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おすすめしたい本だけが一冊一冊厳選されて、並べられている。目に見えないが、そういう情熱は自然にきちんとお客に伝わるものなのだ

 妻くんのお供で、柴崎駅近くの手紙社に行った。KIYATAさんのランプ購入のための抽選がこのお店でしかやっていなかったからである。KIYATAさんとは若野忍さん、由佳さん夫婦の木工ユニットの名前で、妻くんは鯨のランプが欲しいのだが、競争率が高くなかなか抽選に当たらないのだそうだ。 
 KIYATA(キヤタ)とはスリランカの言葉、シンハラ語でノコギリの意味だ、とホームページに書いてある。手紙社のことは、その昔、吉祥寺パルコ店内で小さなお店が出ていて、知っていた。センスのいい雑貨店だと思っていた。
 二階にある手紙社。同じ建物の一階は、系列店の「本とコーヒー」という読書好きには魅力的なネーミングのブックカフェだった。店内に入ると、小劇場の役者さんのような印象の元気な女性の店員さんの声が響いている。
 店内のレイアウトは明るく、洗練されていて、並んでいる本のテイストもきれいに統一されていた。最初は絵本の店かと思ったのだが、文学や短歌の本なども置いてある。独特のセンスでセレクトされたグッズも並べられている。ボサノバなどのCDも部分的には置いてあった。本は、何というのだろう、読了後、気分が重く、どんよりとするような本は、注意深く避けられているように感じられた。
 おすすめしたい本だけが一冊一冊厳選されて、並べられている。目に見えないが、そういう情熱は自然にきちんとお客に伝わるものなのだ。
 私は雑多に本を買い、雑食に読むタチの人間だが、本当に好きな本だけで書棚を作ったら、どうなのだろう。このお店が心地よいのは、きっとそういうところに秘訣があると思うのだ。
 妻くんとランチのカレーとパニーニを食べて帰った。

ゲッツ/ジルベルト

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