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美容室のネット予約、メニュー多過ぎてなんそれ!【ネット予約の仕方①】

操作イトウです。
今回は、美容室の「ネット予約」にまつわるお話。

思い付いたタイミングでいつでも美容室を予約できるネット予約は、とっても便利。
まずは可愛い写真のお店を選んでから、時間とスタイリストをポチポチ選ぶ。すると、必ず行き詰るポイントがあります。
「私は、どのメニューを選んだらイイの?」
同じようなセットメニューが並び、その種類の違いもわからず、クーポンでお得な気がするけど、微妙に値段も違う。

とにかくメニューが多過ぎる、そんな「なんそれ!」な、美容室のネット予約事情を、美容師目線で解説します。

なんそれ!が言いたかっただけ

美容室の事情についてはコチラ↓


◾️「メニュー多過ぎ問題」には、事情があるのです

実際、お客様が選んでいるメニューが間違っていることは多々あります。また現場に立つ美容師としても、それによって困る事例があります。

ですが、それはお客様のせいではありません。ネット予約における「メニュー多過ぎ問題」は、その構造上、お客様は間違えても仕方がなく、現場もそれに翻弄されてしまいやすいのです。

理由は大きく3つ、「サイト内の競争」「時間枠とスタッフ人数」「明朗会計」です。

▼美容室と某クーポンサイトのズブズブの関係

電話予約が当たり前だったそれまでとは異なり、美容室の予約はネット予約が主流になりました。それ故、消費者としては「美容室を探すならクーポンサイト、予約もクーポンサイト」と、美容界とは切っても切れない関係性。No. 1シェアを誇る某クーポンサイトの創設は、2007年だったそうです。

ですが、意外に思われるかもしれませんが、サイト上に日本中の全ての美容室が掲載されているわけではありません。美容室側の意向によって、某クーポンサイトと契約していない美容室もあります。

一方、掲載されている美容室は“クーポンサイトと契約した”美容室で、ロイヤリティを支払って掲載“させてもらって”います。
この契約は重要な宣伝広告であるだけでなく、ネット予約のシステムや売上管理、顧客管理に至るまで、営業に関わる便利なことが総括して提供されています。
それ故、現代にクーポンサイトとの契約無くして美容室を運営することは、容易ではありません。

①メニューをたくさん載せないと、サイト内の熾烈な競争に勝てない

ですが、多くの美容室がクーポンサイトと契約している現在、サイト上で集客するためには、サイト内での熾烈な競争に勝たなければなりません。

当然、各美容室は「ウチの美容室を選んで欲しい」ために、あの手この手で「我が美容室がすごい」ことをアピールします。そのため、少しでも検索にヒットするように、お客様の琴線に触れるように、メニューをたくさん用意しています。

つまり「メニュー多過ぎ問題」はアピール合戦によって生まれ、更に「もっとアピールしなくては!」と、今もインフレし続けているのです。

②メニューごとに予約時間が決まっている【時間枠とスタッフ人数】

他にもメニューが多過ぎるのは、「事前にメニューを細分化しないと、予約時間に影響するから」という理由があります。
ネット予約ではメニューをお客様が選びますが、美容室側は事前のメニュー選びに介入できません。そのため、捌けるお客様の数が溢れないように、あらかじめメニューが枠組みして管理されています。

その兼ね合いは、「時間の枠」と「スタッフの人数」です。それによって作業が円滑に進むよう無駄な時間を減らして、より集客できるようにしているのです。

③複雑なメニューも明朗会計できる

また、具体的にセットメニューをたくさん用意することで、料金を明確にする、という意図もあります。
美容室の料金は、メニューが組み合わさると不明瞭になりやすい傾向が強いです。そのため、美容室の提示する金額が適正価格であっても、お客様が同意していなければクレームに繋がってしまいます。

そこで「カット+カラー+トリートメントで¥〇〇〇〇です」と、あらかじめセットメニューを多く用意することで、お客様に選択を促しているのです。

◾️聞き覚えのないメニュー、なんそれ!

この「メニュー多過ぎ問題」を更にわかりにくくしているのが、メニューにくっ付いている「ネーミング」です。どのメニューにも“聞き覚えのない”フレーズが羅列されています。

これもたくさんのメニューを用意する事で、検索に引っかかるようにしたり、お客様の細かいニーズにヒットするようにする意図があります。

▼分かりにくい理由は、“聞き覚えのない”フレーズを読解しなければならないから

例えばトリートメントのメニューも、ただ「トリートメント」と表記するのではなく、《毛髪改善【4step】〇〇トリートメント》など、デコりまくった“キラキラネーム”にされています。

そのため最新の「〇〇カラー」「〇〇トリートメント」などの流行りのネーミングを取り入れることが多く、最近では〇〇に具体的な薬剤の商品名を取り入れることも多くなりました。

このことから、「もっとアピールしなくては!」というインフレ化によって、消費者は“聞き覚えのない”フレーズを読解しなければならないのです。
これらは、普段からインスタなどで情報収集しているファッション好きな方には伝わるかもしれません。ですがファッションに詳しくない方には、よりわかりにくくなっているのです。

▼そのネーミング、美容師が知らないこともある

「〇〇カラー」「〇〇トリートメント」などのネーミングは、〇〇の部分をお店独自のネーミングにすることも多いです。これは独自性、希少性をアピールするためで、Instagramなどで独自のネーミングで宣伝しすることもよくあります。

ですが、実際にはそのネーミングは浸透しないことも多いため、お客様は興味を持ってディグって知っているけど、実はニッチ過ぎて現場の美容師さんは知らない、ということも多くあります。

そのため、他店の美容師さんからすると、「前のお店で〇〇トリートメントやったんですけど」と当たり前にいわれても、そのネーミングを知らなくてピンとこないこともあります。

◾️ネット予約のメニュー選びのポイント

サイト内のメニューは、スマホで見ると何ページも連なっているため、とにかく情報量が多過ぎ。
どうやって選べばいいのかわからなくなってしまいますが、まずはここを見るといい、ポイントをご紹介します。

▼まず見分けるのは「新規」か「全員」か

クーポンサイトでは、「レギュラーメニュー」より先に「クーポンメニュー」が掲載されています。メニューの最後の方にやっとレギュラーメニューが出てきますが、基本的にはクーポンを選んだ方がお得です。
そのクーポンもまた種類が多いのですが、まず見分けるのは「新規」か「全員」かです。

「新規」は言わずもがな、初めてのお客様を取り込むためのサービスメニューです。初回の来店は美容室にとって最も重要な窓口なので、割安で提供されています。

「全員」は、来たことがあるお客様(「再来」と呼びます)に適用されます。コチラは一度来たお客様がお店を気に入ってもらえるように、繰り返しご来店いただくチャンスを作るためのメニューです。
多くの場合、メニュー中にも「再来」や「2回目以降」などと表記されています。

▼▼2回目でも「新規」のメニューで予約できてしまうので注意▼▼

ここで煩わしいのは、ネット予約の構造上、お客様は何度でも「新規」を選ぶことができてしまうことです。

ちなみに美容室側は、予約されたお客様の来店履歴が表示されているので、その方が「初めて」なのか「2回目以降」なのかは把握できています。その際には、来店時に必ず担当の美容師さんから「このクーポンは適用できないので、こちらの値段になります」と訂正されます。

料金の違いは、お互いにシビアなお話です。ネット予約はお客様に委ねる形になりますが、事前に注意していただけるとありがたいです。

▼「カラー」と「ブリーチ」はメニューが別!?

経験のない方はピンと来ないかもしれませんが、「カラー」のメニューを選んだだけでは「ブリーチ」ができない可能性があります。

ブリーチは通常のカラーよりも時間がかかり、料金も割り増しになります。
メニュー選びの際は、必ず「ブリーチ」と表記されているもの、部分的なブリーチを希望する場合は「ハイライト」「グラデーションカラー」「インナーカラー」などと書いてあるメニューを選びましょう。

更に、ブリーチを施すヘアスタイルは、1回ブリーチをしただけでは“ステキなヘアカラー”にならない可能性が高くなります。
ブリーチをした後にはもう一度カラーをするのが定石なので、「ブリーチした後に、もう一回カラーする」という工程になるため、要する時間も含めてセットで考えるようにしましょう。

▼「+」なのか「or」なのか、よく見えない

ネット予約はスマホで行う方がほとんどです。ですが、スマホの画面一杯にメニューが並んでいる中から選ぶのも一苦労で、メニューの構成を勘違いしご来店することがあります。

例えば、「+」なのか「or」なのかの違い。
カット+カラー+パーマ
カット+カラーorパーマ

もちろん「or」はどちらかを選ぶ形ですので、メニューの料金と時間は明確に違います。これに気付かずに予約して来店すると、「どっちもやりたかったのに、どっちかしかできない」ということになります。

画面上の文字がちっちゃく、パッと見で分かりにくいため、間違いにもご来店するまで気付かないのです。
「こんなに安いの?時間も短いし、ラッキー!」と思ったら、少し疑って見直すようにしましょう。

▼安過ぎる単品メニューは、サイドメニュー

セットメニューは少し割安になっていることも多いのですが、「もっと安いメニュー、ないかなー?」と探しているうちに、単品で安いメニューを見つけて「ラッキー!」と予約する方もいるようです。

これらは「組み合わせて施す前提」のメニューです。
レギュラーメニュー欄の最後の方に記入されていて、また時間も短く設定されています。これらを単品で行う場合、「シャンプー+ブロー」の時間を含んでいないことがほとんどなので、プラスでメニューが必要になります。
例えば、単品で施術しないメニューには「追加メニュー」などと書かれていることが多いです。

これらはメインに対する「サイドメニュー」なのですが、こちらもネット予約の構造上、これだけで予約ができてしまうので注意しましょう。

②もやります

正直、ネット予約の難しさはこれだけではありません。

②では、もっと上手にネット予約できる方法についてをお話します。

ではまた。

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