パソコン部屋を改造しました。
疫災で学校や園が長期に休みになり、リビングに常に子供たちがいる状態が続いてました。そのため登園中にリビングで事務仕事をしていたのが出来なくなってしまったのです。
これまでどのような感じでリビングで仕事をしていたかというと、
2015年頃の環境
2017年頃の環境
2019年頃の環境
そして2020年。
芸術家の支援金制度でFOCALのスピーカーやウルトラワイドの単体ディスプレイを手に入れた経緯もあり、デスク天板を新たに仕入れたり、折角だからと環境を一新するべくスピーカーのスタンドを自作したりして、とりあえずリビングに隣接するミシン室(3畳半ほど)にこれらパソコン類を全部移動させたのです。
デスクは狭く物書きなどが出来ないほどに機材が迫る環境でしたが、自己満足の見た目と共に半独立した作業環境を構築しました。写真では分かりませんが、この部屋はリビングと隣接していて独立した構造ではないのです。
右側(下の写真)は広大にリビングが広がっており子供は自由に入ってきます。扉や壁は存在しない状態なので、音が双方向に漏れまくり、仕事がしづらい、または音の仕事をすると家族に迷惑がかかってしまう、という状態でした。
この環境を改善したい!
さらに言えば2023年はさらに制作業も入りそうなので、ストレスなく仕事ができる環境づくりは何よりも必要だと思ったのです。
設計アプリで棚を作った経緯
防音室の棚を半年前に製作した際に使用したアプリ(簡易版は無料)を使えば、「壁くらい作れるやろ」と目論み始めました。1ヶ月くらい、Youtubeで関連動画を見ながらあーでもないこーでもない、とモデリングを作りました。
施工する
近所のホームセンターで、木材は全て用意。
基本的に2x4とOBSボードを使用。
「家に穴を開けるな!」が奥さんからの施工条件だったので、骨組みをつっぱりを基本でギチギチにしっかりと部屋にはめこむ作業になりました。
居間とのスリット部が肝
前述のように居間との合間にスリットがあり、これを埋める手段にずっと頭を悩ませていました。もともとミシン室や子供の遊び場のような余剰の部屋なのでそういう構造になっていたのですが、仕事部屋となると話は別。
ああ、全部切り取ってやりたい。
いつか子供が巣立ち、子供部屋が空いたらそこが私の仕事部屋になり、この部屋は妻が使う予定になっているので、極力無傷にしなければならない命題が立ち塞がっております。
次は扉の製作です。
自宅は2x4による木造1戸建てのため、基本的には石膏ボードとグラスウールによる壁。そして今にはOBSボードとグラスウールの壁。
「防音室」にするにはさらなる施工を全面的にする必要があるのですが、
今回の施工の目的は、
①リビングに音楽制作の音が届く量を軽減する。
②仕事に集中する空間を手に入れる
この2つでしたので、防音に関してはそこまで一生懸命にならなくても密室を作ればある程度の「減音」になることはわかっていたので、壁と同じレベルの扉を作れば、それ以上は必要ないと思って、同じような構造の扉を作りました。
扉を設置する際に取っ手はどうするか考えましたが、締め切るのは中に入って音を出しているときだけでしたので、こういうものを内側に取り付けました。
蝶番も一応セオリーの施工を。
換気について
締め切ってしまうと全く換気されないので、居間との空気の入り口と出口を作りました。
調音にはShizukaの製品を
実は、調音パネルの有名な日本メーカーShizukaのパネルをはめ込むのも今回の施行の目玉なのです。広い部屋なら規模のデカいパネルを立てればそれでよいのですが、ここは狭い部屋で斜めに立てるスペースすらありません。スピーカーの裏に大きく立てることは困難です。
2×4の木材の奥行きが3.8cmで手持ちのShizuka Stillness Panelの奥行き3.7cmとほぼ合致していたため、折角なのでそれを考慮に入れて設計しました。
天井の調音
天井が曲者で、穴を空けずにパネルを設置するのが困難でした。
部屋を2×4木材で囲んだのはそのためもあります。天井を架け橋できるし耐久性もあって穴を空けて固定するのも簡単!
ですが、自分の活動は簡単なミックスやマスタリングが出来ればよく、さすがに天井にまでごつい調音パネルを設置する必要もないので、安価なものを注文しました。
Shizuka SSP E-38
これを計五枚。架け橋を作り天井に配置しました。
①スピーカーの周りにはB-500を2枚追加して計4枚
②天井にはSSP E-15(録音時にも効果的のはず)
③正面上にはSSP E-38
④左右には録音に使うStillnes Panel SDM 1800
⑤下は畳なので少し吸音などに役立ってます
ここで録音ができるか?
換気ファンを作動させなければかなり静かな環境です。PCもMacStudioで負荷をかけなければファンが回りません。
屋外で工事があったり誰かが大声で喋ったり大きなトラックが通らない限りは可能なレベルかと思います。正直いうとドライな環境かどうかでいうと、うちの防音室(下の写真)より良いので、いつか試してみたいです。
どのくらいの防音力か
実際に音を出して確認してみました。
計測は専門のものはないのでスマホのアプリです。
使用した音源は和田貴史さんのトラック【Shelly】
スピーカーの前
部屋の外(ドアの前)
かなり離れた部屋
数値的には(デシベル)
125Hz - 1k - 4k
83 - 70 - 55 : スピーカー前
45 - 40 - 20 : ドアの外(居間)
35 - 33 - 27 : だいぶ離れた部屋(寝室)
つまり、D-35レベルの防音室ってことですね。
この部屋(2600x1800x2000)の大きさの防音ブースを買おうとすると、かなり高そうです。
YamahaさんでD-35だと1.5畳で120万くらい。
少なくとも200万円以上の価値がありそうですね・・・
なかなか安上がりに作ったもんだ。
これは嬉しい。
使用した道具と費用(おおよそ)
木材
2x4 40000
1x8 5000
OBS 8000
棚用板 5000
その他
ネジ 2000
蝶番 2000
棚受け金属 10000
塗料 3000
電動丸ノコ(マルチ) 30000
100円均一 5000
クランプ 1500
ホールソー 1500
換気ファン 3500
ネダ受け金具 nup-30 3000
ゴム 5000
以上になります。関連商品リンクも貼っておこう。
このために買った道具
Shizuka調音パネル
こちらは分厚いもので、正面上側に貼ってます。
自在に切り貼りできて使えるので穴埋めに便利。
メインスピーカーのサイドと裏に設置。
かなり解像度が良くなります。
クランプ
これ必須!木材を丸のこで切るときに使用。
固定器具がないと電動ノコギリは使っちゃ危ない。
電動マルチ
インパクトや丸のこで活躍。電動紙やすりのアタッチメントはついてなかったので別で購入した。丸のこは使えるのだけれど、歯が短くて2x4木材は手動ノコギリで切っていました。ホームセンターで切ってもらったサイズが間違ったときに使ってました。木クズがすごい。あと、充電が中途半端だと丸ノコが弱くて切れなくなる。
扉の隙間用ゴム
換気ファン
ちゃんと使える。別売りの専用電源コードを使えば、壁の中を配線しなくても使えるのとサイズが小さいことが決め手。ちょっとうるさい。
ホールソー
換気ファンを取り付けるために購入。電動マルチに繋げて使った。安物だけど必要十分だった。
ディスプレイ壁掛け器具
狭い部屋でエルゴトロンのようなディスプレイスタンドを使うと、余分に場所をとってしまうので、壁に密着させるしかないと思って。
ドアの取手
部屋の密室性を少しでも上げようと思って、そんな感じのものを購入。
ちゃんと使える。シンプルイズベスト。
デスク天板
材木商店というサイトから購入。知り合いの木材を扱う社長さんからの紹介で選択しました。サイズは1600×600×30。20000円ほどで仕入れました(2020年)。機材の重さで曲がらないためにかなり厚めにした。音楽制作などで機材が溢れかえることを考えると、場合によっては奥行きは妥協しない方が良いかも。カラーは標準にしました。結果的にデスクが明るくなったので、環境に明暗がくっきりになる形になりました。大人な雰囲気でオールナットもよかった気もしますが、もう試せない、、、
最後に写真を・・・
ちょっとずつ加えて更新していくかも(なかなかうまく写真撮れない。)
追記:音楽機材
写真に写っている機材をざっくり書きます。
Focal Shape 50
DMSD 50
Focal Clear Pro, Listen Pro
Eizo 23.5 inch display
LG 32 inch ultra wide dispray
Elgato Stream deck
Logicool Mx Keys, master 3 for mac
Satechi extended keypad
Mac Studio
iPad Pro12.9
Yamaha Silent Violin
Cantini Earphonic Electric Violin with MIDI, Red/Black Sunburst
RME babyface pro
gracedesign m101
M-audio keystation88 Mk3
CME Xkeys
どれもこれも値上がりしてしまって、
もう買い替えられないものばかりになってしまいました。。。
おしまい。
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