手術終了

うずらは幸いなことに病気も異常も見つからず、健康体であったので、去勢手術も問題なく出来るだろうという先生の判断ではあったが、麻酔をして手術するのだから、当然リスクはある。
予約した手術の日。うずらを連れて動物病院へ行くと、承諾書を書くように求められ、先生からもリスクは承知して下さいという説明を受けた。

うちの犬は去勢手術をしていない。幼い頃、元気はあっても食べが悪く、吐き戻しも多くて不安だったので、万が一が怖くて手術を受けなかった。そうこうしている内に皮膚病が出たりして、あれこれの病気を疑い、治療を続けている内に心臓が原因だというのが分かった。手術を受けなくてよかったと安堵したが、去勢手術を受けることで避けられる病もあるので、難しいところだ。

うずらの場合、細心の注意を払って室内飼いをするつもりではあったが、脱走して戻らない可能性もある。その時のことを考えても手術は必要で、リスクを覚悟して手術を受けるのを決めた。
予定では午前中に預かりで、午後から手術。一晩預かりで様子を見て、翌日の夕方には戻れるので迎えに来て欲しいと説明された。
獣医さんで別れる時、頑張るんだよと念を送り、うずらと別れた。家に戻ってもどうも落ち着かず、不安だった。
思えば、私は犬猫に限らず、人間においても病院との関わりが切れない人生だ。幼い頃、医者の世話になりっぱなしだったので、いっそ医療従事者になればと母から勧められた時、これ以上、病院に来たくないから厭だと反抗した罰でも当たったのだろうか。
クマは怪我以外で病院にかかったことがないという健康体だったのに、「俺は身体が大きいから食べる量も倍いるのだ」というバカボンのパパ的な言い分を素直に聞いてしまったが故、養殖してしまった。結果、それだけが原因ではないものの手術をするような事態になってしまったのだ。

幸い、犬もうずらもたくさん食べるタイプではないので、メタボの心配はないが、持病持ちの犬は投薬と通院が欠かせない。うずらは元気でいて欲しいという思いと共に、とにかく今は手術が無事終わりますようにと願っていると、夜になって獣医さんから無事手術が終わって麻酔からもちゃんと覚めたとの電話があった。よかった、よかった。よかったねーと犬と喜び、明日は予定通りお迎えをお願いしますと言われ、はいと答えて電話を切った。

そして次の日。夕方にはうずらを迎えに行かなくてはいけないから、夕飯の支度を早めにしておこうかと考えながら仕事をしていると電話が鳴った。
相手は動物病院で、どきりとした。
まさか…、うずらに何かあった…?
ドキドキ怯える私に。

『うずらちゃんなんですが、予想以上に順調なんで、早めにお迎えに来て頂いて構いませんよ』

明るく告げられたのは逆の内容であった。
つまり、元気だからもう帰っていいと…?
お、おう。すぐに行くぜ!と鼻息荒く、車を走らせて動物病院へ向かう。到着した病院で一日ぶりに会ったうずらは…妙な服を着せられていた。

(黄色い服でした)

手術後はエリザベスカラー(襟巻きトカゲみたいな形のカラーで、動物が傷などを舐めたりするのを防ぐもの)をつけると思っていて、思ったように動けなくて怒るだろうから、しばらくは管理が大変だなと覚悟していた。しかし、うずらの場合はサイズ的な問題もあって術後着という選択になったようだった。

「もしも服の上から舐めたり、服を破ってしまうようなことがあれば、カラーをつけますので連絡して下さい」というような先生の説明を聞き、支払いを済ませて帰宅。家に戻ってキャリーケースから出すと、うずらは怒ってぴゅーと逃げて行き、何処かに隠れていたが、しばらくして姿を現した。

もう、ひどい目に遭ったわよ。そんな目で見られつつも、無事にうちへ帰って来てくれてありがとうとちゅーるを献上したのであった。

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