ITシステムの導入は誰が行うのか?

以前より主張していることですが、ITシステムを導入する際のプロジェクトマネージャーは、システム構築を委託するITベンダーではなく、利用者である顧客側が担当するべきだと考えています。

最近、PMBOK7を読み始めていますが、PMBOK6から内容的に大きく変わっています。

大きな変更の一つとして、以前のプロセスベースから価値ベースへの変更です。つまり、プロジェクトでいくら品質の高い成果物が作れたとしても、それが価値を生み出すものでなければ、そのプロジェクトに価値はなかった(つまり失敗)と判断されてしまうということです。

この「価値がベースになる」ということですが、果たしてこの責務をITシステムを構築を請け負ったITベンダーに果たすことができるでしょうか?

もちろん、ITベンダー側は「お客様第一」と主張してくるでしょうが、所詮は自社の利益が大事というのは改めて言うまでもないことで、ITシステムの導入による価値を判断するのは、利用者である顧客でしかないです。

つまり、プロジェクトマネジメントが価値をベースにしたものに変わっているということは、プロジェクトマネージャーも顧客側に配置せざるを得なくなるのではないでしょうか。


また、最近流行り(バズワード)の「DX」ですが、このDXは単なるIT導入ではなく、「業務改革」を前提としたITの導入です。

この「業務改革」がITベンダー側にできるでしょうか?否、業務改革ができるのは、ITシステムを利用する顧客側でしかないのです。

つまり、DXの導入をITベンダーに委託するという構図は本来の形ではないのです。


そうは言っても、「知識もないし自社で主導してITシステムを導入する(かつ業務改革(DX)をする)なんて無理だ」と思われる方もおられるかもしれません。

しかし、経産省も警鐘を鳴らしているように、現状のままで業務改革を進めないでいると、業績は衰退していくしかなくなっていくかと思います。

ぜひ一歩踏み出すためにも、全国にある「商工会及び商工会議所」や「よろず支援拠点」に相談してみてください。必要に応じて専門家を派遣してくれる制度もあります。

また、現在は中断していますが(10月19日再開予定)、「中小企業デジタル化応援隊事業」といった制度もあります。

IT導入(DX)を支援する様々な仕組みがありますので、こういった制度を有効活用して、自ら主体的にIT導入を進められる企業が増えていけばいいなと思います。


それでもやはりどうしたらよいかとお悩みがあるご担当者の方は、当方までご相談ください。



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