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美容師は「指名」されたい!そのお給料事情とは?【「美容室探し」は本当に難しい②】

操作イトウです。
【「美容室探し」は本当に難しい】その②は、「指名」と美容師のお給料事情についてのお話。

「美容室探し」に苦戦している方は、多いのではないでしょうか?
お気に入りの美容室や美容師さんに出逢うことは、容易ではありません。美容室迷子になっている方のことを、「美容室ジプシー」なんて呼ぶこともあります。

美容師目線では、もしその美容師さんに良いフィーリングを感じたら、「指名」をすることをオススメします。
なぜなら、「指名」は美容師のお給料に深く関わっているからです。

■「美容室探し」はとにかく大変。

言わずもがな、街に数多ある美容室の中から自分に合った美容室を探すのはとても難しいことです。
探す手段といえば、「立地・利便性」の良い場所を求めてクーポンサイトを見て探したり、たまたまお店の前を通りかかって興味を持ったり、知人から紹介されたり、といったところ。

ですが、美容室を選び取るための「技術面・金額」「接客面」「お店の雰囲気」などは、レビューでは判断しかねます。実際にお金を払って切ってもらわないと体感できないため、比較対象するにしても一回のハードルが高い。そのため「失敗するのが怖いから」と、長い間美容室を変えられないというお客様の本音を耳にすることもあります。

その上、美容師は突然転勤したり、拠点を変えることもまた“あるある”です。そうなってしまうと、半ば強制的に「美容室探し」をしなくてはならない、なんてことにもなります。
つまり「美容室探し」は、誰しもが避けられないことなのです。

街を歩けば、どこもかしこも美容室

▼美容師のプロ目線でも「良い美容室」は判別できない

この「美容室探し」は、美容師である僕の目線であっても、良し悪しの判別ができません。クーポンサイトの文面や写真、美容師個人のInstagramを見てもほとんど技術力は測れず、良いお店かどうかは見分けがつかないのです。

つまりクーポンサイトでの「美容室探し」は、プロ目線であっても一般の方と同じような審美眼でしかなく、来店して体感するほかありません。

■そもそも「スタイリストの指名」は必要?

そんな「美容室探し」の苦労を経て、お客様が2回目以降にまた来店していただく(業界では「再来」と呼びます)というのは、美容室からすると「立地・利便性」「技術面・金額」「接客面」「お店の雰囲気」に納得して、ある程度満足していただいた(及第点以上だった)ということです。

ここで問われるのが、「スタイリストの指名」です。
「指名制」はほとんどの美容室で取り入れられているため、ネット予約でも電話口でも必ず項目として上がります。これに対して「ちょっとめんどくさい」「気が引ける」と感じる方もいるかもしれません。
そもそも、指名するとかしないとか、必要なことなの?

▼指名は「商品」を選んでもらうという意味でもある

美容室側が指名を推す理由は、スタイリストによる個人差が大きいからです。スタイリストは「得意技」「人生経験」「ファッションの嗜好」「人間性」に至るまで様々です。

美容室にとって美容師は「商品」なので、指名は多様性のある商品をお客様にセレクトしてもらう、という意味でもあります。
お客様自身も色々な美容師さんと相対しているため、「今までこんな方が相性がよかった」と感じる要素もあるはずです。「好きなモノを共有できる方がいい」「似合うスタイルを提案してくれる方がいい」など、お客様に向けた選択肢として考えていただければと思います。

▼「私が指名するなんて、おこがましい?」

お客様から話を聞くと、「私なんかが指名するなんて、おこがましい」と謙遜されて、「指名なし」を選ぶ方が多いようです。これは「指名」という言葉の印象が強いからだと思います。「指名するほどでもない」のであれば別ですが、上から目線で気が引けるのも理解できます。

「担当のご指名」というより「担当のご希望」という形で、前回の美容師さんがよかったら「前回のヘアスタイル、よかったです」ぐらいの気持ちで、気負わず選んでいただければありがたいです。

▼同じお店で「指名するスタイリスト」を変えてはいけない?

また、基本的にどの美容室でも「同じお店で、指名するスタイリストを変えてはいけない」といったルールはありません。これは、水商売などの業界だとやってはいけない御法度なのだそうです。水商売はどうしても関係性に色恋が絡むため、初回の来店時から釘を刺されるそうですが、美容業界ではそこまで厳しいルールはありません。

美容室からすると、折角お店を気に入ってくれたお客様が、次回また違うお店を選んでしまう方が、損失が大きくなります。お店を気に入ってもらったのだから、自分たちのお店に再来してもらえるのはとてもありがたいことなのです。

■美容師にとって「指名」は最大の評価軸

では、今度は「指名」について、働く美容師の側から見てみましょう。実は美容師にとって、「指名」は最大の評価軸です。

「沢山の美容師の中から選ばれた」「沢山のお客様に支持されている」というのは、承認欲求だけの話ではなく、ビジネスとしての成功も意味しています。

▼【美容師のお給料事情】「歩合制」の理由

多くの美容師のお給料は、一般的なサラリーマンとは少し違います。「昇級」などによる安定した項目は少なく、「基本給」以外を「歩合制」で割り当てられるため、月々の上下動も大きいです。

「歩合制」である理由は、美容師のその月の仕事量は「会社の売上」に直結しているからです。

「会社の売上」は、ほとんどが来店したお客様が“購入した”ヘアスタイルの売上です。
そのため「個人の売上」はヘアスタイルを“提供した”「仕事の成果」が数字としてすぐ表れるため、それに対する貢献度を「月々の歩合」という形で評価しているのです。

▼指名は「美容師がお客様を招いた」という評価

そして会社側は、美容師の「個人の月間の売上」よりも「指名の売上」を重要視します。これは、その美容師が指名されることで「その美容師によって、お客様が来店している」「貴方がお客様を招いた」と評価するためです。

そのため歩合は「指名なしの売上」よりも、「指名の売上」の方が配当が多く設定されることがほとんどです。多くの場合、歩合は「お客様を担当した売上の〇〇%」といった形で割り振られます。

美容師は、たくさん指名されることでお給料がアップする。なので売上を上げるためにも、次回もまた指名してもらえるように、と努めているのです。

■指名は「人として」「ビジネスパーソンとして」の評価

このことから、美容師にとって指名されることは、人としても、ビジネスパーソンとしても評価されているのだという、重要な基準なのです。

「2〜3ヶ月に一回会う」美容師さんは、長いお付き合いになるお客様にとって、プライベートの相談役になったり、年齢問わず人生のメンターになる方も多いです。
僕自身も、常連の方々からは、応援の気持ちとして「指名」をして頂いている、そんな風にもに捉えています。

そして「指名」によって、お客様がより美容室を快適に過ごせるような手助けになれば幸いです。


ではまた。

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