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IT&マーケティング界隈の動向まとめ(2022年11月分)

Twitterに投稿していたニュースをもとに、2022/11/1~2022/11/30の1ヶ月程度の期間で起こったIT&マーケティング界隈の動向を振り返ります。


①GAFA人員削減から見るIT冬の時代

Meta, Amazon,Twitterが相次いで大規模解雇を発表。「完全に潮目が変わったIT業界」にあるように、背景にはアメリカの長期不況可能性を背景に広告予算が引き締められていることがあると思われる。

大手テック企業が新規イノベーションを制限して効率重視経営に移っていく中で、例えばTikTokは大量採用に走っていたり、またアンチプラットフォーマーの流れでWeb3も成長している。後発企業が全く勝ち目がなさそうに思えていた巨大プラットフォーマーに勝てるかもしれないと思わせる時流がやってきており、ここが天下分け目の戦いとなりそうだ。


②FTX破綻と荒れる仮想通貨市場

仮想通貨市場を一気に冷やしにきたFTX破綻。顧客財産を分離していなかったことから不適切取引による赤字で一発倒産したように見えており、たびたび批判されてきた日本の厳しい仮想通貨交換業登録がリスク回避の意味ではむしろ先端的だった可能性すら感じさせる事態となっている。

連鎖倒産もあり得る事態で、仮想通貨市場の動きと共に注視していきたい。


③GA4が導く予測活用の民主化

データ可視化の世界は、従来は過去を見るものであった。それがリアルタイム性を重視するテックツールによって現在(限りなく最近の過去)が分かるようになった一方で、この先に鎮座するのは永遠のテーマである未来予測である。機械学習の民主化が進んでいる、そしてDataRobotやAmazon SageMaker Canvas、MatrixFlowなどノーコードツールが躍進したとしても、それをそのまま活用しようと思えるのはあくまで一定以上のデータリテラシーのある人材、つまりアーリーアダプターに限られるだろう。

一方、このキャズムの壁を越えてアーリーマジョリティ、レイトマジョリティに予測活用を広げうるのがGA4だと期待される。

GAで現在使える予測機能として以下の5セグメントが挙がっている。

1. 7日以内に離脱する可能性が高い既存顧客
2. 7日以内に離脱する可能性が高いユーザー
3. 7日以内に購入する可能性が高い既存顧客
4. 7日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー
5. 28日以内に利用額上位になると予測されるユーザー

https://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/2211/01/news041.html

来年の7月に終了するGA3の後釜であるGA4。今までと使い勝手が違うということでまごつくWeb担当者は多そうだが、GA4ならではの機能を使いこなしてこそ新ツールを使う真の意味がある。この機能は、機械学習による予測を広めるだけでなく、Web担当者がGA4に前向きに移行するトリガーになりえるかもしれない。


④AI倫理を問われるGitHub Copilot集団訴訟

画像AIと総称されるMidjorneyやStable Diffusion, NovelAIなどで「学習」については違法とされないことが物議を醸していたが、他の領域では同じようにはいかないようだ。

プログラミング領域で学習して、言語による指示によってその指示内容を実行できるコードが記述されるGitHub Copilot。学習素材となったGitHub上のコードが規約で厳格に使い道を指定されて「ライセンスに従って作者名と著作権帰属の表示が必要」であったのにそういった配慮がないことが違法性の根拠となっている。転用されることを前提として再利用時の方法を定義されていたことが、画像AIの学習素材とは扱いが異なりうる結果となっている。

「AIが学習したものを生成するサービスにまつわる訴訟は、これが初とされています」とのことで、今後の展開を注視したい。


⑤Meety騒動から見る企業のリスクマネジメント

Meety炎上問題、詳しくはリンク先に譲るが、社員が業務外(?)でマズいことをしたときの企業対応の反面教師として大変興味深い。スタートアップ界隈では教訓とされていくだろう。


⑥B2Bセールステックは顧客志向たりえるか

MAである高度化が実現できているマーケ領域、B2Cセールス領域と違って、営業の属人性や労働集約性が問題視されがちなB2Bセールスがどう高度化されるかは大きな業界課題である。とはいえ、安易な技術革新は顧客側に弊害をもたらしかねない。

少し前に流行ったB2BセールステックであるZoomInfoは、安易な許諾取得でキーパーソンをデータベース化して二次利用していくスタイルでスケール性を担保していたが、個人情報扱いに敏感な日本では流行することがなかったようだ。一方で、それとは違う流れのセールステックが誕生し始めている。キーワードは「興味関心データ(インテントデータ)」。

今月に記事化されていたのはSalesNowとSales Markerの2ツール。いずれもインテントデータを掲げている。発想としては、かつてGAやMAがマスやセグメントデータの分析に終始していたところにn1のリアルタイムデータをアピールしてPMFに辿り着いたKARTEに同じく、n1とリアルタイム性を以てマーケットリーダーであるFORCAS/Sansanあたりに勝負を挑んでいる印象。

ZoomInfoのアンチテーゼとして、コンタクト情報にSNS(特にLinkedIn)を活用していそうな点が特徴と言えそう。ただし、このあたりのクリーンさは表の公開情報だけでは判断がしづらい。

例えばSalesNowは

Q 個人情報保護法は問題ありませんか?
A 問題ございません。個人情報に関してはWeb上に一般公開されている情報をオプトアウト形式で提供、本人の同意が得られた情報についてはオプトイン形式で提供しております。オプトアウトについてはこちらを、プライバシーポリシーについてはこちらをご確認ください。

https://top.salesnow.jp/

のようにオプトイン形式のクリーンさの実態が分からず、また「よくある質問」に「稀にメールアドレスなどで現状使用されていないデータが入っていることがございます」と書かれているようにコンタクト情報にメールアドレスがある点は確定的であるからである。

また、Sales Markerについては顧客泣かせの「複数の会社の問い合わせフォームへ自動で一斉営業」が語られている。この手のツールの発注者になりえる業界人からすると、顧客からの問い合わせを受けるはずのフォームから営業(しかも通り一辺倒で自社のことをかけらも考慮していない)をかけられることの忌避感は年々高まっている。物理的にできるようになっていることと、ブランド棄損も考えたときに有効な手法かどうかは、B2Cのアドベリフィケーションの問題とともに議論が活発化されるべきだろう。


⑦躍進するNotion、気になるObsidian

日本事業が本格化したNotion。GoogleやMicrosoftに機能をリスペクトされつつも順調に成長している中で、別サービスが密かに注目を集めている。その名もObsidian。

クラウドで、チーム共有で使うNotionに対して、個人のデスクトップで活用することに特化したObsidianは、自分一人で情報整理するのに有効そう。広まるだろうか?


⑧気になるプロダクトニュース


⑨気になるナレッジニュース


⑩その他気になるニュース


以上、今月の振り返りでした。

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