見出し画像

【1ヶ月海外放浪】アテネには何も期待しない方がよい🇬🇷《Day17-19》

この旅の記事一覧はこちら↓から


2023-09-21 Day17

 乗った飛行機はペガサス航空PC1191便。ペガサス航空は今回の旅行で2度目の登場である。飛行機の行き先は、
 ATHENS/Αθήνα
ギリシャ🇬🇷の首都アテネ!最初はアテネなんて行く予定なんて全くなかったけど、A君が行きたいと言い出したので弾丸で行くことにした。

 7:45のほぼ定刻通り飛行機はイスタンブールを出発。エーゲ海の島々の上を通り、9:30頃にアテネ国際空港に到着した。入国審査官はスマホでSNSをいじりながらの雑な対応だった。酷いな。

アテネ国際空港

 アテネ国際空港から市街地へは、地下鉄でもバスでも行ける。今回は時間があるので値段の安いバスで行くことにした。乗るのはアテネ中心部まで直通するX95シンタグマ行き。しかしこのバス、かなり並んでいて乗れそうにないので諦めた。代わりにX93のバスに乗って、途中で地下鉄に乗り換えることにした。
 バスにはKolokynthous停留所まで乗った。降りると目の前にスーパーがあったので立ち寄る。水2Lが0.30€(≒45円)程度と、アテネの物価はそこまで高くなかった。

 メトロ2号線Sepolia駅までは歩いて15分程度。駅入口の階段を下るが、なぜかバリケードが閉まっている。他の入口も探したが同様だ。困惑しながら近づくとこんな貼り紙が。

DUE TO A STRIKE OF EMPLOYEES, ON 21/9/2023, METRO LINES 1,2,3 NOT BE RUNNING.

はぁーーー!(クソデカため息)ストライキで今日のメトロは全線ストップだとよ。なにそれ!!!労働者の権利なんてクソ喰らえだ。どおりで空港からのバスが大混雑しているわけだ。
 嘆いていてもしょうがないので、とりあえずアテネ駅まで約2kmを歩いた。明後日のアテネ脱出のために(アテネには2泊する)、テッサロニキまでの切符を買おうとした。しかし窓口ではNo!とのこと。調べてみるとどうやら大雨被害により運休しているらしい。WTF!!
 嘆いていてもしょうがないので(2度目)、今日の宿があるビクトリア駅まで約1kmを歩いた。時刻はまだ12時。チェックインまであと2時間ほどあるが、睡眠不足&メトロ運休で観光する気も起きないので、宿の近くのハンバーガー屋で時間を潰した。

おいしかった

 14時になり宿にチェックイン。チェックインといっても今日の宿は、オーナーさんが住んでる家の一部屋だけを借りるスタイル。ここのオーナーさんもめちゃくちゃ優しく、観光案内の地図まで書いてくれた。

 どうやらメトロなしでも観光できないこともなさそう。しかしいかんせん疲れていたので部屋で休憩をとり、18時頃になってようやく街ブラを始めた。
 アテネの街はメインストリートでもシャッターが目立つ。ギリシャといえば財政破綻のイメージだが、やはり今も経済はそこまで良くないらしい。

 宿から2kmほど歩くと、アテネの中心、Monastiraki駅付近に着いた。ここからはアクロポリスが見えるが、それは明日にお預けである。

 夕飯は久々に日本の味、焼きそば。ただ何故かこれがTERIYAKI味。しかも本物の照り焼き味ではなく、妙に甘味の強い微妙な味付けだった。それでも箸が使えただけ大満足である。

 結局この日はそのまま宿に戻り、1日を無駄にした形となってしまった。




2023-09-22 Day18

 今日は朝起きてまずコインランドリーに行く。というのもトルコにはコインランドリーが存在せず、毎日手洗いでやり過ごしてきた。ブダペスト以来の洗濯機に全身が喜んでいる。洗濯機をまわしている間にパン屋で朝食を食べたりし、10時半にようやく活動開始。しかしA君は体調が悪いらしいので休むそうで、今日は2人別行動を取ることにした。

 メトロ2号線のビクトリア駅に行く。今日は動いてるかな?とドキドキしたがちゃんと営業していた。市内交通1日券を購入して早速観光スタート。

落書きが汚ねえ

 最初に向かったのはローマン・アゴラ。ここでアテネの遺跡7ヶ所の共通チケットを買う。5日間有効だが、同じ施設に2回は入れない。これが30€(≒5,000円)とかなり高い。ちなみにヨーロッパの大学生は半額である。羨ましい限り。
 ローマン・アゴラは文字通りローマ帝国期のアゴラ(広場や市場のこと)である。紀元前12年〜紀元後2年あたりに完成したらしい。


 次はいよいよアテネ最大の目玉、アクロポリスを目指す。アクロポリスは小高い丘の上にあり、登る道は観光客で賑わっていた。そして道には物乞いもいた。トルコでは見かけなかったが、ヨーロッパの大都市ではあるあるである。
 途中、眺望のいい岩場があったが、岩がツルツルしており、とても滑りやすくて身の危険を感じた。

 アクロポリスのチケット売り場にはたくさんの観光客が並んでいた。私はローマン・アゴラのガラガラのチケット売り場で共通チケットを買っていたので、「並ばなくて済む。ラッキー」なんて思っていた。しかしその考えは甘く、チケット売り場だけでなく入り口ゲートにも列ができていた。どうやら入場制限を行なっているようだ。
 熱い日差しが照りつけるなか列に並ぶ。途中、外国人家族にチケットはどうしたらいいの?なんて聞かれたりしつつも30分ほど並んで、ようやくゲートを抜けた。円形劇場や石像があったが、しばらく木陰のベンチで体を休めた。

この旅行3度目の円形劇場

 しかし多くの観光客は円形劇場や石像をほぼスルーしていく。彼らの目的はなんといってもパルテノン神殿。私もそれを目指して丘の一番上まで登るが、その姿を見てガッカリ。

 工事中!いつぞやの厳島神社みたいになってるやん!!!しかし半周すれば足場のない姿を拝むことができた。紀元前5世紀にこんなデカい建造物があったんだから大したものである。

 混雑が激しく、結局ここにたどり着いたのは12時半を過ぎた頃だった。お決まりのセリフ"Could you take a photo for me?"で写真を撮ってもらったりし、アクロポリスの丘を降りた。

 次に訪れたのは古代アゴラ(Ancient Agora)。最初に見たローマン・アゴラよりも前、紀元前6世紀頃から使われていたアゴラである。ローマン・アゴラと比べてこちらはかなり広大。評議場、裁判所、鋳造所なんてのもある。

 紀元前415年頃に建てられたヘファイトス神殿はまるで小さなパルテノン神殿。しかもこちらは屋根まで綺麗に残っている。

 そして古代アゴラには博物館が併設されている。胸像などの発掘物の展示もあり、観光客が少ない割には面白い場所だった。そして何よりエアコンの冷気が疲れた体によく沁みた。


 古代アゴラの次はハドリアヌスの図書館。ローマ皇帝ハドリアヌスが西暦132年に建設したらしい。パピルスの本を保管しており、閲覧室もあったんだとか。日本でいう弥生時代に図書館なんていうものがあったというのが日本人としては驚きである。

 時刻は15時をまわり、だんだん遺跡系にも目が慣れてきてしまったので、少し趣向を変えて今度はギリシャの国会議事堂を見に行くことに。今回の旅行では、タイ🇹🇭、オーストリア🇦🇹、ハンガリー🇭🇺に続いて4ヶ国目の国会議事堂である。以前アメリカ🇺🇸の連邦議事堂も見たことがあるので、日本も含めて6ヶ国の国会議事堂を見たことになる。そろそろ国会議事堂マスターを自称してもいいかもしれない。

 国会議事堂の正面には無名戦士の墓がある。これはオスマン帝国からの独立戦争をはじめとした、数々の戦争で命を落とした戦士たちのための慰霊碑である。2名の衛兵により常に守られており、特に毎正時に行われる衛兵の交代が観光客の注目を集めている。

 ちなみにトルコ🇹🇷とギリシャ🇬🇷はあまり仲が良くない。ギリシャ独立戦争、希土戦争と争ってきた上に、現在でもキプロス、北キプロスを巡って対立している。当事者でない私には、国民感情としてどのくらい仲が悪いかわからないので、イスタンブールから来ました!このあとイスタンブールに戻ります!とはあまり堂々と言えなかった。

 再び遺跡系を見ることとし、次に訪れたのはリュケイオン。リュケイオンはかの有名な哲学者アリストテレスが紀元前334年に建設した学園である。ちなみに当時の"哲学者"は現在の"科学者"も包含している。ここから現代科学に通じる学問が発展したのだと思うと、少し感慨深いものがあった。

 リュケイオンとしばしばセットで語られるのが、アリストテレスの師匠であるプラトンが開設したアカデメイア。せっかくなのでアカデメイアにも行ってみたいと思ったが、しかしこちらの跡地はアクセスが悪い上、特に説明の案内板などもなく、残念な状態だそうなので行かなかった。

 リュケイオンを出ると、偶然面白そうなものを発見した。アテネ戦争博物館である。屋外展示スペースは無料にもかかわらず、戦闘機やミサイル、対空砲に魚雷の展示もあった。

戦闘機:F-104G(手前)とF-5A(奥)
ヘリコプター:Bell OH-13S
戦車Cromwellに搭載された6ポンド砲

 次に訪れたのはゼウス神殿。紀元前6世紀に建設が始まったこの神殿、完成は2世紀にあの図書館のハドリアヌスによってなされたらしい。ハドリアヌス凄いな!保存状態が悪く、柱は数本しか残っていない。しかし残っている柱から想像すればかなりの大きさだっただろうことが素人目にもわかる。だが正直、足場がたくさんついていて、楽しみにしていただけに残念だった。


 時刻も17時半。体調の回復したA君と合流して夕飯をとることにした。シンタグマ広場に18時の待ち合わせである。ゼウス神殿からアテネ国立庭園を突っ切ってシンタグマ広場まで歩く。ヤシの木が生えていたり大量の亀がいたりして、あまりエーゲ海らしくない。

 A君と合流し、夕飯のためにアテネの路地に入った。メインストリートでもシャッターが目立つ街だが、路地ではさらに酷い。一気に不気味になる。ギリシャ料理店のKaramanlidikaに入った。予約のお客さんでいっぱいだったが予約なしでも大丈夫ですか?と聞いたら2時間以内なら、とのこと。余裕である。あいにく2時間もゆっくり食べるほどの金を持っていない。
 食後に出てくるヨーグルトが格段に美味しかった。

 帰りにスーパーでファンタLEMONADA味を買った。日本にはない味で期待したが、普通のレモネードの味で、ファンタらしさは全くなかった。




2023-09-23 Day19

 9時過ぎに宿をチェックアウト。荷物は預かってもらった。今日もA君とは別行動をとる。いかんせん2人で昨日見たところに差があるからしょうがない。

 まず訪れたのは、ケラメイコス。アテネ共通チケットで訪れていない最後の1ヶ所だ。しかし入り口で別のチケットを渡された。券面を見ると0€の文字。
ん???
ヨーロッパ文化遺産の日だかで今日は無料らしい。えーーーー。昨日30€で買ったこっちの身にもなってくれ。

 ということは、、、アクロポリスにもう1回入れる???そう思い、急いでアクロポリスに行くとチケット売り場で整理券を配っているようだった。13:00〜14:00のスロットの整理券を入手した。

 まだ時刻は10時半。2時間半あるということで、その間にリカヴィトスの丘を訪れた。どうやらアテネの市街地を一望できるらしい。ケーブルカーもある。歩いて登ろうかとも思ったが、ケーブルカー乗り場まででさえヘトヘトになるほどの急勾配。そしてもちろん暑い。あっさりケーブルカーに甘んじた。
 ケーブルカー乗り場は場所が分かりにくく、途中観光客に2度も道を尋ねられた。2組目はちゃんと従ってくれたからいいが、1組目にはほんと?という謎の疑いをかけられ、別の方向に行ってしまった。言うこと聞かないなら最初から尋ねてくるな!ちなみに私が教えた道は合っていた。

ケーブルカー乗り場

 標高277mの頂上からはアテネの市街地が一望できた。なにしろアテネ市で一番高いらしい。アクロポリスの丘でさえも眼下に見下ろす。アテネの市街地はかなり広く、一面真っ白で綺麗だった。


 そうこうしているうちに13時になった。アクロポリスの丘に戻る。今回の旅行2度目のアクロポリスである。まぁいい。ブダ城なんて3回も行った。入り口ゲートで12:00〜13:00のスロットの整理券を持った観光客が揉めていた。なんで入れてくれないんだ!とのことだが、そりゃ13時までのスロットなんだから入れるわけがない。どこの国にもクレーマーはいるようだ。

 整理券で入場者数を絞っているおかげで昨日よりかなり空いている。昨日は混雑で見にくかったところも、ゆっくりも見ることができた。金払って見た昨日より、無料で見てる今日の方が快適なんだから悲しいものである。

 アクロポリスを下り、トロリーバスに乗って向かうはパナシナイコスタジアム。1896年の第1回近代オリンピックの会場として知られている。トラックは直線部分が異様に長いが、これは古代オリンピックにならった造りとのこと。


 時刻は既に15時半。A君と宿の近くのビクトリア広場で合流し、宿に預けた荷物を回収。遅めの昼食として、アテネ初日にも食べたハンバーガーを食べることにした。というかここが安いので。貧困に喘ぐ国の国民が、よく肥満に陥る理由がわかった気がする。味は相変わらず美味しかった。

 もうまもなくアテネにも別れを告げる。


アテネ→イスタンブール、長距離バス旅

 今日はアテネ17:30発のバスでアテネを脱出する。目的地はイスタンブール。翌日9:00到着予定。14時間半の超長旅の予定である。
 もともとはアテネを2日間観光し、今日は午前中に鉄道でテッサロニキまで移動し、そのまま観光。夜に夜行バスでテッサロニキからイスタンブールまで移動する予定だった。しかし誤算が2つもあった。
 1. テッサロニキまでの鉄道が不通だったこと。
 2. ストライキでアテネ初日を無駄にしたこと。
というわけでアテネからイスタンブールの14時間半の絶望バス旅をする羽目になってしまったのである。
 バス会社は隣国ブルガリア🇧🇬のARDA TUR社。

 チケットの案内を見て、バス停まで行く。長距離バスが来るとは思えないような小さな路地だ。そこにはARDA TUR社のオフィスがあった。

しかしこのバス会社、かなりヤバかった。

① 乗客置き去り未遂事件
 バスはアテネを若干の遅れとともに出発した。3時間ほど走ると休憩所に入り、ドアを開けた。乗客たちはどさっと降りて、トイレやタバコを済ませる。運転手はバスを降りて、車体の調整しているようだ。ただ何時まで休憩とかアナウンスがないので、我々は急いでバスに戻った。
 不安は的中する。なんとまだ1/4くらいの乗客が戻ってないのに、何のアナウンスもなく突然バスは走り始めた。一目見るだけで乗客が足りてないのは明らかなのにだ。流石に他の乗客がまだだー!と叫んだおかげですぐにバスは停まり、事なきを得た。
 どうやら運転手の認識だと、車体の調整のためにバスを停めただけで、休憩のつもりではなかったっぽい。でも乗客がバス降りたの見てたでしょ???

② まさかのイスタンブールに行かない事件
 バスに乗るときに一つ気になっていたのがバスの行き先。どう見てもSophiaと書いてある。ソフィアはブルガリアの首都だ。本当にイスタンブールに行くのか???運転手にIstanbul?と聞くが、Yes!らしい。不安になるが、トルコのパスポートを持っている乗客が沢山いたので多少安心してバスに乗った。
 しかし実際にはイスタンブールには行かなかった。やはりこのバスはソフィア行きで、途中のテッサロニキでイスタンブール行きに乗り換えろということだった。そんなことチケットには一言も書いてなかい。
 一応テッサロニキでは接続が取られてはいたが、テッサロニキで起きてなかったらそのままソフィアまで連れてかれるところだった。乗客の確認くらいするだろって?置き去り未遂する会社を信用できるか!

テッサロニキからのバス

③ パスポート乗客に丸投げ事件
 ギリシャ🇬🇷トルコ🇹🇷国境にはもちろん国境検問所がある。ギリシャ出国の際、国境審査官が全員分のパスポートを回収する。まとめてスタンプを押し、パスポートはまとめて運転手に返却する。
 しかし我らがARDA TURの運転手、自分でパスポートを乗客に返すのがめんどくさいからか、一番前の乗客に「これ配って」と。えぇ...小学校のプリント配りじゃないんだから。客も断れず、パスポートの名前を一つ一つ読み上げて配っていった。
 ちなみにこの運転手、国境の免税店でタバコを爆買いしてた。あのさぁ...

ギリシャ側国境検問所
トルコ側国境検問所


 国境検問所では野犬がワンワン吠えていた。これこれ〜!これでこそトルコや!と気分が高まる。正直ギリシャは散々だったので、トルコに帰ってきて安心感がすごい。ああトルコの母なる大地!!!
 バスは国境を越えてからも3時間ほど走り、結局イスタンブールには約3時間遅れの10:15の到着だった。約16時間もバスに乗ってたことになる。しかしそんなことは全く気にならない。イスタンブールに帰ってきたことが嬉しすぎたのだ。

@イスタンブール



続きはこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?