4.0 高利回りマンションの作り方


マンションオーナーが利益を出せる部屋は入居者にとって「良い条件」の部屋ではありません。では、どうやったら投資家にも入居者にも良い物件を同時に実現できるのか。今、若い世代の入居者に人気のワンルームは、部屋面積を狭くして家賃を「2万円~3万円」低く抑える都内の新築マンションです。東京で家賃10万円以下の賃貸物件で20平米というのは普通になりました。ひとり暮らしなら極端に窮屈ではなく、15平米以下の超狭小が増えてきています(1畳で1.62平米なので、10平米といえば、6.1畳、しかもトイレ・お風呂まで入れての広さ)

株式会社リクルート住まいカンパニーが調査した賃貸契約者動向調査(2019年5月実施)によると、ひとり暮らし(学生)が住み替えたい間取りの広さ「6畳(+バストイレ一緒)」を「必ず選びたい」という人は11.3%なのに対し、「3畳ロフト付(+バストイレ別)」を「必ず選びたい」という人は24.2%とバストイレ別の超狭小部屋のほうが倍近く人気であることがわかりました。布団を敷くので精一杯というような狭小物件を自発的に選択する人は増えていて、ここ5~10年くらいで狭小の新築物件自体も増えました。昔は多かった“古い畳敷きの四畳半”のような狭小物件とは、だいぶ印象が違います。では実際に狭小物件を選んだ人たちは、なぜ、このような激狭ワンルームを選んだのでしょうか。

【CASE1】20代男性
1件目は東急東横線の某駅より徒歩3分ほどに住む20代男性。

1. 通勤負担が大きかったので、仕事の都合で都心方面へのアクセスが良い場所を選んだ

2. 狭い部屋を選んだというより、東横線沿線で駅近だと家賃が高いので、結果的に狭くなった

3. 食事も外食中心なので、冷蔵庫すら置いていない。基本的にお風呂に入って寝るだけだから布団が敷けるだけの広さで十分。テレビもネットも本もスマホひとつで事足る

【CASE2】20代女性
京王線「笹塚」駅から徒歩8分の賃貸アパート専有面積9.67平米でひとり暮らしをする20代女性。

1. 油断するとすぐに物が増えるので、モノが増やせない環境がいい。そもそも置けるものが少ない狭小物件なら、引越しも普段の掃除もラクで良い。

2. 家に居るより仕事などで外にいる時間のほうが長いので、部屋が狭いこと自体を不便に感じることもない。

3. 家賃が安いので、節約しなくても毎月一定の貯金もできる

4. 以前は板橋区の大山で、狭小ながらロフト付の部屋に暮らしていたが、渋谷のようなブランド立地に住んでいると言ってみたかった

5. 一つ所に留まるより、定期的に環境を変えたい。コンパクトな賃貸物件で、持ち物と家賃を抑えた身軽な生活でいろんな場所に住んで、気軽に住み替えしたい

この2つのケースのように、部屋が狭いことをメリットと捉える人の需要は一定数あります。仕事や趣味などで外に活動基盤をもち、アクティブな生活をしている方々は家に居る時間も短く、部屋の広さはさほど重要ではありません。立地条件や設備仕様が同じなら、部屋の面積を狭くするのが一番簡単と言う考え方の世代が増えています。

では、投資家の観点ではどうか。通常のワンルームと比較すると、面積が小さくなれば平米単価が倍以上になります。1 部屋当たりの面積が半分になれば、単純に総戸数が2倍になります。都心5区の人気エリアでも、賃料設定次第で利回り7%超を実現することが可能になります。狭小物件の面積で最大限効率的に、快適に過ごせるかは「間取り」これが一番重要です。ベッド下を収納できるスぺースにしたり、トランクルームとの併用貸出することで狭さのデメリットは解消できます。
投資家は「数字上の面積」に目が行きがちですが、入居者は「実際に使える面積」しか見ていません。内見時にこの部屋に住んだ場合、どこにどの家具を設置して、どう生活するのかをイメージします。必要のない廊下に面積が取られても、入居者はそこには意味を見てくれません。同じ面積の部屋でも「間取り」によって使い勝手は全く変わります。投資家の収益を最大化させつつ、入居者は快適に過ごしながらも月々の家賃を抑えることができます。

立地に関して言うと、中央線や丸ノ内線は「新宿」駅をはじめ複数のターミナル駅に直通アクセスできるので交通利便もよいのですが、杉並区と中野区、それから板橋区などはコンパクトな物件自体が多く、特に杉並区はJR中央線と東京メトロ丸ノ内線の間や、西武新宿線の沿線に新しいコンパクト賃貸物件が多く、競争が激しいので、設備仕様や立地条件のわりに家賃が安くなりがちです。狙うなら、多少土地値が高くても競合が増えにくい、渋谷、新宿、目黒あたりの城西・城南エリアのブランド立地がお勧めです。

利回り8%の目線
坪賃料1.5万→専有坪225万 都心8区
坪賃料1.4万→専有坪210万 城南
坪賃料1.3万→専有坪195万 城西
坪賃料1.2万→専有坪180万 城東、城北
坪賃料1.1万→専有坪165万 城東、城北

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