韓国と日本はパラレルワールドということを伝えたい

日本人にとって、「韓国」というのは通常、人によってすごく評価が分かれる国だと思う。
大体の年配の日本人は、韓国のことを嫌う人が多い。それは歴史的背景からでもあり、メディアの情報操作や政治背景に関連することからきている。
それに対して若者は韓国に非常に親近感を持ち、浸透していく人たちも多い。それは韓国が生み出す、違う文化ながらも親近感のあるトレンドが日本の若者を引き付けているからだ。

私は日本に住んでいた時、多くの人がそうであるように、韓国を良く思わなかったタイプの人間だ。メディアが報じるそれと同じように、韓国人は攻撃的で、小さなことを大げさに表現して日本を陥れたいだけの国だと思っていた。

しかし、日本を出ていろんな人に出会い、そして韓国人の近しい友達が出来てからその価値観は大きく変わった。

はっきり言えば、日本人の大半は如何に韓国人が日本人と似通っているかをわかる機会を持っていないし、分かろうとする前にメディアや政府に洗脳されてしまっていると思う。
ここでは私なりのこの「繊細」な二国間の関係についての意見を述べたい。

1. 韓国人は私が触れ合ったどの人種の中でも日本人に近い人種

私はイギリスに住んでいるので、西ヨーロッパ人をはじめ、東ヨーロッパ人、北米・南米人・東南アジア人など、たくさんの人種と関わる機会を持ってきたが、タイトルの通り、私は韓国人ほどに価値観を共有できる、外国人は居ないと思っている。同じ東アジア人である、台湾人や中国人の比にもならないほど、日本人と韓国人と言うのは非常に似通っている。
それは、考え方や価値観が近いというのはもちろん、言語的にも、たくさんの言葉が実はほぼ同じ発音であったり、文法がほぼ同じであったりと、共通点が非常に多いのだ。
私は韓国語が喋れるわけではないので、私の韓国人の友人と話すときは英語で会話をすることになる。すなわち、感覚的には欧米諸国の人々と会話する時と同じであるのに対し、話の「本髄の理解度」が他の国の人々とは非にならないほどにスムーズだ。
何を説明しても、文化的に理解が出来ないということがない、価値観・社会性が非常に近いため、まるで日本人と話しているかのように話が出来る。

2.そっくりな日本人と韓国人がぶつかるワケ

では、なぜ韓国人と日本人は犬猿の仲と言われるのだろう?それにはもちろん、大きく歴史的な対立があったというのが関係しているのは間違いないだろう。しかし、私はそれだけではないことに気づいた。

韓国人と日本人の唯一の違いは、その「正直さ」にある。
日本人にとって、正直な物言いは時に煙たがれることがある。それは私たちの文化の中で、本音と建て前と言うものが非常に強いからである。
つまり日本人は、常に正直に言うことに対して抵抗がある。その時々で、正直に言った場合に相手が傷つくと感じたときには本音を言わない・そして、人に迷惑をかけないように・かけられないように生きるというのが日本人のスタイルだと思う。だから極力人との接触は避ける。ただ、表面では失礼にならないようにする。

それに対して、韓国は、「正直さ」が一番のマナーであるという話を聞いた。つまり、困っている人を見たら、近寄って助けるのが韓国のマナーであり、近しい人に正しいことを正直に伝えるのが韓国において、正義なのである。
この点においてのみ、日本人と韓国人は真逆であると言える。だからこそ、日本人と韓国人はぶつかってしまうのではないか、と感じた。
日本人は正直すぎる韓国人を「攻撃的」ととらえる人も居るだろうし、
韓国人は距離を取りすぎる日本人を「冷たすぎる」ととらえるかもしれない。
ここで歪みは生じるのではないかと、私は仮説を立てている。
ただし、もし韓国と日本の間に複雑な関係性が無ければ、私は日本と韓国が親友になっていたと確信している。なぜなら、その違いはあいては違う人種だから、と認識すれば埋まる程度の物だからだ。
単純に政治的な理由で、元から対立しているからこそその違いはマイナスとして働いてしまう。

3.韓国人は日本人同士よりも親しくなりやすいかもしれない。

先述したように、韓国と日本は非常に近い文化がありそのギャップを埋めるのには全く時間がかからない。しかし、そうでありながら私たちは同じ人種ではないので、「同じような国で同じように生きる、感覚を共有できる戦友」のような存在になれる可能性が大いにあるのだ。

私には近しい韓国人の友人が2人居る。彼らは私と同じように、別の言語を話し、世界を見て回ってきた。私は2人の内の一人とイギリスの仕事先で出会い、そこで意気投合してからは、会えない期間のほうがよっぽど大いにも関わらず、今では下手な日本人よりも私を理解してくれる存在になっている。
このように私たちは、似ているからこそ感じることも似ていて、この感覚は西洋人とはほぼ共有できない。下手すれば他のアジア人とも共有が難しい時もあるが、韓国人と日本人のマッチ率は確実に90%を超えている。

4.変わらない歴史や政治よりも個人を見て、日本人個人は韓国をもっと知るべき

韓国と日本の政治関係は、溝を深めていく一方だ。昨今は日本の製品購入ボイコットが行われたりと、嫌韓・反日感情は日に日にその程度を上げているかのように見える。
しかし、これは単に歴史上に起こってしまった蟠りであり、個人が変えられることではない。
私は韓国の実際を知ってからは、日本メディアや政府のプロパガンダをすぐに見抜けるようになった。
私のこの政治的問題における立場は中立だ。日本がやっていることが正しいとも思わないし、韓国がやっていることも正しくない。要するに、政府でさえも似通っているがゆえに泥仕合になっているというわけだ。
ただ、日本が必ずこれから変えていくべきことは、日本が第二次世界大戦中に韓国にしたことを認識するべきだということ。
謝罪をしろと言っているわけでなくても、認識はするべきだと思う。例えばネットニュースなどのコメントに「小さいことでがたがた騒ぐなよ」と言うが、韓国は日本の植民地で、日本人に虐げられ、下に見られて奴隷のように扱われていたという事実があるということを忘れてはいけない。
日本メディアは第二次世界大戦のことを描くとき、「原爆を落とされた国」として悲劇的に、あたかも被害者であるかのように描くことが多いが、これは日本が引き起こした結果でもある。
現に日本は「帝国」として、アジアのたくさんの国を植民地としていたのだから。そして、その当時に日本兵が現地民にしたことと言うのは、日本人の知らないところで根深く残り、恨まれているということを忘れてはいけない。
そして、韓国もまたその一国であり、中でも強く影響を受けた国だということだ。
だから、その国にとってそれは「小さなこと」でも何でもないということを日本人は認識するべきだと思う。その上で、韓国の間違っている部分を指摘出来れば、ここまでこじれることもなかっただろうに。

しかし、こじれてしまったことはどうしようもない。私は国を、国民を変えてやろうなんて威勢のいい人間ではないので、私が皆さんにアドバイスしたいのは、韓国と言う国を偏見で見ずに、特に韓国人の方と個人で触れ合う機会があれば、いろんな話をしてみてほしい。まるで日本のパラレルワールドからきた人と話しているようで、色々な発見があって面白いと思うし、運が良ければ素晴らしい交友関係を持つことが出来ると思う。



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