見出し画像

尖っているのに優しい企画をつくる

これだけネットで瞬時に世界中の事例にアクセスできる状況は、まるで東京ドーム(福岡ドームでもいいや)サイズの食べ放題会場のよう。

画像3

最初はテンションあがるかもしれませんが、だんだん選ぶ行為に疲れ、気がつけば自分が何が食べたかったのかも、わからなくなります。そんな時に「あなたをずっと見てたんですが、きっとこういう料理がお好きなんじゃないですか?」とセレクトしてもってきてくれる、のがデザイン思考的アプローチ。逆に「これ食べてみてすごく美味しかったんで、よかったらどうぞ。」ともってくるのがアート思考的アプローチ、なのかな。

そして、さらにできる人はこの「あなたを見て考えたこと」「自分が自信をもって選んだこと」に加えて、ロジカルにきちんと「いまここで抑えておくべき流行やおすすめ」などの客観的なツボもおさえて人に提供することで、心をグッとつかみます。

そんなモテる企画をできるのが、この本の著者の野崎亙さん。Soup Stock Tokyoでお仕事されつつ、Pass The Baton、文喫などの企画もされている方です。この著書があまりにも素晴らしくフェイスブックの自分のページで感想を書いたことがご縁で、あれよあれよとトークセッションの企画まで決まってたんですが、コロナのため中止となってしまいました。(そのあと実際にお目にかかったり、オンラインを通じて授業を受けさせていただいたり、しています。)

この本の帯だけを読んで「あぁ自分の好きなように企画すればいいのね、リサーチとか頼らず」と勘違いされる方もいますが、実際には自分発のアート思考×客の同行観察によるデザイン思考に、きちんとロジカルなマーケティングを組み合わせてこそ尖りつつも優しい企画ができあがります。包み隠さずそのノウハウを公開してる、すごい本です。この本を読むと、これからの企画とは「相手の代わりにベストを選んで提案するおもいやり力」だとつくづく実感します。

画像1

自分が欲しいものだけ創る! スープストックトーキョーを生んだ『直感と共感』のスマイルズ流マーケティング(2019年、野崎亙、日経BP)

【本日の朝食】

画像2

ミラノに遊びにいった時に食べた味を思い出しつつ、ミラノ風カツレツ、サラダ、カリっとやいたイングリッシュマフィン、マンゴーとチェリーで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?