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【読書】2022年3月

3月の表情が色々あったことを読んだ本が教えてくれるような豊富な顔ぶれ。今月も面白かったです。

14.センス・オブ・ワンダー

「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。

感性、感覚の素晴らしさを、著者の姪の息子、”ロジャーに送る”というメッセージが1ページ目に記されているこの本は呼び起させてくれる。虫眼鏡で森を歩いてみる、というのは面白そう。虫の目・鳥の目・魚の目。いろんな五感の使い方で、いろんなものに触れていきたい。

15.心理的安全性のつくり方

「心理的安全性」はキーワードとしてよく聞くし、関心も長らくあったけど、いまいち体系的な知識としては緩い感じがしていたので、エドモンドソンの『恐れのない組織』と共に入手した。

内容の感想ではなく、「こうしたコンセプトを実装・広げる際に重要な観点かな。」と考えたことを残しておきたい。一つのポイントは主語をどうするかという話なのかな。と感じる。個人にとっての「心理的安全性」を追求するだけの言説になると、それは”甘えだ””結果がでない心理的安全性は怠慢だ”という組織視点のフィードバックを受けることになる気がする。反対に組織にとっての「心理的安全性」に偏った論調だと、”イノベーションが生まれる””エンゲージメントが向上する”といった個の心理的安全性が手段化されていて、それ自体の尊重が薄まって聞こえてしまう。ように感じる。

因果で説明する論調に慣れすぎていて、個人文脈だと、”果実がないじゃないか”という話だし、組織文脈だと”結局は因(手段)かよ”という話になってしまうのではないかという感じなのかな。

本当は相互に関わりあっている、作用しあっているわけで、それはすなわち相関関係ということだと思うけど、それをいろいろなジレンマを克服しながら組織に根付かせていく努力をしている人は本当にすごいな。人間観や組織観の錬磨みたいなものにたゆまぬ思考投入と実践があるんだと思う。

16.森のように生きる

「感じたことを、考える。」
本稿の冒頭で紹介した『センス・オブ・ワンダー』の話に繋がる本。
自分の中に森を育もう。いい本だったので、感想ではなくて、引用を残しておきます。

目には見えない摂理がそこには働いている。森のすべてはその摂理に身を委ねている。ただ、それだけがある。その摂理の中で無限とも思える生命の多様性が生まれていく。ひとつひとつの命はまったく姿も形も違っていて、その違いがあるからこそ、全体としての美しさが生まれていく。
僕たちが毎日を生きている同じ瞬間、もう一つの時間が、確実に、ゆったりと流れている。日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは天と地との差ほど大きい。(『旅をする木』より)

17.アオアシ1~21巻

だいぶハマってしまった。お風呂カフェに2回行き、両方とも5時間ほど滞在してずっとアオアシを読んでいた。主人公の葦人だけでなくて、周囲の人間のそれぞれのドラマが面白い。しかも、サッカーの各ポジションへのリスペクトが伝わってくる。

自分は高校サッカーはケガで終えてしまったから、こういうスポーツマンガを読むと、「やっぱり高校時代に何か忘れ物をしてきたような気がする」という若干の痛みと郷愁を感じる。けど、それがまたよい。(ちなみに別のマンガだと、『あひるの空』がそういう風に読んでしまう。※スラムダンクとかメジャーはなんかちょっと読み心地が違う。)この忘れ物を、残りのこれからの人生で取りに行くのか、っていうのも問いだな、と。キャラでいくと花ちゃんがダントツで好きで、あとはどっこいどっこいでみんな好きです。

18.NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法

NVCはNon-Violence-Communicationの略で、「非暴力コミュニケーション」を意味する言葉。アカデミー賞でもタイムリーな話題が連日取り沙汰されているように思われるが、「言葉の暴力」、「コミュニケーションの暴力」は間違いなく存在するということをまず最初に自覚させられる本。そして、その暴力を、自分とその周りの関係においては取り除いた状態で、人と関わり合い、自分と関わり合いたいと読んでいて感じさせてくれた本。そして、その実践の手ほどきをしてくれる本。

【観察】→【感情】→【必要】→【要求】の4ステップをあらゆるところで意識し、実践できるか。訓練が大事な指南書だなあ。

19.東大読書

4月からの新年度に向けて、インプット⇔アウトプットの見直しを。狙いをもって読みたいときのインプット・アウトプットにおいてたくさん取り入れたいことがあった。とはいえ、すべての本をこの本に書かれているアプローチで対峙するのではなく、狙いを自覚しながら、読書としての本への向き合いと、情報INPUTとしての本への向かいを上手に切り替えながら充実した本との関係性を作っていきたい。

20.調べる技術/書く技術

19に続き、インプット⇔アウトプットの進め方の見直しのために読んだ本。
外交分析官だった佐藤氏から学ぶのは、知識の土台を作ることの徹底度合い。どこから情報を得るか?というところにこだわることは、インプットの質を高める現状の一番のレバレッジポイントのように感じた。情報をどこから、どのように得るか?というインフラ整備を進めていきたい。

4月はコト向き合いのためにも量インプットも増えそうですが、
楽しい味わい読書も続いていきますように。



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