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多くの男性は、「清潔感」の意味を勘違いしている【どうして「清潔感」が足りない?②】こじらせ考察編

操作イトウです。
いよいよ、暑すぎる夏が到来。街に出ると、「臭い」「不潔」問題も深刻化していますね。
今回は、「清潔感」についての後編、こじらせ考察回です。

先日の「スメハラ」の投稿も多くの方に読まれているようで、やはり関心の高いトピックなのだな、と感じます。ですが特に男性は、「世代による意識の違いが顕著だな」と感じています。

この価値観の違いは、どこから来ているのだろうか…。

【どうして「清潔感」が足りない?①】はコチラ↓

スメハラはコチラで↓

◾️最近、世代による「清潔感」の差は顕著

まず、どの世代の人でも、若者だった当時はおっさんのことを「不潔」だと感じていたと思います。
そもそも、高温多湿な気候に晒される日本のおっさんは、「不潔になりやすい」とも言えます。

例えば、ヨーロッパの人は「2日に1回しかシャワーしない」と聞いたことがあるかもしれません。
もちろん体臭のキツイ方は多くいますが、「香水で臭い対策」をすることが一般化していて、エチケットの意識が高いのも事実。

もちろん「香水でカバー」は、文化も気候も違う日本のおっさんには難しいところでもありますが、彼らの場合、何か不潔に見せない要素を持っている印象も強いですよね。

どこか「清潔感」を感じる、ヨーロッパのおっさん

▼「清潔感」の感度は、常に若者の方が上

若者がおっさんを「不潔」と捉えるということは、世代が変わるごとに「清潔感」の概念はアップデートされているのかもしれません。
時代の変遷を知っていくと感じますが、「清潔感」の感度は、時代と共にブラッシュアップされ続けてきているようです。

つまり、常に現代の若者の方が「清潔感」に対して敏感に捉えている。

例えば、昭和中期までは「毎日シャンプーする」習慣はなかったそうです。
80年代当時、中森明菜がシャンプーのCMで
「信じられる?ティーンの2人に1人が毎日シャンプーしてるって」
と言ったことに端を発し、一気に全国に広まったのだそう。

若者をハッとさせた、凄まじいコピーライティングですね。

また、ここ10年くらいの「タバコの臭い」への意識は顕著な例です。

昔はみんな吸ってたから、「タバコの臭い」に違和感を感じることもなかった。
僕の学生時代には友達は大多数が吸っていたし、カラオケや居酒屋に行ってタバコ臭くなって帰る、なんてことは当たり前の日常でした。

◾️大人は、「清潔」と「清潔感」を勘違いしている

特に現代の若者(10〜20代中盤)の「清潔感」は、かつてないほどに高い水準にある、と感じています。
対して、すでにおっさんに片足突っ込んでいる僕の世代(30代半ば〜40代前半)から上の「清潔感」への意識は、その人その人によります。

「2日に1回しかシャワーしない」ヨーロッパ人のスタンスからわかるように、「清潔感」は、「衛生面で清潔」であることとは違います。
たとえ、おっさんが毎日お風呂に入っていても「清潔感」は担保されませんし、「店前で必ずアルコールをシュッシュすればいい」と実行しても、ただの潔癖症だと思われるだけです。

だからって、若者に倣って「K-POPアイドルのようにメイクをしろ!」と言う話でもないのですが、つまり「清潔感」は「衛生面で清潔」ということでもないのです。

▼「意識高い系」は、モテたい貪欲さで清潔感が高い

例えば、おっさん世代でわかりやすく清潔感が高いのは、「意識高い系」や「イケイケ系」です。
彼らは「若い女性にモテたい」意識も高いからか、エステや脱毛にも積極的。「自分磨き」と称して、貪欲に新しい価値観を受け入れています。

総じてお金に余裕のある層でもありますが、「モテたい」ことに貪欲であるため「女性ウケ」を重視することに“てらい”が無いことが、一番の要因だと思います。

要は、自分の価値観を改めることに寛容なので、時代の価値観の変容にも敏感なのです。

◾️相対しているのが「アメカジ礼賛」と「アウトロー信仰」

「意識高い系」や「イケイケ系」の、「金にものを言わせて女性ウケを重視する」というスタンスは、同世代から卑下されやすい対象でもあります。

この批判するスタンスに立っているのは、例えば「アメカジ礼賛文化」の方々です。

今の40〜50代に顕著なのが、アメカジ好きです。キムタクやハマダーなどに代表される「粗野なカッコよさ」に重きを置いていて、「渋カジ」や「裏原系」がこの層にあたります。

それより上の世代の「プレッピー」と「DCブランド」の方々は、どちらかと言うと見た目の清潔感が重視されたスタイルの印象です。
ですがこの世代も、「清潔感のものさし」は当時のままの方が多いですし、そもそもそこまで意識していた方は少ないのかもしれません。

90年代までの日本のファッション史として、いい資料でした↓

▼男らしいスタイルは「不潔」になりがち

基本的には、少しでもお洒落に興味がある人であれば「清潔感」は伝わってくるものです。
ですが、「お洒落が好き=清潔感がある」とは該当しない場合もあります。それが分かりやすいのが、「アメカジ」です。

男性の憧れファッションの代表格、「バイカーなどワイルド系」や「アメカジ古着系」のファッションは、端的に言うと不潔に見えやすい特徴があります。

「履き込んだジーパン」など「経年変化」がカッコいいとされますが、これらは元々、肉体労働のユニフォーム。
そのイメージも相まってか、「ワーク、ミリタリー系」なども含めて「清潔感」の印象は薄く、小汚く見えやすいのです。

▼「アウトロー信仰」は長く続いた

この「アメカジ礼賛」が広がった理由の一つに、「アウトロー信仰」があると思います。
こちらも「粗野」で「野暮ったい」ことがカッコいいとされ、小綺麗にするのはダサい、という感覚を持っています。「ツッパリ」などのワル文化も、同じテイストのように見えます。

そして、昭和アウトローの象徴、ショーケンのイメージは「男らしさ」の象徴として90年代の若者まで引き継いでいました。

浜ちゃんもショーケンのファンを公言し、トップアイドルなのに「ワイルド感」のあるキムタクの口調や振る舞いも、影響下にあるように見えます。

◾️ストリート系もY2Kも、当時はもっと汚かったよね

今の若者にも「ストリート系」のファッションは人気ですが、90年代当時、ストリート系はもっと汚かったですよね。

腰履きしたズボンの裾は、ズルズルに破けている人ばっかりだった。流行りのブランドTシャツでも、一張羅で黄ばんでる上にヨレヨレだったり、スニーカーの底が傾くほど擦れている、なんていうのも当たり前でした。

「Y2K」もしかり。
渋谷センター街の若者は、地べたに座りこんで「ローライズデニムから、パンティーとお尻の割れ目が見えている」のが当たり前で、New jeansみたいにクリーンな印象ではなかったはずです。

▼当時の若者はお金がなかった。ギャルは次第に汚ギャルに

当時の若者が汚かったのは、「お金がないからキレイにできなかった」という一面もあります。
「新しいお洋服を買い揃えられなかった」「カフェ代を惜しんで道端に座り込んでいた」という現実。

これらは僕にとっては少し上の世代なので、この辺は宮台真司さんの受け売りですが、援交などが社会問題になって以降なので、自治体によって治安維持がなされたのだそう。

実際、2000年代半ばに渋谷の学生だった頃の僕らは、センター街の地べたに座ることはありませんでした。黒ギャルのほとんどは白ギャルに移行していて、すでに汚ギャルと呼ばれて蔑まれていました。

◾️SNS世代に「清潔感」があるのはなぜ?

SNS世代は脱毛の比率も高く、ムダ毛処理も男女を問わず肯定的です。美容整形にもカジュアルで、その意識の高さが際立っています。

彼らの世代からすれば「みんながやってる」イメージでしょうし、情報も簡単に仕入れられるでしょうから、多数派に引っ張られるのは当然です。

▼SNSの立ち振る舞いが、価値観に影響している

SNS世代は、SNS上での立ち振る舞い方が価値観に影響している、というのはよく聞く話です。

「悪いことをしたら叩かれる」
「デジタルタトゥーになることを避けたい」
これらのリスクはできるだけ回避して、「悪い芽は事前に摘んでおく」立ち居振る舞いが習慣化しています。

これらはアウトローとは対極ですし、ツッパリやワルがカッコいいという考えは、毛頭ない。
公人が次々に叩かれていく様を見れば、「身も心も清廉であるべき」と考えるのは自然なことかもしれません。

▼お金がなくても「安くて上質なモノコト」を手に入れることができる

更に彼らの特筆すべきは、「安くて上質なモノコト」を手に入れることができることです。

かつての若者が「雑誌を隅々まで読み込んで、やっと獲得した情報」を、彼らはSNS上で“受動的に”得ることができます。

SNSなら、リサーチも簡単。
一万円片手にファストファッションのお店に行けば、人並みのお洒落ができてお釣りが帰ってくるし、そもそもSHEINなら、お家から出ずにお洒落も爆安でゲットできます。

だから汚いスニーカーも、ズルズルのパンツも、わざわざ使い続ける必要などないのです。

安くてカワイイお洋服が買える
少しお金を出してお洒落なカフェに行けば、ステキな写真が撮れる
そんな、お金を使わなくてもキレイになれるからこそ、清潔感はブラッシュアップされている、とも言えるでしょう。

◾️「清潔感」は意識が高いに越したことはない

説明した通りですが、「清潔感」は意識が高いに越したことはないです。
特におっさんには、無意識に不快にさせる要素が満載なので、今後も順次、価値観を改める必要があるでしょう。

そんな、おっさん予備軍の戯言でした。

ではまた。

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