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8.ウマの臀筋、第三転子、盲腸

ウマは有蹄類で、有蹄類は草食動物です。
ウマ、サイ、バクは有蹄類の中でも奇蹄目のグループ。
ウシ、シカ、ヤギ、ヒツジ、ラクダなどは偶蹄目。
これらは蹄の本数が奇数か偶数かの違い。

たったそれだけの違いなのですが、内臓に大きな違いがあります。
奇蹄目は盲腸を発達させて植物を発酵分解。
偶蹄目は胃を発達させて植物を発酵分解。

葉の消化をしたあとに吸収しますので、小腸を通り過ぎたあとで発酵分解するのは後手になってしまうのですが、なぜか奇蹄目は腸管の終わりの方に大きな盲腸を発達させます。


ウマの盲腸

出典元:Part 2: Equine Abdomen – Dissection Lab Guide for Ungulate Anatomy

上図の1,2,3が盲腸です。1は骨の上に書かれておりますが、緑のうずを巻いている盲腸のことです。寛骨と大腿骨との位置関係が面白いです。寛骨と大腿骨がまるで盲腸を抱くように位置しております。

さて以下で書きましたように、ウマは外側にある臀筋に強く乗る動作構造があります。

わたしはこうした動作構造が内蔵の働きに深く関わっていると思っております。
臀筋に強く乗るときの内部変動、臀筋の負荷が瞬発的に開放されるときの内部変動、そのどちらもが盲腸という発酵タンクを撹拌してくれます。
またそもそもこの大きな盲腸の発達は、内部変動によって発生を促されたと考えております。

ということは第三転子の存在や盲腸発酵を使う動物に、運動構造の共通性が見いだせるかも?
あるいは動作構造から偶蹄目の胃の発達が推測出来るかも?

ということを今後書いていきます。

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