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ベジタリアンが増えると…!?

皆さん、こんにちは。
浮島ガーデンスタッフの慎之介です。
僕は過去2回のブログで、ベジタリアンに関することを書いてきました。

◇世界ではベジタリアンがふえている⁉︎
◇「お肉を食べない」という選択肢があります

そこで今回は「ベジタリアンが増えるとどうなるか」にフォーカスしてみます!


「なんとなく」始めたベジタリアン生活

僕が9年間お肉を食べていないことには以前触れましたが、
食べなくなった理由は…

「なんとなく」…なんです。

なんとなく興味があって、なんとなく始めてみたら、9年が過ぎていました。

「なんとなく」スタートした僕のベジタリアン生活。

そんな僕の行動が、地球にとって、人類の未来にとって、どんな影響を与えるのか改めて知りたくなりました。

ということで今回は、人類の未来に大きく関わる4つの問題への影響について、調べてみました。

◇私たちについて
沖縄県那覇市で、五穀や島野菜を使ったヴィーガン料理を提供する「浮島ガーデン」 と、系列店の「樂園カフェ」で働く仲間です。「『いただきます』から世界を変えよう!」をテーマに、「食べること」について学んでいます。普段は料理や接客をしているので書くことには不慣れです。どうぞ温かく見守ってください。「スキ」をいただけると励みになります。

地球温暖化への影響

まずは、地球温暖化への影響について調べてみました。

地球温暖化とは、温室効果ガス(GHG)に起因する環境問題で、単に気温が上昇することだけではなく、気候変動による干ばつや冷夏、台風といった異常気象の頻度の増加にも繋がります。

温室効果ガスの増加には人間の活動が影響しているのですが、ここに「肉食」が大きく関わっているのです。

国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の温室効果ガス総排出量のうち、畜産業による排出量は全体の14.5%に上るそうです。

室効果ガスと聞くと二酸化炭素のイメージが強いですが、牛のゲップやオナラによって排出されるメタンガスは、同量の二酸化炭素の28倍の温室効果があると言われています。

畜産によって排出される温室効果ガスが、地球温暖化に大きな影響を与えているのですね。

つまり、菜食を選択することで、温暖化への加担を減らすことができる!ということなんですね。

水資源の枯渇について

次に、私たちに身近な水の問題について調べてみました。

水は、人が生きていく上で欠かすことのできないものですが、人口増加によってアフリカや中東、アジア、オセアニアなどの一部地域では、慢性的な水不足が起こっています。

2017年時点で、世界では 22億人(30%)が安全な水を自宅で入手できない状況にあり、うち7億8500万人は基本的な給水サービスを受けられずにいる。

※参考資料:国土交通省 水管理・国土保全局 水資源部『令和4年版 日本の水資源の現況について』

人口は増え続けているので、水不足もさらに深刻になると予測されています。

ここに菜食がどう関係してくるかというと、畜産による水の大量消費にあります。

全世界の水の7割は、農作物の生産に使われています。特に水を使うのが畜産です。

世界の食肉生産量は2億5千万トン。それをまかなうために、世界で生産される穀物の1/3が使われています。穀物を育てるため、膨大な水が必要となるのです。

そして、実際に家畜を育てるプロセス、さらにはその後の屠殺や加工のプロセスでも、膨大な水を消費します。

東京大学の研究によると、畜産には以下の通り大量の水量が必要になるそうです。

鶏肉1キログラムに4,500リットル
豚肉1キログラムに5,900リットル
牛肉1キログラムに20,600リットル


一方、野菜はというと…

大豆1キログラムに2,500リットル
米1キログラムに3,700リットル

これらを身近な食べものに置き換えてみると…

牛丼1杯 →2,000リットル
ハンバーガー1個 → 1,000リットル

※参考資料:HUNGER FREE WORLD

ものすごく大量の水が必要という計算になるのです。びっくりしますね!

牛肉と大豆は、たんぱく質を多く含む食品の代表ですが、水の使用量を比べると、

大豆は約8分の1の水量で生産できる計算になります。

地球温暖化の問題と同様、水の使用量の面からみても、菜食は環境負荷の少ない食事スタイルだと言えそうですね。

🔸バーチャルウォーターを調べてみて!
環境省のサイトで、バーチャルウォーター(食料を輸入している国において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したもの)を計算できます!
 
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森林破壊への影響

森林破壊への影響についても調べてみました。

グリンピース・ジャパンのサイトには、次のような指摘がありました。

家畜の放牧地を確保したり、飼料を生産したりするために、森林伐採による農地開発が世界的に進んでいます。いま、地球の陸地の26%が、家畜の放牧地に使われています。また、世界中の農地の大部分、なんと75〜80%が、家畜用の飼料の生産に使われています。畜産を含める工業型の食料システム全体が、森林破壊の原因の80%を占めるともいわれています。

森林は大気中のCO2濃度を減らす役割を担うため、森林破壊は地球温暖化にもつながってきます。

食肉を生産するのに広い土地が必要になることも大きな問題です。

栽培した大豆やトウモロコシを人間が食用として消費すれば土地の使用面積は小さくて済むのですが、多くの穀物が家畜の飼料として使われているのが現状です。

この状況は、次に取り上げる食糧問題にも関わってきます。

食糧問題について

最後は、食糧問題についてです。

国連によると、2022年に飢餓に直面した人は6億9100万人から7億8300万人で、その中間値は7億3500万人だそうです。

飽食の時代と言われている現代でも、多くの人が飢えに苦しんでいます。

多くの穀物が家畜の飼料として使われていると書きましたが、

牛肉1kgの生産に必要な穀物の量はトウモロコシ換算で11kg豚肉では6kg鶏肉では4kgとなるそうです。

※参考資料:農林水産省

このデータから分かる通り、人が食べられる穀物を家畜の飼料として使うことは、食糧問題において効率が悪いのです。

世界の穀物生産量は年間約27億t以上と言われています。
そして、人が一人生きるのに必要な穀物量は年間180kgと言われています。
つまり、現在の人口の倍以上の150億人以上を賄える計算になります。

実は、世界中の人が生きていくのに必要な穀物量はちゃんと生産されているわけですね。

しかし現在は、穀物生産量の36%が家畜の飼料となっており、21%はバイオマスエネルギーとなっているそうです。食用として消費されている穀物は43%なのだそうです。

以上のことから、菜食が食糧問題を解決する一つの策になることが分かります。

ミートフリーマンデー始めませんか?

ここまで、人類が抱える4つの問題において、菜食が解決の糸口になり得るということを見てきました。

「なんとなく」ベジタリアンになった僕ですが、少しは未来に貢献できていることを知り、嬉しい気持ちになっています。

しかし、全人類が今すぐ菜食になるというのは現実的ではありません。

菜食のメリットを幾ら挙げたとしても、いきなり菜食に移行するのは難しいと思う人がほとんどでしょう。

そこで最後に、元ビートルズのポール・マッカートニーさんが提唱している「ミートフリーマンデー」を紹介します。

ミートフリーマンデーは、環境保護や健康維持、動物愛護の観点から、「週1日、月曜日だけでも肉を食べないようにしよう」という活動です。

完全に肉食を辞めるのはハードルが高いですが、1週間のうち1日、肉を食べないだけなので、気軽に挑戦できそうだと思いませんか?

僕たちが働く樂園CAFEにも、すごく美味しいヴィーガンメニューがあるので、楽しく美味しく実践できますよ!

この活動は日本でも広まりつつあり、都庁や気象庁で取り入れられ、給食に取り入れる学校も出てきています。

「八王子市立浅川小学校で「ヴィーガン給食」がスタート!〜公立学校としては日本初」
 
2021年5月、八王子市立浅川小学校で公立学校としては日本初となる「ヴィーガン給食」の提供が始まりました。これまで茨城県つくば市・常陸市や静岡県御殿場市で給食週間などイベント的にヴィーガン給食を提供する取り組みはあったものの、「普段の通常給食メニューの中にヴィーガン食を取り入れた公立学校」は、浅川小が全国で初めてとのことです。

参考資料:「ミートフリーマンデー・オールジャパン」サイトより

皆さんも、未来のために試してみてはいかがでしょうか!?

(慎之介)


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