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仕事ができる人が疲弊するわけ

小話なんですけどね、最近そんなことを思わせる事態があったので。

仕事ができる人の定義って色々あると思いますが、1つの側面として「与えられた仕事内容に対して、自分なりの創意工夫を凝らす」があると思います。目の前の仕事をやっつけるという責任感があって、自分なりに試行錯誤できるので、自分なりのノウハウを積み上げられる。

ただ、それが業務を回すという視点に立つと、喜べない側面があって。

自分なりのノウハウというのは身体で覚えてしまっているもので、明日から入る人に引き継ごうとしても、自分でもうまく説明できない。手を動かしながら頭が整理されていく感覚なので、言語化して引き継ぐのが難しい。

創意工夫を凝らしてパフォーマンスを出した結果、仕事で忙しくなっている原因を自分で作り出してしまう。能力があるから片付けてしまうけど、その結果、属人化が進んで自分の負荷が高くなって、疲弊する。

そんな状態になっているケースが、少なくないのではないでしょうか?

属人化が進むと「バッドノウハウ」が溜まります。ここで言うバッドノウハウは、生産性は全然高くないけど、目の前の仕事をやっつける問題解決のために必要なノウハウのことです。

この種のノウハウを蓄積しても、基本的に組織として何のメリットもない。蓄積した結果、更に良い方法が編み出せるわけでも、誰かの負荷が下がるわけでもない。退職してしまって採用コストかけて採ったけど、やっぱり疲弊する性質は改善されないから、振り出しに戻って寂しくないこれっていう。

バッドノウハウが必要になる作業は、あまり楽しい作業ではないです。Excelのシートを行き来して、業務の行間を自分の脳内で埋めて、ミスがないかを検証・確認する性質の作業が多く、やりきっても加点がない。この種の作業をずっと続けていると、つまんないというか、疲弊すると思う。

仕事ができる人の負荷を下げることで、組織のパフォーマンスは上がるんじゃないかなと感じます。目の前の仕事でいっぱいいっぱいの状態で、まわりを見たり作業環境を改善する余力は生まれません。負荷を下げることでその人の持っている知見が伝達/蓄積される余裕ができ、取り組むべき業務課題をできる人が発見して、解決策の方向性をまとめ、改善へと向かう。

仕事ができる人が疲弊しないため、羽根を伸ばして更に価値を出してもらうために、業務改善ってやつがあるのかな、と思った次第です。


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