経歴について(その3) ~ 業者選定(その2)

前回からの続きです。

プロポーザル方式で業者選定をする際に「人を選ぶ」視点を入れるという話をしました。
「人を選ぶ」視点と言いましたが、具体的にどういう視点(評価項目)を入れるべきでしょう?これは随分悩みました。
人事担当の仕事をされたことがある方はイメージできるかもしれませんが、採用や成績評価で人に点数をつけるというのは非常に難しいことです。

ただ一つ言えることは、その人の絶対的な価値を決めるものではなく、あくまでこちらが望む人材かどうかの価値判断なので、まずはこちらがどういう人に来てほしいかを決めるということです。
担当したプロジェクトでは、これからシステム構築を進めていく中で会議を重ねていくことになるので、こちらの意図をきちんと汲んで開発者に伝えらえる人に参加してほしいという思いがありました。

なので、やはり一番求めるのはリーダー(もしくは会議に参加する主担当)の「コミュニケーション力」です。

一言でコミュニケーション力といっても曖昧なので、もう少し具体的に評価できるようにする必要があります。
例えば
・提案資料などは図表などをいれて分かりやすい資料にまとめられていること
・資料やプレゼンで使う言葉は専門用語はできるだけ避け、顧客が使用している言葉に合わせるようにしていること
・プレゼンなどの進行も時間配分などが配慮され、顧客が理解しやすい流れになっていること(プレゼンはリーダーまたは主担当に行ってもらうようにしました)
などです。

システム構築で「人を選ぶ」視点と言えば、技術力とかを思い浮かべそうですが、ここには加えていません。
技術力はもちろん必要な要素ではありますが、技術力は提案するシステムの機能などに表れてきますし、リーダー(主担当)が顧客の意図を組み込み、必要な(技術を持つ)開発者をアサインすればよいことです。

システム構築に必要な人材は、顧客と開発者の橋渡しができるかどうかと考えています。

実際には、私が担当したのは地方公共団体のシステム構築でのプロポーザルであったため、評価結果については公表する必要があり、第3者から見ても客観的なものにする必要がありました。
そういった事情もあり「人を選ぶ」視点での評価ではほとんど差がつくことがなく、システムの機能や価格の差で委託業者が決まったのは少し残念ではありましたが、私自身としてはとても貴重な経験となりました。

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