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IT企画のつくりかた#02 〜構想立案

IT企画のつくりかたシリーズ、第2項です。

コンセプト策定フェーズでは、そのITは一体何をもたらしてくれるのかを一言で表現することを目指します。凝ったフレーズを作る必要はないです。

YouTubeは当初「動画のFlickr(写真共有サービス)」というコンセプトで始まったそうです。C向けのプロダクト系の場合は、コアとなる利用シーンをコンセプトにするとわかりやすいですよね。絵コンテを使って企画を作っている現場もあると聞いています。

業務系の場合はユーザーという単位ではなく、全体最適を図ることがコンセプトになることが多いです。自社やお取引先にどんな良いことがあるのかを、明確にしないといけません。

さて、明確になったコンセプトを具現化していくための最初のステップが、構想立案です。

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目指す高みというのが、コンセプトを実現した時にたどり着ける世界(場所)のことです。当然ですが、現在地はその高みから見ると距離があり、距離感を把握することが難しい(どうやっていいのかわからない)状態にあります。目指すものが未知の成果ですから。

構想立案というのは、目指す高みに対してどういった物事をどういった順番で進めてどんな成果物を積み重ねていけばよいかのロードマップを作ることを意味しています。最終的にはこういう機能があれば一覧にまとまるはず。

中間成果物として想定しているのは、以下の成果物です。業務系の場合は、現行システムが絡むことが多いでしょう。また、帳票を調べるのが業務理解を助ける一番手っ取り早い手段だと私は思っています。その業務で行った物事の集合体が、帳票に現れるので。

ー業務フロー
ー作業一覧
ーユーザーストーリーマッピング
ー機能一覧
ー現行システム調査
ー現行帳票整理

構想立案を進めていく中で特に重要なのは、現状を正確に理解すること、業務を構成するオペレーションをどう再設計すれば目指すコンセプトに近づけるかを詰めていくことです。

現状を正確に理解すると言っているのは、業務を構成する作業がどれだけ存在しているのかを掴むことです。「見積」とか「予約」という業務は色んな会社で存在しますが、それらの業務が完了するまでの流れは異なります。

ユーザーストーリーマッピングは業務内容>作業内容>必要機能のブレイクダウンを行ったものです。こんなイメージです。

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取捨選択はあとでゆっくりやればよいので、まずは広げる。広げられないものは収束することもできないので。これらの必要機能に優先順位をつけるのは、また次のフェーズで行えば良い。

次のノートでは、もう少し業務設計について補足していきます。

追記

IT企画の方法論については、こちらの資料に全て集約しました。あわせて、ご覧ください。



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