見出し画像

おかげさまで、本日で、一新塾創設から29周年となりました。

振り返ってみますと、この場は、市民の知恵の伝承の場であったことを実感いたします。


●「ああ、そうだったのか!」
私が一新塾に入塾したのは1996年。
入ってみると目からうろこの連続でした。
社会を捉えるにも、業界目線で表面上のほんの断片しか見えていなかった薄っぺらな自分を痛感しました。この場では、様々な業界を担っている人たちが、自分の生き様で業界の構造を解き明かしてくれます。

一人ひとりの人生の文脈から見える業界の輪郭。顕在化している現象の裏にある一人ひとりの人生の必然から解き明かされる真実。

モノサシは一つではありません。
「ああ、そうだったのか!」との発見が次から次へと起こります。

振り返ってみますと、それまでの私は「仕事を通して社会に貢献したい」との思いはあるものの、必死にあがいても、なぜだか、「自分」と「社会」の間にベールがあるようで、社会との交わる実感を持てず、もやもやの思いにのまれていました。一新塾の場で、多様なバックグラウンドの仲間同士で、腹を割って、とことん議論することで、私は「自分」と「社会」が交わる実感を学ばせていただきました。


●市民パワー
1994年、創設者の大前研一氏の「道なきところに道を切り拓くのは主体的な市民」との言葉と共に一新塾が誕生。
「生活者主権の国づくり」に挑む市民を育成することを目指しました。

ビジネスマン、経営者、主婦、学生など、これまで政治や市民活動に縁がなかった普通の市民が続々と参加したことが新しい時代の到来を予感させました。しがらみから解き放たれて、個性を伸び伸びと存分に発揮する「市民パワー」を後押しする力が一新塾の場にはみなぎっています。

ビジネスマンとして長年のキャリアを持つ塾生が言います。
「自分は広く世界を見てきたつもりだった。しかし、一新塾に入って、教育、環境、福祉などの現場に触れ、自分の視野が狭いことに衝撃を受けた。自分が知っていたのはビジネスの世界だけだった!」

一新塾は、これまでの既成概念から自由になり、本来の自分を取り戻します。そして、このことこそが、新しい社会創造の原動力です。


●自分たちの手で市民の歴史をつくる
「自ら理想の社会ビジョンを描き、私たちの手で実現させる!」
社会創造の作業は、官僚や政治家の特権ではありません。最も創造的で心躍るこの作業こそ、私たち市民の手に取り戻したいと思いました。

しかし、前例はありません。

創設後の数年間は、塾生による市民の立場からの政策提言をしても「素人が政策をつくってもいったいどんなことができるんだ」と、議員や官僚の方から一蹴されることも少なくありませんでした。そうしたところから、議論を重ね、試行錯誤しながら、実験しながら、何度も転びながら、たくさんの助力を得ながら、市民からの社会変革の歴史を作ってゆく歩みでした。

●講師へ体当たりで気づいた市民の知恵
講師にお越しいただいた、第一線で奮闘する社会変革者の方々の気概に触れ、目が開かれました。そして、自分たちの考えも体当たりでお伝えさせていただきました。

こうした議論を積み上げる中で、市民だからこその知恵の存在に気づかせていただきました。その道の第一人者の方々は筋金入りの志をお持ちです。深い専門性と深い知恵をお持ちです。

しかし、名もなき市民であっても、私たちが現場で体験したことや自分の人生と深く向き合ったことをもって、ぶつからせていただきますと、第一線の社会変革者もうならせるような知恵が出てくることもありました。

●ゼロベースでビジョンを描く
「既成概念をオールクリアしよう!」
「ゼロベースでビジョンを描こう!」

こうしたかけ声とともに塾生の切磋琢磨の日々。
こんな社会を創ってみたい。胸の奥底からワクワクと憧れが湧き上がってくる理想の社会ビジョンをゼロベースで描くのです。「できる・できない」は横において、自由に伸び伸びと描いてみるのです。

ドン・キホーテのような一見、無謀に見えるチャレンジでも、突き抜けたビジョンであれば「面白い」と仲間が知恵を持ち寄ります。そして、スモールステップから小さな奇跡が起こります。こうした仲間の挑戦を目の当たりにして、「次は自分が挑戦しよう!」と、志に点いた火は、次々に連鎖してゆきました。

●市民の知恵の伝承
一新塾の場では、何十、何百、何千の社会実験を積み上げてきました。その実験の中から、これはという知恵を次に続く方に、お伝えさせていただいています。

まさに一新塾は、市民の知恵の伝承の場です。

気がつけば、これまで、6000名を超える塾生が集いました。
政策提言、社会起業、市民活動、この場から誕生した

社会を変えるプロジェクト(NPO)は2000を超えます。
また、社会起業家は330名、政治家も253名誕生しています。

共通なのは、誰もが、自分だからこその根っこを育んで、「自分の人生」と「社会の現実」を交り合わせて現場主義で奮闘されています。

市民による社会変革の歴史は、これからが本番です。

●ネクストリーダー養成学校一新塾


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?