見出し画像

戦略と戦術について

前回のnoteで少し触れたようにHADOにおける戦略と戦術について語られる事ってまだまだ多くないのですがまず自分が語らなければ議論が深まる事もないと思うので病床から徒然なるままに…

まず戦略と戦術って違うのか…?って話から。
勝つ為の方法論として戦術ばかりにフォーカスを合わせがちではありますがあくまでコート上の局所的な立ち回りが戦術であり、それを実現するための長期的な計画が戦略と言われているものだと僕は定義しています。

戦略とは即ち勝つ為に利益を積み上げる理論であり、HADOの攻略法に通じる訳です。強い選手を補強するのか、育成するのか練習頻度は?場所はどうするのか。一つ一つの行動がどれだけ勝ちに寄与するのかが決定の基準であり評価基準となります。正しい行動を行えば利益を得ることが出来る。続ければ利子が貯まる、それで得たリソースをより利益の出るものに再投資する。 こうしてチームを強化していく訳です。

例えばチームを強くする為にお金が一番大事なら多少のお金を払ってでもブランディングやマネタイズをしていく事が勝利への利益を得る行為であり、そのお金を利益を得れる分野へ再投資し強化に繋げていきます。

因みにチェスやオセロといった二人零和有限確定完全情報ゲームと呼ばれるものは一方のプレイヤーの利益がそのまま相手の損失になるゲームであり、利益を追求することがそのまま攻略法となります。この点で言えばHADOは練習場所が極々限られており、練習を多くすれば敵はその分練習を行えない為に損失となる。といえます。

しかし、先程例に出したマネタイズで言えばいくらチームAがスポンサーやサポーターからお金を集めてもチームBのお金が減るわけではないため攻略法とは言えません。にも関わらず何故世界中のサッカーチームはブランディングやマネタイズに勤しんでいるのか?答えは簡単でお金がなければ行動出来ないからです。育成する為の練習にも移籍市場の補強にもお金が掛かります。 現在では極一部の戦略的に成功したチームによって市場が高騰し、戦術の前に戦略的に勝たなければ戦術を遂行できる選手を集める事すらままなりません。

HADOではまだ移籍があまり活発ではありませんので将来的な話ですがマネタイズ出来るチームは選手を補強する事でコート外で戦略的に敵に損失を与える事も可能になる訳です。
育成の面で考えてもおおよそのプロスポーツチームは自前の練習施設を持って効率的なトレーニングを行っていますし、金銭面での充実が勝利への利益を得る一つの要因である事は理解いただけると思います。

余談ですが僕がチーム哲学とかフィロソフィーとか言っているものも戦略の内だと考えています。チームとして積み上げたものこそが結果としてフィロソフィーになると考えているからです。そしてこれはどれだけゲームの攻略法に近付き明確に体系化出来ているかという指標だと思います。

基本的に戦略は「勝つ為」のもので目標に向けた長期的なロードマップであり、先に挙げたチームにおける哲学などのように基本的に変わらないものです。「戦いを略す。」戦わずして勝ち続ける為の方法論が戦略。

逆に戦術は対戦相手に合わせて立てられる作戦によって実行される内容であり、「作られた戦いにて行う術。」目的は戦略と同じように「勝つ為」ですがどのように勝つかに視点を置いたものであり、相手によって変わりゆくものです。

さっき触れた二人零和有限確定情報ゲームは理論上は完全な先読みが可能であり、最善手をお互い打ち続ける事で必ず先手必勝か後手必勝か引き分けかのいずれかになる。例えば6×6のオセロではこの場合後手必勝となる。つまり後手を取るのが最も重要な戦術であり、つまるところ必勝法。そして後手を取る為の策が戦略となる。ただし、実際には選択肢が多くなると完全な先読みを人間が行う事は困難であるため、二人零和有限確定完全情報ゲームはゲームとして成立する。

将棋なんかは明らかにAIの方が人より強いものの未だ完全な先読みは終わっておらず、先手有利か後手有利かは確定していない。故に棋士は戦略としてAIを用いた事前研究を行い、相手がに勝つ為の作戦を練る。このAIで導き出された戦術Aがいつまでも優れた戦術なのであればこれこそが"必勝法"となってしまう。しかし、基本的にはそうはならず対抗戦術としてBが…それに対抗する戦術としてのCが…と戦術が進化していく。

さて、ここでHADOに戻ると現在ステータスを3331にする事がどんな状況でも適用できる戦術であり"最適解"とされてしまっている。しかし世界王者を見れば一人は4321に振っている。これが先の対抗戦術Bに当たるとすれば対抗戦術Cを生み出さなくてはならない。戦術Bをより深める事で勝機を見出す事はほぼ不可能だと考えている。何故ならば他チームより効果的に選手Bを深めた結果として世界王者に君臨しているからだ。これが以前から言っている"先駆者の利益"であったり、今回のnoteで触れた"利子"の正体である。

そもそもHADOの戦術に"必勝法"はない。
あまりにも偶発的な要素が多過ぎて"最善手"を打ち続ける事が出来ない。だから仮に実力差があろうともミスをしない方へ勝機が転がり込んでくる事がある。ならば"ミスをしない"事が勝利条件の1つではないか?と仮定できる。であればそもそもHADOにおけるミスとは何か?という定義が必要となってくる。

分かりやすいのは点を取られる事だ。
まさに上で話した二人零和有限確定完全情報ゲームの様に"プレイヤー間の利害が完全に対立し、一方のプレイヤーが利益を得ると、それと同量の損害が他方のプレイヤーに降りかかる"行為であり、HADOはそもそも点を取られなければ負けない。よって点を取られる事が最も犯してはいけないミスと考えられる。

しかしそもそも一切点を取られないというのは机上の空論であると共に、"負けない"だけであって勝つ為の戦術は他に必要となってくる。
つまり、"勝つ為"に取るべきリスクとは何か?
何が勝利への利益を一番産むのか?どうやってリスクヘッジするのか?HADOで問われているのは全てこういった行動基準である。
机上の空論と吐き捨てたが、"点を取られない"と言うのは一つの答えであり、"間違いでない"。そしてそれに対するアンサーこそが4321であると私は考えている。

また、"間違いでない"というのは重要で、必勝法がないと仮定し、間違いがHADOにおける勝敗を左右するとするならば正解(必勝法)を探す事よりもむしろ間違いを無くしていく方が結果としてより優れた戦術へ近づきやすい。
HADOには"必勝法"はないが常に次善手とも言うべき"最適解"がある。ゲーム自体に正解がない以上全ての意思決定に対して判断基準を設けるのは自分達だ。ここを間違えれば"10回に1回の負け"もあるし"読み勝って負ける"事すらある。常に最適解を求め続け、判断基準を正しいものにアップデートする事が勝利への必須条件となる。

そして仮に最適解の戦術を見つけても遂行できるのは一握りだけである。サッカーを例に出した様に戦略的な勝利を収めなければ手番すら回って来ないことはザラにある。特にHADOでは野球やサッカーの様に定期的な選手供給はない。市場に経験者が出回る事すら稀である。戦略的にどうやってプレイヤーを集めるのか?いかにプレイヤーを成長させるか?常にチームを成長させるには何が必要なのか?と言った戦術以前の戦いがある。

つまり1試合の盤上を戦術論で弄ぶ前に戦力があり、その戦力を整える為の戦略がある。あの試合ではこの様な戦術だったのでこうすれば勝てていたというのはたらればにしかならないのである。戦術的に見るべきは盤上での利用すべき優位性であり、勝利への利益そのものである。利益をより得るための戦術を立て、必要な戦力を整える所から勝負は始まっている。

HADOにおける優位性とはなにか?
これを問い続けるとともに盤上で表現し続ける事こそがHADOの唯一の攻略法なのではないかと私は考えている。

ここから先は

0字

¥ 500

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

貴方にとってこのnoteが有意義であれば幸いです。 普段は「HADO」というスポーツのプレイヤーをしています🍌  スキ、フォローで応援頂けると嬉しいです