見出し画像

《読書記録》ジヴェルニーの食卓 原田マハ

3月5日。

こんにちは。

この投稿を開いて頂きありがとうございます。

3月が始まって5日目。
今日は古本屋に行ってスマホのメモに残していた本を買って来ました。
読んでいない本がどんどん積まれているのに
本屋さんに行ってしまうのはなんででしょうか

そろそろ、積まれた本に手を出そうと思うところです。


本日は、
表紙に惹かれて手に取った1冊の本について。

  「ジヴェルニーの食卓」原田マハ


最初作品名を見たとき
表紙の絵となんの関係があるのか、
なんのことを指してるのかさっぱりわかりませんでした。

けれど、最後まで読むとその表紙が何を指しているのか分かって
少し柔らかくて、切なくて、安心する
そんな気持ちになりました。

この物語は、
4人の画家とその画家が絵を描いていく人生の中で出会う人々を記しています。

画家目線ではなく、
出会った人々から見た、
4人の画家を。


4人の画家が出てくる中で特に私の心に残っている人物が1人います。

それは、
第2章 エトワール
に出てくる、「エドガー•ドカ」です。

彼について共に画家を目指し、彼に憧れていた
メアリー•カサットの目線で物語が進んでいきます。

ドガの唯一の彫刻作品作品の1つである
「十四歳の小さな踊り子」

この作品は
ドガ自身が出会った踊り子がモデルとなっています。

踊り子達は、自分の家族を養うために
自分の踊りを見て金銭を支援してくれる支援者を探していて
その支援者をドガが作品を作るためのヌードモデルになるという条件付きで マリーという少女の支援者となったのです。


ドガの友人であり、画家であった
メアリー•カサットとドガの
出逢いとこの作品ができるまでのやり取り

そのやり取りの中から分かる
ドガの作品、少女マリーへの 情熱

そして、
少女マリー本当の気持ち

マリーとメアリーというドガに出逢い、憧れ、彼の作品への情熱を直に感じた2人が
会ったとき、2人とも涙を流していました。


「マリーと自分。年齢も、立場も、何もかも違う。けれど、ともに届かぬ星があることを知ってしまった。その痛みを分かち合う涙だったのかもしれない。」

というメアリーの言葉を読んで


ドガという「星」を見て、近くにいるはずなのに届かないと気づいてしまった彼女達の儚さと美しさ、そして彼女達の儚さの向こうにある情熱を見ているドガ。

その全てが美しくて、心に残っています。



 踊れ 森の草原で 翼の生えた少女よ
 踊るために生まれた子よ 愛せよ 
 ただ踊ることだけを

ーエドガー•ドガ 




それぞれの画家の人生とそれぞれの美を追い求めて作品にかけた想い、
その画家の人生についていくと決めた周りの人間の人生が美しく、儚く、
フランスの情景とともに繊細に描かれています。

いつか、私も
ピカソが慕った
アンリ•マティスの

      「生きる喜び」を、

ブランシュ•オシュデが自身の生涯を懸けて
ついていった
クロード•モネの最後の作品

       「睡蓮」を、

この目で観に行きたいです。


彼らの人生を知り、
もう1度この本を読み返して
目にする作品達は

きっと、想像出来ないほど美しい
と思うから。



それではまた。


百。

この記事が参加している募集

「百」をサポートしてくださると嬉しいです。私の正直な気持ちと日々の風景を1人でも多くの誰かに届けたいと思っています。