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IT人材は誰が育てるべきか

ITサポーターTsuchidaの土田です。自分の記事を読み返してみると、見出しもなく長々とした文だなという印象だったので、小見出しをつけるようにします。

IT人材不足と求人難のミスマッチ

今は私、お客様の会社のシステムの運用支援を行っています。お客様の会社がシステム担当者が二人体制だったのが、一人が退職し求人をかけても応募がなかなかない中で、たまたま私がアウトソーシングとしてシステムの仕事をしているという話をその会社の社長とすることがあって、私が退職した人の業務を請け負うことになりました。
システム担当者の話を聞くと、求人をいくら出しても応募者がなかなかこなくて、応募があっても採用には至らないそうです。
IT人材の求人には経験と知識を求めているので、未経験者には応募は難しいかもしれません。例えITの経験があっても、会社の業務がわからないとこれまた応募が難しいのです。

社内SEの雑用は意外に多い

システム担当者は社内の中ではシステムが詳しい社内SEをしています。社員はシステムのことは何でも社内SEがやってくれると思い頼りがちになります。PCのセットアップ、モバイルの設定や同期、ZOOM会議の設定など雑用が多くて、雑用も緊急でやらされることもしばしばです。
社内SEの仕事には、インフラ管理・業務システムの保守・セキュリティ対策など本来の業務があったうえで、雑用に時間が割かれます。日本の企業の多くは社内SE不足なのです。社内SE不足故に、企業内でIT人材を育てる余裕はないのです。

システムベンダーの現状

システムベンダーの売上は、システム開発をしてシステムを導入してもらうことで、ある意味建設業に似ているのです。
システムベンダーで仕事をしていると、プロジェクトに参加してプロジェクトの一部に携わり、プロジェクトが完了すると、別のプロジェクトに参加します。

システムベンダーも教育する余裕がないので、新人をすぐにプロジェクトに参加させ、実践を学ませようとするのですが、プロジェクトといっても一部分だけなので、プロジェクト全体が見えないのです。自分が作っているものがどう使われるのかがわからないまま、次のプロジェクトに回され、イマイチ達成感が味わえないのです。次々と別のプロジェクトに回されると、単なる力作業の作業員みたいになり、IT人材の使い捨てにつながるのです。

システムベンダーの最大の問題は、システムを作るだけでシステムを使うことがないことです。作ったシステムの評価をしないしできないのです。結果としてIT人材の使い捨てをし、IT人材の育成ができていないのです。

IT技術者の高齢化

実は今の日本はIT技術者の高齢化が問題になっています。日本の業務システムは、独自作成とパッケージのカスタマイズが多くて、パッケージやクラウドをそのまま使っているケースは少ないです。
独自システムを担当しているのが、50代以上が多くて引き継いでくれる人はいません。IT技術者の高齢化がIT人材不足をより深刻にしています。
現在20代・30代でITと名乗っている人の多くがWEB系エンジニアです。彼らの多くはWEBサイトやクラウドの仕事をしているため、独自に運用されている業務システムとは世界が違います。
また、WEB系エンジニアを目指すために、専門学校や職業訓練校がWEBエンジニアコースを開講しています。だからといってWEBエンジニアの仕事に就けない人は多く、失業中にWEBエンジニアを夢見て職業訓練を受けたのに、結局にWEBエンジニアになれないという現実があるのです。
一方は独自の業務システムでITの人手不足があって、もう一方でITの仕事をしたいのにITの仕事に就けないという相反する状況にあるのです。
ITの仕事をしたくてITに向いている人がいたら、その人がITに仕事につける仕組みが必要という気がします。

私なりの結論

ITの仕事って努力以上に適性が左右するので、適性検査で適性の見極めが必要です。
経験の有無にかかわらず適性のある人を、IT人材の人手不足の会社がITエンジニアを育てていくのが有効だと考えています。人手不足の会社には仕事があるわけで、仕事を通して経験することがスキルを身につけるのに一番重要です。
ただこの場合に、人手不足の会社は忙しくて教える暇がないから無理と思われがちですが、若い人の方が長い期間仕事をしてもらえるので、若い人を有効活用すべきです。社内で誰も教える人がないというのなら、若くて経験の少ない人を実務で一緒になって育ててくれる技術者をアウトソーシングすればいいと思っています。
私も自分が人を雇って仕事を大きくするよりも、多くの企業で社内SEを育てる支援をする方がしたいと思っています。実務を通してのIT人材育成支援という新しいビジネスがあってもいい気がします。


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