やめ先!!

毎日が本当に怒涛の日々であった。しかし、坂倉は子どもたちの成長に憑りつかれていく。

日々の授業は格闘で準備を怠ってはいけない。国語、算数、社会、図工、体育(音楽と理科は専科の先生が担当)その他にも学級活動、道徳、総合、外国語活動などがある。

勿論、新任といっても40人の子どもたちの前に立てばそんなことは言ってられない。

本当に毎日12時間以上、学校にいた。強制されるわけではない。自らの準備に納得がいくまcで取り組んでしまうのである。

4月は特に会議や検討案件が多く、自分の時間が取れるのは17時以降である。

そこから次の日の準備や保護者への電話対応なども入ってくる。

このT小学校は放課後の対応が大変であった。なぜなら、子どもたちが放課後によく「トラブル」を起こしてくるからである。

坂倉は徐々に教育委員会担当者の「元気のいい」の言葉を痛感させる数々の場面に遭遇する。

1つは、「近隣住民からの通報」である。T小学校はフローラルタウンという新興住宅地で多くの団地やマンションが1つの地域に集まっているという形になる。

そこには子どもたちに魅力の広場や駐車場があるが時に危険な場所も存在し、そこで遊んでいる児童のマナー等が学校に通報に来るのである。

無論、通報が入ると教師は現場に急行する。これは教師の仕事なのかと疑問に思うところはあった。そこで危険な遊びをしていたり、大声で騒いでいる児童を見つけたら注意し、指導する。

次は他校児童とのトラブルである。これには我々教員は苦労させられた。大抵、土、日に問題があり、月曜日に何らかの形で発覚する。

そこから、各児童への事実確認。保護者連絡、そのトラブルを起こした学校への謝罪。一気に神経を使ってしまう。このようなことの根底にあるものを坂倉はこの時知る由もなかった。

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