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シャドウレルム ~邪神の覚醒~

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シャドウレルムへの扉を開け、邪神の覚醒への挑戦が始まる。カードの世界チャンピオン、神崎ジンが新たな戦場で知識と技を試す時が来た。ジンの手にある伝説のカードが、現実世界とシャドウレ… もっと読む
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4 運命のシャドウデュエル

4 運命のシャドウデュエル

 ついに最後の戦いが始まる…。
 俺はカルト教団の用意したリムジンに乗り込み、奴らの待つ教会へと向かった。

 教会に着くと信者たちが俺をうやうやしく出迎え、奥の間に通される。
そこには邪悪な教団のトップとは思えない程、若く美しい女が一人、座っていた。
 教団トップである大僧正のナイア・深瀬だった。

「神崎ジンさん、お待ちしていましたよ」

 女はぞくりとするような声で俺に語りかける。

「それ

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3 覚醒

3 覚醒

 何もかもが暗闇に覆われる。「シャドウレルム」での戦いがクライマックスを迎えていた。闇夢想教団のリーダー、中国出身の美しい女性カードプレイヤー、リーリンが俺に圧倒的な打撃を加えた。

 リーリンのカード、【深淵の神々】。その力は俺が想像していたものを遥かに超え、俺のカード、我々の世界を完全に闇で覆い尽くした。

「你的卡片的力量,在我们面前无力,神崎仁。」(君のカードの力なんて、我々の前では無力さ

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2 狂気の予兆

2 狂気の予兆

 怪しげなカルト集団『闇夢想教団』が、俺を追い詰めるようになった。学校、家、友人と過ごす時間、どこに行っても彼らの気配を感じる。そして、その狙いは明白だった。彼らが欲しがる「邪神の覚醒」、そのカードを奪うために、彼らは手段を選ばない。

「何故、俺がこんな目に…」

 深夜の自室で一人、俺は深くため息をついた。眠ることもままならない。なぜなら、夢の中でさえも奴らが近づいてくるのだ。しかも、夢の中で

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1 異変の始まり

1 異変の始まり

 夜、窓の外に鳴り響く雷の音と、窓ガラスを打ちつける雨の音。俺の部屋は、夜の静けさとともに暗闇に包まれていた。手元には僅かな光を灯し、新しく手に入れたカードを眺めていた。【邪神の覚醒】。その名の通り、そのカードからは強烈な存在感を感じる。

 俺、神崎ジンはこの世界のチャンピオンとして、様々なカードを手に入れてきたが、この【邪神の覚醒】は他とは違っていた。独特の輝きを放つそのカードは、まるで生命体

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