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暗黙知が形式知化された時の注意点 ~ 形式知の点と点を繋げる

情報共有の話をする時、「暗黙知では情報共有できないから、暗黙知から形式知に変えていかないといけない」といった話が必ずといっていいほど出てきます。
目に見えない暗黙知では情報共有できないので、目に見える形式知に変えないといけないのは当たり前の話です。

しかし、この「暗黙知の形式知化」は一筋縄ではいきません。
言語化してかつみんなに分かりやすく(情報共有しやすく)するのは、かなり難易度が高いです。

無事その大きな壁を乗り越えて、無事形式知化できればひとまずやれやれという感じですが、形式化できた後も注意しなければいけない点があります。

それは、形式化できた知識は暗黙知のほんの一部であるということ。
イメージとしては、以下のような感じ。

形式化された知識は、

  • 実はその裏に隠れた暗黙知の知識を持っていることが前提だったり

  • 条件/状況がぴったり一致していれば有効活用できるけど、ちょっとずれると応用が利かなくなってしまったり

といったことがあるかもしれません。既に習得済みの形式知が前提ということも多いでしょう。

こういった関連の知識をすべて網羅して言語化するとなると一冊の本などではとても収まりきらないはずです。

例えば、何か1冊の本を読んで

  • 何となくぴんと来なかったりして「何か役に立たないな」と思ったり

  • 「おー、これだ」と思って取り組んでみたものの思うような結果が出ず「なんだダメじゃん」と思ったり

みたいな経験はないでしょうか?
それはもしかしたら、必要な前提知識が足りていないからなのかもしれません。

例として適切なのかどうか悩みますが、例えば「コーチング」や「ERP」といったバズワードに乗っかって、自分(たち)でもトライをしてみたものの、うまくいかず結果が出なかったということはないでしょうか?

これは、「コーチング」や「ERP」が悪いわけではなく、その形式化された表面的な知識だけで対応しようとするからうまくいかないのです。

なので、一つの知識を習得したからといって必ずしも直ぐに活かされるということもなく、色々な知識や経験を増やしていくことで活かされるようになるということもあるはずです。

増えていった様々な知識の点と点が繋がってくると、「なるほど、あれはそういうことだったんだ」という経験も出てきますよね。

暗黙知から形式知化された知識は、あくまで表面的な一部の知識だということを認識して、多面的な知識を身に着けてメッシュのようになっていけば本来の力が発揮されるのではないでしょうか。

一つのトライが「うまくいった/いかなかった」と一喜一憂することなく、常に鍛錬していくことだ大事なのだと思います。

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