の中から、あなたに合う商品を組み合わせて使いましょう』といった形で、コンセプトに合わせた「シリーズ商品」として売り出されます。
そのため、「多毛向け」「軟毛向け」の商品が同列に並ぶこともあります。同じような見た目で、番号や記号、細かい文字が違うだけ、ということも珍しくありません。
そのため販売サイトの説明を読んでも、商品の公式ページを見ても、店頭で手に取っても、見た目の違いを判断しにくいのです。
▼値段的ハードルが高く、手軽に買いにくい
サロン専売品は、どうしても高額になりがちです。
話題のヘアオイルやバームの場合、5000円近くすることもザラにあります。しかも、しれっと容量が相場より少なかったりもします。
また、いざロフトに行っても、商品が店舗に置いてないこともしばしば。
ネットで買おうにも、販売サイトによって値段がバラバラ。
そのため、「一回、試してみよう」と手軽に手を伸ばしにくい。
まして商品のことを知らずに、文面やイメージ写真だけを見てポチるのには、勇気がいるのです。
誰のオススメが信用できる?髪質と悩みは人それぞれ
高額なお買い物を躊躇している場合には、誰かに「商品の価値が担保されていてほしい」と考えたくなります。
ですが、ヘアケア用品の難しいところは、「私のオススメ」が「あなたにもオススメ」とは限らないことです。
ヘアケア用品やメイク用品など、友人からオススメされたものが、「私には合わない」ことは多々あります。
髪質や悩みは人によってそれぞれなので、ニーズの差が大きく、それぞれのニーズが「ニッチ」になりやすい。
じゃあ、誰を信用したらいいの?
■良い商品でも、適切に使わないと意味がない
先述したように、ニーズ特化型のサロン専売品は、正しく選べないと効果が発揮できません。
消費者の使い方も、またしかりです。使い方や分量を間違っていては効果を実感できず、「この商品は良くない」と、商品のせいにしてしまう。
良い商品でも、適切に使わないと意味がないから、ちゃんと使い方も教えてほしいのです。
■インフルエンサーは「なりたいイメージ」を共有しやすい
SNSで発信する美容師さんやインフルエンサーによって、ヘアケア用品の情報は行き届きやすくなりました。
自分にとって信頼できるインフルエンサーであれば、「なりたいイメージ」が一致しやすいので、オススメされたもので「なれる」可能性が高くなります。
また、インフルエンサーの発信は鏡越しの画角になることが多く、扱い方が動画でわかりやすく、見よう見まねしやすいのが特徴です。
一方で、その方と自分の髪質が一致しないこともあるので、同じ悩みを持っていないと、情報を共有することはできません。
■担当の美容師のオススメ、はマッチする可能性が高い
言わずもがな、美容師さんは髪にまつわる知識を沢山持っています。
中でもサロン専売品の経験値は、圧倒的です。
美容師の場合、多様な髪質への対応を求められ、「自分の髪に合うか」だけでない経験値を持っています。長年に渡って様々な髪の毛とヘアケア用品に触れてきた経験則から、今のヘアスタイルに合う具体的な使い方やコツも、説明してくれるはずです。
プロからのオススメは、商品を間違って手に取る心配も少ない上、「あなたにはコレが合っているよ」と個々人の髪質や悩みを解決するものとしては、マッチする可能性が高くなります。
一方で、使い方をレクチャーされても、プロの手捌きが真似できないこともしばしば。
美容師さんにとっては「当たり前すぎて説明するところじゃない」と、説明を省いてしまいがちで、ポイントが見えにくいこともあります。
本当はもっと話すことがある、が。
市販とサロン専売品の違い、わかりましたか?
参考になれば幸いです。
ではまた。
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