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そうだこれを書こう。いつも思っていることだし、こういうふうに展開すれば、と思いついたあれは、何についてだったか。個展を終えてのあれこれか?いや違う、この間夜遅くに帰って月と星がきれいだったことか?そうでもない。
個展には220人以上の方が来てくれた。200枚のマスクと対話し、その奥にある変わらぬ暖かな真情に触れたことを書こうとしたのだろうか。あるいは、あまりに時間がないので一人の時の食事が完全一汁一菜になり、いつもこれでよいのではないか、と感じていることを書きたかったのかも知れない。
食事と言えば、職場にお弁当を持参するようになってずいぶん経つ。始まりは10年前、その頃ともに暮らしていた人からお弁当をリクエストされたのがきっかけだった。その人との縁は途切れたが、お弁当作りは続き、途中からは、SNSに投稿するというモチベーションにも助けられ、仕事の日はお弁当、というのが自分の中で不動のルールとなった。
個展が終わったら終わったで、やらなくてはならない事は多い。真心に触れてしまったのだから、お返ししなくてはいけない。相変わらず睡眠時間は充分とは言えないし、読めない本がどんどん溜まっていく。心は時に遠く彼方へ飛び浮遊しつつ、走るように一日を過ごす。お弁当。一汁一菜。月や星を仰いで。目まぐるしい日々に、食することが軸になる。進む季節に襟を立て、前へ。



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