脂肪について考える
日本で売られている食品の包装を見てみると、エネルギー/たんぱく質/脂質/炭水化物/食塩相当量が必ず記載されています。これらの記載は食品表示法で義務付けられていて、夕食の献立と家族の健康を考える主婦にとってはありがたいものではないかと思います。
しかし、この値だけで栄養を管理しようとするとうまくいきません。角砂糖とバナナが同じ炭水化物としてカウントされることを考えると、なんとなくわかりますね。
今回は、この項目の中の「脂質」についてお話ししていきます。
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脂質が多く含まれる食品は肉・油・乳製品です。人間の脳や臓器の細胞は、ほとんどが脂肪でできているので、口に入れる脂肪の質によって脳や臓器の質も変わってきます。脂肪の質は腸内の善玉/悪玉コレステロールの値にも影響するので、体型にまで変化をおよぼすこともわかっています。とどのつまり、体に良い脂肪を選んで食べることが脳や体において非常に大切ということです。
それでは、どういった種類の脂肪が体にいいのでしょうか?
*脂肪の酸化
脂肪には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸は酸化することがなく、不飽和脂肪酸は酸化する余地が残っています。酸化してしまった脂肪を取り込むと、身体の老化を早めて炎症を起こすことがわかっています。
*飽和脂肪酸
体内に飽和脂肪酸があるうちは、それらを使って細胞やホルモンが作られますが、不飽和脂肪酸しか残っていない場合は前述のダメージを受けてしまいます。なので、取り入れる脂肪の半分くらいは飽和脂肪酸にした方が良いとされています。飽和脂肪酸が多く含まれるのは、放牧をして牧草を食べさせた牛/羊の肉や、常温で固体のバターやラードです。マーガリン(トランス脂肪酸)は植物油を固めただけの人口油なので、バターと混同しないようにしましょう。
*一価不飽和脂肪酸
飽和脂肪酸の次に安定しているのが、一価の不飽和脂肪酸です。これらはオリーブオイルに多く含まれています。オリーブオイルはアルツハイマー病やがんを防ぐ効果がありますが、加熱することで性質が変わってしまいます。フライパンに流し込むよりも、仕上げとして料理にかける食べ方をおすすめします。また、光に晒されると酸化しやすくなってしまうため、保管場所には気をつけましょう。
*多価不飽和脂肪酸
一価以外の不飽和脂肪酸は多価脂肪酸とよばれています。多価脂肪酸にはオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸というものがあります。これらは非常に不安定ですが、どちらも身体に必要な脂肪です。オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸には適切な摂取割合があるのでご紹介します。
オメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸=1:4
現代の一般的な食生活では、この割合が1:20になっていると言われています。健康生活のためにはオメガ3脂肪酸を増やしオメガ6脂肪酸の量を減らさなければなりません。オメガ3脂肪酸は天然の魚(ベニザケなど)に、オメガ6脂肪酸は植物油(サラダ油など)に多く含まれているので、これらの割合を少しずつ変えていきましょう。
*揚げ物に使われる油
揚げ物を扱う飲食店では、同じ油を何度も使いまわしています。加熱調理に使われた油は性質が変わってしまいます。それによって質がどんどん低下した油が、私たちの大好きな唐揚げにまとわりついてしまっています。飲食店で揚げ物を食べる時は、開店直後にいくといいですね。日本マクドナルドは大人気のポテトを人工油で揚げているらしいので、毎日ポテトを食べている人はちょっとやばめです。
最後に増やすべき脂肪と減らすべき脂肪のまとめを書いておきます。
増やすべき脂肪
・放牧し牧草を食べて育った牛/羊からとれる肉/バター
・オリーブオイル
・天然の魚
・アボカド
・ココナッツオイル
減らすべき脂肪
・穀物を食べて育った牛肉
・マーガリン
・植物油(サラダ油など)
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