住友化学(4005) 70点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
住友化学は1925年に設立され、1949年に上場した総合化学メーカーです。主な事業は石油化学、農薬、医薬品、電子材料など多岐にわたり、特に石油化学ではシンガポールやサウジアラビアでの合弁事業を展開しています。売上の内訳はエッセンシャルケミカルズが32%、健康農業が22%、情報電子化学が17%、エネルギー機能材料が12%、医薬品が14%を占めます。株式投資の観点からは、安定した基盤を持つものの、業績回復に向けたリストラなどの課題があり、中長期的な視点での投資が望まれます。
2. 安定した成長の有無
財務状況はやや不安定で、2024年3月期は大幅な赤字を計上しましたが、2025年3月期には回復が見込まれています。リストラを進め、医薬品分野などの改善が進んでいます。株主還元は減配傾向にありますが、今後の配当回復が期待されます。売上の成長性はあるものの、市場環境や経済状況に影響されやすいです。
3. 直近の売上高、営業利益
2024年3月期の売上高は2兆4,469億円、営業利益は-4,888億円と大幅な赤字でした。2025年3月期には売上高が2兆6,700億円、営業利益は1,650億円に回復する見込みです。時価総額は6,840億円、総資産は約3兆9,497億円です。
4. 現在の株価
時価総額は6,840億円、総資産は約3兆9,497億円で、自己資本比率は25.9%です。2024年8月時点での株価は293.6円〜458.3円の範囲で推移しています。株価は低迷していますが、業績回復の兆しが見えれば上昇が期待されます。
5. キャッシュフロー、現金
営業キャッシュフローは-513億円と厳しい状況ですが、投資キャッシュフローは-1,122億円で積極的な投資が続いています。財務キャッシュフローは492億円で、資金調達面でも慎重な運営を行っています。現金及び現金同等物は2,174億円で、流動性は維持されています。
6. 配当性向
過去数年間、配当は減少しており、2024年3月期は9円まで下がりました。今後の配当は2025年3月期に6〜9円、さらに2026年3月期には15〜20円への回復が予想されています。株主還元への姿勢は維持されていますが、業績の改善が重要です。
7. 採点と解説
業績と財務: 12/20
近年の業績は厳しく、財務状況も不安定ですが、リストラや事業売却により今後の回復が期待されます。株価の安定性: 13/20
株価は低迷していますが、今後の業績改善に伴い、回復の可能性があります。成長性: 14/20
健康農業や情報電子化学分野の成長性があり、石油化学事業の回復も見込まれます。業界地位と競争力: 17/20
総合化学大手として、石油化学や電子材料、農薬、医薬品分野での強みを持ち、グローバル展開が進んでいます。配当性向と株主還元: 14/20
配当は減少していますが、業績回復に伴い配当の増加が期待されます。
8. 総合評価(100点満点中)
総合評価: 70点
住友化学は、業績回復の見通しが立っており、長期的な成長が期待できる銘柄です。短期的なリスクはあるものの、業績改善が進めば株価の回復や配当の増加も見込まれ、中長期的な投資対象としての魅力があります。