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外国人学習者に漢字をどう教えるか①

ヒューマンアカデミー社、教育実践Ⅲ 中上級向け の最終回。テストの後、MA先生の「漢字の教え方」についての講義です。

我々日本人は、小学校・中学校の9年間で2136字の常用漢字を習得します。我々は当然日本で暮らしていますから、学校の国語の授業以外にも、生活の中のいろんな場面で漢字に接しますし、本好きであれば本も読みます。

「漢字の勉強」というと、書き取り、同じ字をお手本をなぞるところから何回も書いていたことを思い出しますが、「漢字の語彙の中での使い方」や漢字どうしのつながりは、国語の授業の読解や日頃の生活の中で、「自然に」しかも9年という結構な年月をかけて、また一番脳みその吸収力のある時期に習得していったと思われます。

一方外国人学習者は2年という短い期間で、その多くは脳みその自然な吸収力も「若干」衰えた大人になってから、漢字習得に取り組むわけです。

期間も環境も違う以上、我々日本人がやってきた「ひたすら漢字書き取り」と同じ方法では、スムーズに漢字習得できないどころか、漢字嫌い=日本語嫌いになってしまいかねません。

漢字に慣れている中国人は大丈夫かと思いきや、必ずしもそうではないらしい。中国人は見ればわかるが、聞いたらわからない。だから、非漢字圏の学習者に比べて、読解には苦労が少ないようですが、「語彙を使う」「語彙を聞き取る」ということは結構苦手で、結果としてコミュニケーションが取りにくいことも多いようです。

日本語教師が、「中国人は漢字を読めるから大丈夫」と思い込んで、「聞いたらわからない」ことに気づいていないことが問題です。

非漢字圏の学習者にとって漢字が難しいことは、日本人にも容易に想像がつくことです。自分たちも、けっこう苦労してきていると思ってますから。(9年もかけてますが・・・昨今文章をパソコンで打つことが増えているので、いざ自分で書こうとすると、以前は書けた漢字が「書けなくなっている」のは、誰でも実感していることでしょう)

そこで、非漢字圏の学習者に対し、日本人が自分達の思い出として残っている、「ひたすら書き取り、ひたすら暗記」しか提示できないのではいけない。

では、どう工夫すればよいのか。

MA先生よりいくつかの提示がありました。

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