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今日という日のこと

今日で三回忌。

GWが近づくにつれてどうも心がざわざわしていたし、研究が年度初め早々に忙しくなったのもあってしばらくは情緒が不安定だった。

そういえば去年のこの日もメンタルがやられていた。
感染症拡大の不穏な空気感や人と会えないことが悪さをしていて、無人の公園で新緑と傾く夕日を眺めながら、ひたすらぼんやりしていたことを覚えている。
散った桜と咲きこぼれる藤を見て、時は待ってくれないのだと感じた。

あれから1年。部活の同期と話す機会が何度かあった。
私の知っていることを皆は知らなくて、その逆もまたしかり。
いずれにしても先輩は誰にとっても大事な存在だった。
未だに座布団とコーラかモンスターを携えて部活に顔を出しそうな気がしてならないけれど、心持ちとしては少しだけその事実と向き合えるようになった。


だからこそ、今年は献血をしよう、と思い立った。
先輩が以前Twitterで「できるのであれば献血をしてほしい」と仰っていたことをふと思い出したから。
彼女はいわゆる”血液のがん”だった。

貧血になることを恐れていたので、今回が人生で初めての献血。
「初めてなんですが…」と献血ルームに問い合わせると、電話で応対してくれたお姉さんは何だか嬉しそうな口ぶりだった。
400 mlの方が不足しているようだったけれど、条件的に今回は200 ml。次回行くならおそらく成分献血。
5月5日に予約をした。

実際はそうビクビクするようなことではなくて、健康体ゆえか献血自体は3分くらいで済んでしまった。
行ってみないと分からないものである。

午後は部活の同期と写真を撮りつつ散歩。
ずっと何気ない話をしていたからか、ほどよい疲労感からか。
鬱々としていた去年に反して、気づけば心も身体も比較的元気になっていた。

同期に限らず、友人らには毎度助けられています。感謝。


来年も今年のように献血をしているかもしれないし、友達と過ごしているかもしれない。
はたまた、文章も書かず、普段と変わらない生活の中でただ思いを馳せるだけかもしれない。
もっと年を重ねれば、自ずと人に祈りを捧げる日は増える。
そういう特別な日を増やすのは苦しむことと同値だろうけれど、今年の私は、私の気が済むまで弔い続けようと誓った。



追伸:いつか来る昇段戦で加護してもらわないと困りますからね、ほんと。よろしくお願いしますよ。




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