江戸のポップアート!?気軽に浮世絵を楽しもう! 〜其の一

<今週の能大マガジン vol. 12>


「江戸のポップアート!?気軽に浮世絵を楽しもう! 〜其の一」


この前の日曜日、広告業界で働く服好きの友人を連れて、大阪浮世絵美術館に行ってきました。
その日は朝8時に集合し、大阪のお洒落スポット堀江にてスナップショットを撮影し、カフェでモーニングをしました。
その後浮世絵美術館に行くと伝えると、友人も行きたいとのことで一緒に行ってきました。
1人ではなくこの友人と行ったことが後々効いてきます。

さて、今回は学芸員の方との会話がかなり面白かったので、その体験をシェアします。
きっと浮世絵をもっと身近に、そして純粋に面白いなと感じていただけると思います。
楽しみながら見ていただければ嬉しいです。


ここで事前準備

浮世絵とは、、
浮世絵(うきよえ)は、江戸時代初期に成立した、絵画のジャンルのひとつである。 -Wikipediaより

肉筆画と木版画に分かれますが、ここでは木版画のことを指すこととします。
絵師(えし)・彫師(ほりし)・摺師(すりし)による作業分担により、大量生産低価格が実現され、庶民が楽しめるものとなったのです。
そんな浮世絵の世界を広げてくれた浮世絵美術館での体験をシェアします。


一、 いざ、大阪浮世絵美術館へ

心斎橋商店街の一角にこの小さな美術館はあります。
見つけた看板には『大阪浮世絵美術館』『巨匠の愛した北斎、広重』の文字。
階段で上がると、ガヤガヤした雰囲気から一変し落ち着いた雰囲気。
2階にあるお肉のお店を通り過ぎ、3階まで上がると目的の美術館に到着です。
3月に大阪に引越してからずっと興味があったので、今回行けたのがとても嬉しかったです。
(大きな美術館はまだ臨時休業していますが、この小さな美術館は6月から営業再開したのです!)

入口に入ると、1人の学芸員のお姉さんがお出迎えしてくださいました。
作品の説明からチケット・グッズの販売までおひとりで対応されています。
チケットを購入し、早速作品を見に行きます。
葛飾北斎歌川広重などの有名な絵師の作品がずらりと並んでいます。
知らない作品も多いですが、直感的に、また細部を見ながら、楽しみます。
美術館は基本1人で行きますが、今回は友人がいたので、意見や感想を言い合いながら観覧しました。
大阪や京都、富士山などの風景画を観ては、今と同じところ違うところを確認しながら江戸時代の風景を想像してみました。
また、直感的に好きなところや描写の細かさ、面白さを共有しながら進みました。
話すことで、自分が気づかなかった描写や感情に気づくことができたと思います。
誰かと観覧することも重要だなと思った瞬間1回目です。

話を本題に近づけましょう。

二、 空(から)摺りの世界へ

ちょうど折り返し地点の人物画が並ぶエリアで、学芸員さんが近づいてきました。
この人物画の作品の中に、面白い技法があるので見てほしいとルーペを差し出し、説明を始めます。
私たちは興味深く聞いては質問を繰り返します。
まず、題名部分の枠内に注目します。
一見、何のしかけもないように思いますが、角度を変えて見るとうっすらと紋様が浮かび上がるのです。
「色」がついているわけではないですが、「型」がついているのです。
「空摺り」という技法だそうですが、話をさらに深く聞きます。
まず、展示されている浮世絵はすべて版画なので、色が着いている部分は、彫師が彫った木版で摺師が着色しています(後述しますが、このあたりの工程も面白いです!)。
しかし、空摺りの部分では、色を着けずに木版を押し付けることで型がつけられているのだそう。
写真では分からない実物でしか、ある角度でしか見えない仕掛けが面白いと感じました。
現在でも表紙がデコボコしている本や雑誌がありますが、それに近いものと思います。
実際、浮世絵全盛期の江戸時代では、浮世絵は庶民が楽しむ「雑誌」のようなものだったそうなので、あながち間違えていないと思われます。
余談ですが、価格も当時のかけそば一杯分の値段で売られていたそうなので、本当に雑誌のような感覚で楽しまれていたそうです。

空摺りに話を戻すと、空摺りはタイトルだけではなく、衣服にも施されていることを説明してくださいました。
何度も見た絵をもう一度見ると、たしかに衣服にも空摺りが施されていることに気づきました。
しかも、その着物の部分にだけ。
重ね着している他の着物には型はついていません。
このあたりから、彫師や摺師の技術力の高さに翻弄され始めました。
プリントTシャツや刺繍は写真でも柄が分かりますが、縫い方によるうっすらとした模様や質感は実物を見ないと分からないと思います。
そんな微妙なニュアンスを短時間でかつ手作業で、みごとに表現しているのです。
こんな言葉を使うことはないですが、思わず頭の中で叫んでしまいました。

あっぱれ!


三、 浮世絵ができるまで

と行きたいところですが、長くなってきたので今週はこのくらいにしておきます。

一気に簡潔にまとめてもいいのですが、当時の会話情景を文字に残しておきたいので、できるだけ丁寧に書いていこうと思います。
そんなのいいから浮世絵の面白いところを教えて!という方は、最後までお待ちください😉
あるいは、ぜひ浮世絵を見に行ったり、浮世絵について調べたりしてみてください😉

では、次回は『三、浮世絵ができるまで』からお話ししようと思います。
乞うご期待!

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