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106 金サ仲介業創設の影響

Insight Tech アイタスクラウド営業担当です。
7月末に発表されたMUFGの金融サービス一体提供アプリですが、
損保ジャパンも加わるようです。

三菱UFJのスマホ金融、損保ジャパンも参加
2021年8月30日 日本経済新聞

目にしたときは少し驚きましたが、背景にある”金融サービスの提供に関する法律”により新設される金融サービス仲介業(以下金サ仲介業)は、従来の仲介業と異なり兼業が容易で複数の金融機関と提携できるため、今回のお話は自然な流れかな思います。

金サ仲介業の登録さえすれば誰でも各金融サービスを兼業して仲介できるので、普通ならとんでもない数の競合が現れそうですが、調べてみると取り扱い可能な商品・サービスに制限があるようで、その点は既存仲介業者の権益が守られている格好になります。

■取扱い禁止商品の一例
銀行:消費者カードローン
証券:デリバティブ取引、信用取引、空売り等の媒介
保険:外貨建て保険、変額保険、火災保険、終身保険

保険の場合、生命保険上限1000万円、損害保険上限2000万円など、
取扱い可能商品であっても限度額が低い水準で設定されている模様。

しかし4000万以上の個人口座を有するMUFGが統一アプリを先に作って顧客を囲い込んでしまえば、金サ仲介業界の中でかなりのシェアをとりそうですね。

支払い

MUFGの金融サービス一体提供アプリは、仲介業として金融ECモールを作るというお話だと思いますので、対抗するメガバンクやテック企業がいか程出てくるか注目です。また、金融以外のサービスと組み合わせて販売しても良い訳ですから、異業種との提携も増えそうな予感です。

金融サービスを提供する側からすれば、たくさん集客してくれるところを重宝するのが自然かと思うので、例えば日本の金融業に参入したGoogleや、参入が噂されるAmazonが金サ仲介業を始めたらそちらに流れる可能性もありますね。

金サ法の施行は本年11月1日、金融庁は定期的に登録事業者数を更新しているので、年度内にどれだけ登録者数が増えるか要チェックです。


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