見出し画像

VTuberが流行った理由が、にじさんじにハマってわかりました【感想/考察】

いま一大ムーブメントを巻き起こしてるVTuber(ぶいちゅーばー)をご存知でしょうか?(この記事を書いているのが2021年のため、ちょっと乗り遅れた感もあるのですが…)

今回はこのVTuberについて、『何故こんなにも流行ったのか』自分なりに考えてわかったことがあるのでまとめてみたいと思います!

最初は一過性のブームかなと思っていたのですが、これは時代の流れもあってまだまだ伸びそうだと感じてます。まだ見たことがない方も、ブームが来る前から知ってるという方も、結構長いですが読んでいただけたら嬉しいです!特に最後の章が重要だと思ってるので、そこだけでもオッケーです。

※注意点
・にじさんじ寄りの内容になっています
・個人的な感覚を元にした考察のため、「それは違う」と感じる人もいるかもしれません。一つの意見としてお楽しみください

●VTuberとは
バーチャルYouTuberの略称で、2D・3Dのアバターを使って動画投稿やライブ配信を行っているYouTuberのことを言います。YouTubeを出たとしてもVTuberと言いますが、細かいところはあまり気にしないでおきましょう

代表的なVTuberをあげると、キズナアイ、輝夜月、月ノ美兎、白上フブキなどです(敬称略)
実際にVTuberの動画を見たことがない方向けに、参考動画を載せておきます!中の人(あまりこの言い方は好きじゃないのですが)の動きをモーショントラッキングして、3Dモデルを動かす仕組みになっているようです。


1.2次元キャラクターを愛する土壌と2.5次元性

まずはここ日本で、2次元キャラクターを愛する土壌があることが挙げられます。
アニメやマンガのキャラクターを「推し」や「嫁(この言い方は最近あまり好まれませんが)」と呼んで人や動物と同じように愛する文化がありますよね!さらにぬいぐるみを旅行に連れていったり、誕生日を祝ってケーキを用意したりする方もいらっしゃいます。

この2次元キャラクター達は、広告塔やイメージキャラクターに選ばれたとき、生身の人間を起用するよりも効果が出る時もあります。(なんでもかんでもかわいいキャラクターを起用すればいいと思ってそうな、距離感ミスっちゃったキャンペーンは炎上することもあるけど)(許す許されないの境界線って難しいですよね)
それだけ愛されている・愛しやすいというのがあるのでしょう。

また近年では、スクリーンの中だけでなく現実世界にまで推しが降臨されることもあります。例えば初音ミクのマジカルミライというライブ。
参考動画↓

このライブでは、あたかもライブステージでミクがそこにいて、歌ったり踊ったりしてるように見えるすんごい技術です。まさに2.5次元!ざっくりとした仕組みは、透明なスクリーンに3Dホログラフィーを投影する方法のようです。

ミク以外でも、スプラトゥーンのシオカラーズやテンタクルズも同様の方法でやられていますね

この章をまとめると、
2次元への愛、生身の人間に匹敵する看板力(シンボル力?)、2.5次元ライブ…こういった土壌が大前提としてあることが、まず大きな要因になっていると思います。

土壌がないと、盛り上がるどころか逆に盛り下がったり、すごいとか言う前に避けられたりしますからね。ソフトバンクのペッパーくんとか、今でこそ受け入れられてますが(たぶん)、あれを10,20年前に見せられたら、当時の人はきっと引き気味に驚くと思うんですよね……ペッパーくん嫌な役回りごめん

2.可愛らしい見た目と人格搭載

VTuberは、どのキャラも見た目がカワイイしカッコイイです!(人外もいますが、それすらかわいい)
見た目がいい上に、キャラクターであることがわかっているので外見の批判が少ないのが大きいです。生身ではどんなに美しい人でも批判がついてしまう悲しい現実がありますが、これが限りなく少なくなるのが2次元の良さだと思います。

さらにそこに人格が乗っているのがVTuber。生放送や動画を見るとわかりますが、彼女ら/彼らは活動を通じて成長していきます。

●あんなに下手だったゲームが、視聴者のコメントでの指摘や自主練と共にどんどん上手くなっていく
●最初は配信すらまともに開始できなかったのに、今では機材を使いこなし他の人のフォローもできる

などなど。

「2次元は変わらないから良いんだ!」という意見があるのもわかりますが、私が思うに『成長』は最強のエンタメなので(歳を取るにつれてこれに弱くなってくる!)、ここは多くの人がハマるポイントになってると思います。

成長という刺激だけではありません。日常の緩さも兼ね備えています。VTuber同士Twitterでくだらない会話を繰り広げたり(くだらないとか言ってゴメンナサイ)、ファンと同じ目線でネット番組やアニメを楽しんだり、この近さと緩さが、先程の「成長」という刺激をより際立ててくれます。

そんな姿を眺めていると、いつしか感情移入してしまって気付いたらハマっているんですよね。某アイドルプロデュースゲームをされている方は、特にわかるのではないでしょうか…。

3.活発な二次創作

公式やVTuberは、二次創作を基本的に認めていることも大きいです。二次創作が活発になると、界隈の外にイラストが届く機会が多くなります(VTuberが好きな子がイラストをTwitterに投稿したとして、その人のフォロワーがそれを目にする機会が生まれる)。

「〇〇さんの絵で気になった人が、VTuberの動画を見に行く」というこの流れは、界隈の外から新規さんを連れてくるのに重要なアクションなのです。

二次創作を認めているだけでなく、VTuberが投稿する動画や生放送のサムネイルに、ファンからいただいたイラストを使うこともあるのです。(事務所が推奨しているのかわかりませんが)エゴサも多く、自分のツイートに反応してもえるのが嬉しいですよね。

これによって、

二次創作が認められているのでイラストを投稿する人が増える
 →VTuber界隈外のフォロワーにも届く
 →VTuberがサムネに使用したり、エゴサしてファボ/RTして拡散される
 →それがモチベーションになり、さらにイラストが投稿される
 →界隈全体が盛り上がる
 (以下ループ)

というサイクルができあがります。
二次創作は権利的な問題でなんでもかんでも許可すればいいという訳ではないのですが、うまく回ると界隈全体が盛り上がって、長く愛されるコンテンツになります。東方、ボカロあたりも同じように二次創作が活発で人気ですよね!

イラスト以外にも「切り抜き動画」が活発です。切り抜き集は、美味しいところの寄せ集めなので、こちらも新規さんを連れてくるのに一翼を担っています。(禁止しているVTuberさんもいるので、やる際は注意です)

4.(※重要)理想の世界への没入

最後がこちら、「理想の世界への没入」です。
通常の2次元的なコンテンツであれば3.まででした。3.だけでも十分に人気が出るのですが、VTuberの場合はここからさらに4.です。

こちらはいくつかの要素に分けて説明していきますね。

※最初にも書きましたが、ここはかなり個人的な感覚の部分もあるので、「それは違う」と感じる人もいるかもしれません。そこだけご注意ください。

■閉塞感のある社会
いきなり全然別な話題になりますが、何かが流行るときにはその時の景気や時代背景に大きく影響されると考えてしまう派なのですが、VTuberもそうだと思っています。

いま日本はどんな社会でしょうか?
思いつく限り、私は以下のようだと感じています。

・ネットで失言すると炎上して袋叩きにされる
・格差の拡大で、政権や社会に対する批判が多い
・働くことに対するネガティブなイメージがある
・同調圧力が強く、出る杭は打たれる
・コロナで色々なことが制限されて、フラストレーションが溜まっている

とまぁネガティブイメージばかりなわけですね。特に感じるのが「閉塞感」で、いまの良くない現状から抜け出せず、不満を抱えたままの人が多いと感じます。

■開放的なコンテンツ
そんな閉塞感がある中で、近年登場したのが「好き」を仕事にしているYouTuberという存在です(あえてYouTuberという括りにしています)

彼ら/彼女らは好きなことを発信して、ファンを作って、それが仕事になっています。閉塞感を感じている人達からしたらめっっっっっちゃくちゃ羨ましい存在なわけです。開放的でいつも楽しそうなYouTuberを見て、閉塞感から開放されたような気分になり、彼らにもっと近づきたいと思い、自分もそうなりたいと願って努力したり、一緒に同じゲームを楽しんだりします。

大人数の麻雀大会とかゲーム大会とか、ほんと楽しそうですよね!

■生活圏を覗き見て近づく
先程も少し触れましたが、VTuber同士のコミュニケーションが活発です。コラボ動画やライブ配信で別なVTuberさんの名前が出てくることも多いです。にじさんじだと特にこういう「VTuber同士の関係性」も売りにしているせいもあるかと思います。
雑談配信、作業配信のようなファンとの距離が近い配信もあり、2次元的なキャラクターでありながら、3次元的な生活感もあります。

これらはまるで現実世界の友人関係を見ているような、自分も同じ生活圏に入り込んでいるかのような…そんな錯覚をしてしまいます。

■多様性が受け入れられる世界
VTuberと一言でいっても、中には色んなキャラクターが存在します。この中には、現実の世界ではあまり評価されづらいスキルや性質を持ったマイノリティーな人達も多いです。そのマイノリティーもVTuberになってしまえばそれは「個性」に変わります。
見た目も自由に作れてアップデートしていけますし、生身を晒すことがないので、発言/行動もしやすくなり、人格×見た目を組み合わせインパクトのあるキャラクターを生み出すことができます。

また、VTuberには(言い方好きじゃないですけど)設定した人格があり、その人格に沿って行動することを「ロールプレイ(RP)」と呼びます。ロールプレイが上手な方だと、よりキャラクターに感情移入できていいんですよね!
個人的には竜胆尊さんが上手だと思います。(…いや、皆さんバーチャルですよ!)

■その結果として体験できる感覚
はい、そしてこれらをまとめると

閉塞感を感じて生きづらい世の中で、可愛らしい見た目のキャラクターが、ファンと近い位置で、開放的なコンテンツを提供し、多様性がウケいられられる世界で楽しそうに活動している・・・

その結果、VTuberファンが体験できる感覚は「理想の世界への没入」です。
『没入』はVRでよく語られる、その世界の入り込んだ感覚です!

このなんとも心地よい感覚が多くのファンを魅了して離さず、さらには新規を獲得しながら拡大していった結果、これほどまで流行っているのではないか、というのが私の考察です。

これは沼が深い。。。

これに近い感覚は以前にも体験したことがあって、それはニコニコ動画のボカロと〇〇してみた系が流行ったとき(〇〇してみた界隈がリアルイベントを開催し始めた2009〜2010年頃)の感覚に似ています。たぶん、同じものを通った方は伝わるんじゃないかと思ってます…!

おわりに
ということで、後半の方は主観的でかなり長くなりましたが伝わりましたでしょうか?流行った理由というよりも、VTuberの魅力が伝われば嬉しいです。
読んでいただきありがとうございました!!

追伸
影響されて自分もVTuberやってみようという発想に() まだ魂しかありませんが、まずは同人活動的なところから始めてます!もしよければコチラもどうぞ
https://twitter.com/iteyaren_vtuber

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?