見出し画像

【投資】安全資産化する米国株(日経新聞)〜メディアの日本株ネガティブバイアス

さて今朝の日本経済新聞(2023年7月25日付)に、"(Deep Insight)安全資産化する米国株"として、同誌コメンテーターの梶原誠氏が議論を展開しております。

この梶原氏、過去の記事、特に最近でも以下の"膨らみ続けた「超バブル」 株高に思うソロス氏の警告"もそうですが、日本株をディスりたくてディスりたくてしかたがない、って感じですね。

特に今日の論点としては、アップル株を例として取り上げ、その極端に成功したパフォーマンスをもって「アップル株はリスキーではなかった」と。そしてその極端な成功事例をもって、「米国株がリスク資産から、長期的には高齢者も安心して持てる安全資産になりつあるからではないか」と主張されています。

それだけでも結構な暴論ですが、さらには日本株も過去20年、米国株に匹敵するパフォーマンスを出している事実には触れず、「日本は米国に遠く及ばない」と(笑)

そして最後には本論のテーマとはまったく筋違い、斜め上の方向から、"ただ、銀行家はこうも付け加えた。「日本企業の場合、ほかより決断が1カ月遅くなります」"と日本企業ディスりの付け足しまでして議論を締めてます。

個人的には、過去の自分自身の記事でも書いてきたように、米国株も好きですし、日本株も好きです。そして、どちらかといえば日本株よりも米国株の方が好き。梶原氏も最後に言及しているとおり、米国企業の資本市場における逞しさ、すなわちそれは株主重視の姿勢であったり、経営者のインセンティブと株主の利益が一致している点であったり、そういったところが気に入っているところです。そしてその点では日本株も徐々に改善してきているところかなって思います。

ただ、だからって米国株が「安全資産化」してるとは思わないですね…まあ何を持って"安全か?"ってところでもありますが。自分としては米国株はあくまでも、「長期にわたってインフレ率よりも高い期待リターンを享受できそうなリスク資産の中で最も魅力的な資産クラスの1つ」であり、そういった点では、銀行預金のままでいるよりは安全だという整理はしてます。

いずれにせよ、まあ新聞で「みんなイケイケで投資をしようぜ!」なんて言ったらバカっぽいので、コメンテーターとして賢そうなムードを出すためにも、どうしても批判的な論調になるのは仕方ない。であれば、読む側としてはそういうのばかりに流されず、バランスよく考える必要はあろうかなと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?