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熟成って美しい!

僕は魚を捌くのが料理の中で好きだ。

特にその後の熟成、そしてそれを食べるという行為が
あまりにも自然の摂理の中で構造的に美しすぎて
ゾクゾクしてしまう!

今日フレンチ料理人の友人にこの話をしたらさすがに
「スケベですねえ」とお褒めの言葉をいただきました笑

そもそも熟成って何??

仕組みとしては陸生哺乳類や魚などの肉が死後硬直後、
アンモニアを発し、腐り始め、グルタミン酸が増していくことをいう。
グルタミン酸はあの味の素で有名な成分、旨味成分であるのですが。
生と腐の中間の部分で食らう、そこがとにかくうまいのです。
あの独特のふんわりした甘い香り、、たまらない。

僕は特に魚の熟成しかしたことがないが
魚はまず開いて内臓とエラを取り、血合いを洗い流してそこにキッチンペーパーを詰めてくるんで、ラップでぐるぐる巻きにする。
その状態で1週間くらいキッチンペーパーを変えながら綺麗な腐敗を進行させる。

時間が経ったら三枚おろしにして、皮を剥がし、ヒレを取りさばいて、醤油をちょちょっとかけて食べる。

うまい!

この熟成があまりにも美しいんだと僕は感じる、とにかく自然の摂理にぴったり人間がハマる瞬間だと感じてしまう。

例えば牛がそこにいるのを想像してほしいのですが
ある日その牛は怪我をしたか、餌にありつけず死んでしまったとする。
その時点から牛の肉は死後硬直をする、そしてアンモニアを出しながら腐敗し始めるその時その匂いにつられてハエなどの虫、それを食べる鳥や小動物、さらにはそれを食べるライオンのような肉食動物がきてその時点でその牛の肉はグルタミン酸が増えてきて美味しくなっている!
そして最後にはライオンなどの王者が食った残りをハイエナや鳥などが食べて細分化しそれぞれの体内でうんちになって、陸地に落とされてそこからまた新たな命を生む土壌を育む。

その景色の中に人間である自分を投影してハイエナたちと同じように食べている
うまいなあ!つって食べてる。

そんな感覚に襲われてうわあああうめえなあってなる。
そんな熟成という行為が自然構図的に美しいと思わざるを得ないのです。

いやあ、スケベですねえ。

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