”世の中のお金持ちの方法論”と”3つのサイクルの考え方”を対比する その1

以下の本でかかれている内容を3つのサイクルの考え方と対比させながら、参考になった点をご紹介します。なお、著者の体験に基づく貴重な気づきが惜しみなく共有されており、非常に良い本なので、興味のある方はご一読をお勧めします。

■読んだ本

『稼ぐ力』を養うお金の教え60 (資産10億円プチ富豪のマネーリテラシー), 2013, Mayuhime 

みんなと同じように寝ていたら、みんなと同じようにしかなれません(141ページ)

まずは、長時間働いて、投資(自己投資含む)の余裕をつくらないことには始まらない、ということでした。そのためには、寝たい、休みたい、遊びたい、という欲求に勝たなければいけないようです。事実、著者も夜な夜な寝ずに泣きながらデータ入力の仕事をして、その後の発展に向けた基盤を形成されたそうです。

また、「自分の時間を1秒でも多くお金を生む活動にするにはどうすればよいか」ということを真剣に自問する必要がありそうです。著者は、主婦でありながら2つの仕事を掛け持ちし、お金を生む時間を増やされていました。この辺りは、飛び道具やショートカットはなさそうです。

あとでできる事は、あとでやろう。こういう後回し癖、先送り癖は、果実をいつまでも食べられない、つまりお金持ちになれない人の考え方や習慣です。(148ページ)

後回しにすることで、”やるべきこと”が蓄積され、行動を起こすべきタイミングで身動きが取れなくなるそうです(「時間がない」といった言い訳ができてきたときはこのケースが多いようです)。結果、お金持ちになるチャンスに飛び込むことができないとのことでした。この論理は、言われてみれば、納得感があります。

ここでいうやるべきこととは、”キッチンの掃除”や”日々の洗濯”も含まれます。これらは、3つのサイクルの考え方でいうところのメンテナンスサイクルに該当します。つまり、上記引用文の教えは、メンテナンスサイクルの活動は、後回しにするな、ということと理解できます。

メンテナンスサイクルの活動は、緊急性を伴うものはほとんどありません。1日サボっても、長い目でみればほとんど影響がないかもしれません。誰かにやれと命令されるわけではないので、面倒だと感じる日は後回しにしたい日もあるかもしれません。

しかし、この後回しにするという判断が、結果的にストックサイクルに影響を及ぼしているようです。「洗濯機は今回せないか?」、「キッチンは汚れていないか?」気にする癖をつけて、前倒しで実行すると時間が生まれるということでしょう。

サラリーマンは、自分の時間を売る代わりに、ある程度の安定を手にいれています。悪い事だとは言いませんが、同じ時間でもっと大きなお金が得られる可能性を捨てています。(155ページ)

サラリーマンは労働の対価として給料を受け取っていると理解していました。経験に基づく技能を活かしてお客様に価値を提供し、提供価値に必要内容の一部が労務費原価であり、自分の給料として支払われていると理解していました。しかし、上記引用文の通り、自分が会社に差し出しているもっとも重要な資源は自分の時間なのかもしれません。

3つのサイクルに共通して必要となるリソースは時間です。運動を通して健康になるためにも、家族と時間を過ごして喜びを見出すにも時間が必要ですが、この貴重な時間を会社に差し出し、お金を得ていると著者は表現しています。また、安定というメリットはあるものの、会社における時間とお金の交換レートは決して良いものではない、という点が著者の見解です。

個人的には、会社から得ているものは、お金だけではなく、意義ややりがい、チームメンバとの一体感などハピネスサイクルの要素も含まれているため、一概にお金だけの交換レートで評価しきれないところはあるとは思います。しかし、サラリーマンでいることのお金面の機会損失がどの程度か評価しきれていないことも事実であり、この点は調べてみる必要があると思っています。

私にとって、何よりも優先順位が高い大切なものは、愛する旦那様や娘・息子たちと一緒に過ごす時間です。(164ページ)

同感。私も家族との時間はかけがいのないものです。3つのサイクルは相互にバランスしながら回っていくことで、持続的に満足して生きていけるフレームワークですが、ハピネスサイクルは特に優先すべきものとのことでしょう。

お金持ちになるために考え方や習慣を見直すにしても、ハピネスサイクルを犠牲にしてはいけないことは忘れてはいけないようです。

お金を稼げる人と稼げない人。特別な才能や特別なチャンスではなく、どちらも同じチャンスに出会っているのに、お金儲けのできない人は、それを実行しないだけ。お金儲けのできる人は、それを実行するだけなんです。(212ページ)

やるかやらないか、それだけとのこと。お金の大切さに目覚めたら、時間というリソースを微塵も無駄にしないよう、とにかく実行あるのみなのかもしれません。

上記の他にも、参考になる箇所がたくさんあります。上記に、興味を持たれた方はぜひ、ご一読いただければと思います。

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