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感染リスクゼロ

2024年2月の追記

もう新型コロナウイルス対策もほとんどみなさん気にしなくなっているので、いつどういうタイミングでこの記事を書いたかを補足しておきたいと思います。
コロナウイルスに限りませんが、パンデミックで怖いのは医療機関の能力を超えて感染が広がると医療をうけずに死ぬ患者が大量に発生することだ。そう僕は理解しています。米国や他の国で処理しきれない遺体の山ができたことは衝撃的でした。

だからもちろん感染者数のピークを抑える対策には全力で協力してきていますが、その問題がないときに恐れたり、市民の行動を制限する必要はそんなにない、と思います。

そんな思いで書いたたとえ話です。この記事は2020年の2月に公開しました。
では本編をどうぞ。その後で少しまた補足を追記します。



もうどこにいっても感染するかもしれない。怖い。ずっと家にいたい。クルーズ船に乗るのも怖い。でも何カ月も家にとじこもって、人ともあわずに過ごすのはつらい。
そこに天才発明家が現れた

「冬眠装置を発明しました。食事も排泄も不要。ここに入って目を覚ませば10年後の世界。ウイルスの危険は去っています。」
「ほぉ、この横についている目盛りはなんですか?」
「それは、感染リスクを考慮した平均余命です。左が冬眠した場合、右が冬眠しなかった場合です。
左は現在65歳のあなたの平均余命、19.55年です。しかし冬眠したら右側の19.63年になる。感染リスクと致死確率を考えると、冬眠して感染リスクを0にすれば約1カ月平均余命が延長されることがわかるのです。治験のためこの装置を無料でご利用いただけます。」
「それはすばらしい。1か月あればクルーズ船で一回旅行ができますね。ぜひ使わせてください。」
.....
意識の上では一瞬の後、10年が経過していた。なんの苦痛もなく、目覚めも快適であった。これでウイルスを恐れず人生を楽しめる!
さっそくクルーズ船の予約をいれよう。
あれ、平均余命が12年しかないぞ。
「発明家さん、寿命が短くなっています。話が違いませんか?」
「いえ、この装置に時間を止める効果はありません。冬眠開始時点ではたしかに19.63年の平均余命でしたが、10年たったので現在の平均余命は10年dす。ちなみに冬眠中に寿命が尽きた人も何人もいらっしゃいますよ。あなた、健康でよかった。」

立ち去る発明家の後姿に、羽としっぽが見えたような気がした。


クレームがつかないための補足

1 もちろん感染拡大の防止には全面協力すべきです。だけど、自身の感染対策では、負担と効果のバランスは大事、ということをわかりやすくお話にしてみました。

2. 平均余命は、もちろん1か月も短縮されることはありませんね。平均余命が240カ月で、感染した場合の致死率が0.5%だから、今この瞬間感染したとしても1.2カ月で、後は感染確率の分だけ小さくなる。まぁ1週間というとそもそも「それはすばらしい」とならないので、少し盛ってあります。

3. 2021/4追記 - これを書いた時点では、リスクが小さいにもかかわらず、必要な外出も怖がる人がいたのでこのように説明しました。現在感染者、重症化率とも高くなっているので、一回会食しただけで平均寿命は1か月短くなるくらいです。1年閉じこもって1か月寿命がのびても仕方がないが、1か月の寿命を棒にふって会食を一回するのは高くつきすぎるかもしれません。リスクはきちんと、高低を見極めることが大事かと思います。



2024年2月の追記(後編)

というわけで追記の後編です。
くどいようですが、「感染のピーク」を下げるための対策は非常に重要だと思っています。医療のキャパをこえれば、感染者は行き場をさがしまわるしかなく、さらに感染者を増やし、医療従事者の感染者も増えて治療にあたれなくなり、アンコントローラブルになる。
その対策は厳重に行った上で、感染ピークが抑えられている状況であれば、別に普通に生活すればいいし、オリンピックだってそのままやればよかったと思います。気にしすぎ。

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