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ダメ。ゼッタイ。:高校時代…課題の話

日本の学生として一度は通る道。
それは、「課題ポスター」。
読書感想文や自由研究に並ぶ、
夏休みの宿題、後回しランキングで上位に入るものである。
今回はその課題ポスターについて語っていきたい。


小学校・中学校においては、
大抵夏休みの終了一週間前あたりに、イタコ芸のような勢いで降りてきたものを描画し、事なきを得ていたが、
義務教育の終わった高校ではそうもいかない。
ましてや、デザイン学科であるため、その作成したポスターを1人1人発表し、品評会を行うこととなっている。


当時、ポスターとはどう作るものなのか、
また情報として何が必要かなど、深く考えておらず、
ザ・無計画の典型であっただろう。
数あるテーマの中から、サイコロで「薬物乱用防止ポスター」の制作を決めていた。

薬物乱用防止と言えばやはり、
使用したら危険、そして体に害があることを伝えなくてはいけない。

「危険=がいこつ」「薬物=粉」「防止=インパクト」

さすがの私でも制作前にここまでは考えている。
そう、ここまでである。


ここまでしかない考えによって何が起こるのか。

さすがに文字だけでの説明に限界を感じたため、
当時の記憶のまま、ポスターデザインを5分程度で再現してみた。

夏休みの最後に死にもの狂いで作った作品が、今や5分である。


では実際にご覧いただこう。私の再現ポスターデザイン。



当時のポスター再現


、、、恐怖である。
当時の私はいったいどんなメンタルだったのだろうか。

夏休み明けに、課題ポスター品評会の順番が回ってきて、
私の作品が黒板に貼り出された。

当然のごとくざわつく教室。

私としては、上記に掲げたコンセプト
「ガイコツ・粉・インパクト」もうまく表現できていると思い込んでいるので、自信満々に発表していくのだが、

早速、デザイン教師からの痛い指摘が入ってしまう。

「これは、、、防止?推奨?促進ポスター?」
そう(笑いすぎて)苦しそうに問い、教室が笑いに包まれてしまったのだ。


ここでようやく気付いた私。

「薬物乱用防止ポスター」なのだから、
本来キャッチコピーは「薬物乱用STOP」「覚せい剤禁止」等にするべきなのだが、むしろ「覚せい剤」の紹介をしてしまっているようなものだ。
せめてモチーフの中に禁止するようなものも含んでいない為なおさらだ。

さらにこのハレーションを起こす、背景とガイコツの色合いと、インパクトの相乗効果で、より違和感が際立ってしまっている。
※ハレーション … 明度差が近く、彩度の高い色同士を組み合わせた時に起こる、視覚への不快感。

ただ唯一褒める点としては、サイケデリックな配色にしなかったことだろう。
おそらく、そのような状態で課題提出を行っていたならば、職員室に呼び出され、保護者を呼ばれたのち、尿検査もうけるハメになっていたのではないだろうか。


この失敗を経て、私はチャッチコピーの大切さを学んだのである。
そして本記事の画像を見てフラッシュバックしてしまったあなた、そう私です。


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