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お正月にあった、父からの告白 の話

このタイトルを見て、父と子の近親相姦を想像した方、
だいぶ腐っているようだ。

残念ながら腐展開を期待した腐女子・貴腐人・汚超腐人各位、
誠に申し訳ないのだが、草ははえても「今回は」腐りはしない為、許してほしい、そんな話である。


社会人になってから、正月などの長期休暇は
地元に帰省して実家にのんびりしている方も多いのではないだろうか。

親も段々と年をとり、まだまだ動けるうちにと思い、
遠方ではあるが積極的に実家へ「寄生」するようにしている。
決して、「食費」や「光熱費」を浮かせるためだけに、帰省しているわけではない事は伝えておきたい。


毎年のように年末に実家に帰省し、
床や布団と一体化しながら体たらくな生活を満喫していた、33歳のお正月での話。

家族・兄弟そろっておせちをつつきながら、
紅白歌合戦や正月番組について話をしていたところ、父が突然あらたまり、

「お前たち二人に、話しておかなければならない事がある。。。」

そう、話してきたのだ。


もうこの時点で私は察しがついてしまった。
親も元気ではあるが高齢なため、病院で何か悪い病気でも見つかったのではないかと。

父は高血圧なのもあり、脳梗塞や重い心疾患などじゃないだろうか、と一気に脳内で討論会が始まる。

「もう、これは昔から母さんは知っていたことなんだが。。。」

ここで、脳内の討論会が急な方針転換を迫られる。
昔からという事は、病気の話ではないかもしれない、と。

条件が一部絞られたため、次に考えられるのは次の選択肢ぐらいではないだろうか。

  • 実は女装癖がある。

  • 実はゲイだが母さんと結婚した。

  • 実は外国籍である。


一度、父と二人っきりのドライブの時、
私はカミングアウトはしていないのだが、「将来結婚することはない」と話しているとき、父が何かを
伝えようとしていた。

「実はな、父さん、、、いや、やっぱりいい。。。」
と言葉をつぐんだシーンを思い出したのだ。

結婚をしないと伝える私への話だ。きっと想像を絶するカミングアウトが待っているのかもしれない。


私と同様、父もゲイなのだろうかと脳内討論会を行っているが、
その答えはどれも正解ではなかった。


「じつはな、母さん2人目なんだ。」

日本語とは実に難しいものである。
「母さん2人目」とはいったいどういう状況なのか。
正月の堕落しきった脳には、正常な判断と理性が残されているわけがないのだ。
その言葉から察するに、

  • 母シリーズ弐号機であること

  • 次女であるという謎アピール

  • 実は重婚している

  • 高齢だが夜の相撲大会で身籠った


これくらいの考えを絞り出すのがやっとだろう。
状況を理解できない兄と顔を見合わせていたが、
兄も弟がこんなバカなことを考えているとは思ってもいないだろう。

何のこともない、ただの「再婚」した話であった。

今ではごくありふれているが、半世紀近く前の話になるため、当時としては言い出しにくかったのだろう。

現在、前妻の奥様は既に他界しており、異母兄弟にあたる「兄」がいるとのことだった。


人生33年目にして、もう一人の兄がいるという事実。

意外と冷静に受け止めることができており、
イケメンだったらいいなーと、脳内が腐海と化している私は、近親相姦ルートの妄想を膨らませるのであった。

なお、その異母兄弟の兄と父は、月に一度は会っているようで、割と近くに住んでいるとのこと。
その事を今まで知らなかったことを考えると、浮気現場を見つけた妻の心境が、ほんの少し分かった気がする。


ただ今回は、
父が再婚についてカミングアウトしてきてくれたから良かったものの、他界後に異母兄弟の存在を知り、遺産相続をやり直すなど、トラブルになるケースも多いのだとか。

まだご家族に白状していない方がいれば、早めに正直に伝えておくことをお勧めする。
遺言状でカミングアウトする場合は、棺桶が市の指定ゴミ袋に変更となる可能性だけをお伝えしておきたい。


この記事を書いている時点でも、私と兄はその異母兄弟の兄とは会ったことは無く、ただ緊急連絡先として実兄に連絡先を教えているだけだ。

父も頻繁に会っていることから、実際にあったとしてもトラブルになる可能性は低いだろうが、父ののDNAを受け継いだ二親等の血族とはいえ、
こんな腐りきってしまった兄弟が増えるなど御免被りたいだろう。

実の兄よ、こんな弟だが許せ。




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